2006年〜2010年の著作・制作物

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※本学教職員の所属・職位は発行当時のものです。

『現代カナダを知るための57章』明石書店(2010年)

飯野 正子(学長)、竹中 豊 共編

世界が大きく変化しつつある現代、新しい国カナダでは、その変化にいっそう拍車がかかっています。『現代カナダを知るための57章』は、そのような新しいカナダを、その基盤にある「変化しない部分」にも焦点をあてつつ、論じようという企画です。日本でカナダ研究が始まった1970年代以降、カナダ研究の層は厚くなり、研究分野も広がっています。本書は、そのような新しい研究動向や成果を反映しています。
(明石書店 2,000円+税)

『変化を生きぬくブッシュマン — 開発政策と先住民運動のはざまで』世界思想社(2010年)

丸山 淳子(国際関係学科講師)著

故郷を追われ、再定住地で暮らすことを余儀なくされたブッシュマンは、新しい現実にどう取り組んでいるのか。狩猟採集生活の特徴を、どのように変化させ、維持しているのか。激変のなかを融通無碍に生きぬく姿をいきいきと描き出す、ポスト狩猟採集社会の民族誌。

※第23回日本アフリカ学会研究奨励賞受賞。第38回澁澤賞受賞。
(世界思想社 4,800円+税)

『サルトルとマルクス1 見えない「他者」の支配の陰で』春風社(2010年)

北見 秀司(国際関係学科教授)著

—敵はどこにいるのか—  フーコー、ドゥルーズ、デリダ、ネグリの後に、だれも知らないサルトルが姿を現す。「後期」マルクスの疎外論が、サルトルとの邂逅により新たな命を吹き込まれる。真の民主主義と自由の実現をもくろむ思想の挑戦。 (春風社 3,333円+税)

『ニュー・ジャズ・スタディーズ──ジャズ研究の新たな領域へ』アルテスパブリッシング(2010)

宮脇 俊文・細川 周平・マイク・モラスキー 編、 椿 清文(英文学科教授)分担執筆

90年代以降、多様な領域に広がるジャズ研究──アメリカと日本の最新の成果から、その代表的な論考と最新論文を集めた画期的なアンソロジー登場。〈聴く〉〈見る〉〈読む〉〈書く〉〈演る〉の5部に分けてメディア論、ジャズとパンク、村上春樹、楽器の表象、中国ジャズ、歴史叙述、即興、マイルス、フリー・ジャズ、音響など、多彩なテーマを論じた15本(書き下ろしを含む)を収録。
(アルテスパブリッシング 3,200円+税)

『大同道路—孫中山研究』南京出版社 (2010)

張憲文・中村 元哉(国際関係学科准教授) ほか共著

本書は2011年の辛亥革命100周年を記念して刊行された中国語論文集である。副題の孫中山は孫文のこと。内容は(1)中国同盟会に関する研究、(2)孫文思想に関する研究、(3)孫文逝去80周年に関する論文から構成され、中村元哉「国民党的新聞自由論与民権思想——従20世紀40年代国際情勢来分析」(国民党の報道自由論と民権思想——1940年代の国際情勢と関連させて)を収録する。辛亥革命が東アジアにもたらした歴史的意義と今日的意義を再確認する場となれば幸いである。
(南京出版社 税込9,400円)

『成長なき時代の「国家」を構想する—経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン』ナカニシヤ出版(2010)

中野 剛志 編、 萱野 稔人(国際関係学科准教授) 分担執筆

「豊かさ」とは、「国民」とは、「共同体」とは、「国家」とは—。経済成長を前提にできなくなった危機の時代における、経済と社会のあり方、そして新しい国家ヴィジョンを、新進気鋭の思想家たちが提言する。
(ナカニシヤ出版 2,600円+税)

『パナソニックの3D大戦略』日経BP社(2010)

麻倉 怜士(本学講師)著

パナソニックはなぜ大画面・高画質の3D映像にこだわったのか。3Dテレビ開発でハーフHDの道を選ばず、あくまでもフルハイビジョンのクオリティで、3D映像を家庭に持ち込もうとしたパナソニック技術者たちの2年間の苦闘を描いたノンフィクション。技術者たちへの徹底的なインタビューを通じて、規格作成から製品化までを詳細に追う。テレビ、レコーダー、プレーヤーといった川下部分だけではなく、川上部分のコンテンツ製作用の業務用3Dカメラレコーダーを含めたフルラインアップを揃えたパナソニックの3D戦略の全貌を明らかにする渾身の開発ストーリー。
(日経BP社 2,000円+税)

『超マクロ展望 世界経済の真実』集英社新書(2010)

水野 和夫・萱野 稔人(国際関係学科准教授)共著

現在の世界経済危機を単なる景気循環の問題としてとらえるならば、この先を読むことはできない。むしろ逆に、資本主義そのものの大転換、四百年に一度の歴史の峠に我々が立っていることを認識してこそ、経済の大潮流が見えてくる。
資本主義の歴史的な構造変化を大胆に描いてきた異色のエコノミストと、国家への深い洞察にもとづいて現代社会をめぐる理論的考察をくりひろげる哲学者が、経済学者には見えない世界経済の本質を描く意欲的な対論。
(集英社新書 税込756円)

『格闘する思想』平凡社新書(2010)

本橋 哲也 編、萱野 稔人(国際関係学科准教授)分担執筆

働く人の三人に一人が非正規雇用の今日、私たちの生活はあらゆる面で危機に瀕し、暴力に晒されている。格差を広げるネオリベラリズム、排除を強めるネオナショナリズム。気鋭の英文学者に迎えられた七人の論客が、現状打破のために放った強靱な言葉たち。
分断する構築主義などものともしない、全体的社会思想の現在。
(平凡社新書 税込819円)

『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど(14歳の世渡り術) 』河出書房新社(2010)

萱野 稔人(国際関係学科准教授)著

みんな暴力はいけないというのになぜ暴力はなくならないのか。そんな疑問から見えてくる国家、社会の本質と正しいつきあい方。善意だけでは渡っていけない世界の本当の姿、教えます。
(河出書房新社 税込1,260円)

『プロの知識・プロの技術シリーズ 5 ウエルネスと健康支援に役立つコミュニケーションスキルと対話力』財団法人 健康・体力 づくり事業財団(2010)

中西 雅之(英文学科教授)著

日々関わる人々とのコミュニケーションがうまくいかないことが大きなストレスとなります。だから、心と身体のウエルネスの大切さを考えるとき、食事や運動を含む生活習慣の改善と健全なコミュニケーションはいわば車の両輪です。コミュニケーションスキルや対話力は生まれつきの才能ではなく、 誰でも身につけることができる、そして、ぜひとも身につけておきたい力です。この本には職場や家庭、友人との関係などの日常のコミュニケーションの場面で役立つヒントやノウハウがたくさん詰まっています。
※「月刊健康づくり」掲載(2009年4月~2010年3月)に加筆して、1冊にまとめたものです。
(財団法人 健康・体力 づくり事業財団 1,200円+税)

『新編 原典中国近代思想史』(全7巻)  岩波書店(2010)刊行中

村田 雄二郎ほか編、中村 元哉(国際関係学科准教授)ほか編集協力

1976年から刊行された旧編を大幅に改訂・増補。新編では、新世紀における新たな中国像の構築に向けて、(1)文明への視座、(2)近代という視座、(3)革命の位置づけ、の3本の柱を編集方針として立てた。その上で、中国近代思想史を大きく七つの段階に時期区分し、それぞれ1巻を割り当てた。
目指したのは、一言でいえば、日中関係の未来を担う若い世代に向けて、「近代」に分け入って「中国」を思考する際に必要とされる、栄養豊富で噛みごたえのある素材を提供することである。未来志向の近代東アジア史の見直しと日中間の新たな関係構築に資する資料集となることを願ってやまない。 
(岩波書店 5,000円+税~)

『憲政と近現代中国  国家、社会、個人』現代人文社(2010)

石塚 迅・山本 真・中村 元哉(国際関係学科准教授)編著

党独裁が強調されてきた近現代中国。しかし、実質的な立憲主義(憲法と法制による自由と民主の保障)の導入への試みも存在した。法律学・歴史学の俊英が、中国・台湾の学者と、国際的・学際的に議論を重ねた中間成果。 
(現代人文社 2,500円+税)

『身体知 カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる』講談社+α文庫(2010)

内田 樹・三砂 ちづる(国際関係学科教授)共著

大きな価値観の変動のなかで個人が幸せになるための条件を、気鋭の学者たちがそれぞれ一人のおとなとして、家庭人として提言。結婚や出産にも流行があり、悲しい思いやつらい経験をした前の世代へのいたわりの視線をもちつつ、日本人が培ってきた身体の知恵、日本文化のもつ他者への愛情や距離の取り方についてまとめていく。「いいから黙って」、結婚したり出産したり、家庭をもったりして見えてくる人生の味わいを若者たちに見失わせてはならない。 
※本書は2006年バジリコ株式会社から刊行された『身体知——身体が教えてくれること』を文庫化したものです。
(講談社 648円+税)

『A Brief History of Sexuality in Premodern Japan 』Tallinn, TLU Press(2010)

木村 朗子(国際関係学科准教授)著

森鴎外の『ヴィタ・セクシュアリス』、井原西鶴『男色大鑑』をはじめ、平安時代宮廷物語の『とりかへばや物語』や『新蔵人物語絵巻』、仏像、仏画などをとおして、前近代日本の性の制度、家族構成、母子関係と欲望の問題など論じる。
(Tallinn, TLU Press 118.- eek / 7,54€)

『ローベルト・ヴァルザー作品集1 タンナー兄弟姉妹』鳥影社(2010年)

新本 史斉(国際関係学科准教授)訳

生きるということに特別な意味を付与しない主人公ジーモン——自分の生を「ただただ生きる」ことで、彼は手に触れるように世界を感じるのである。
(鳥影社 2,600円+税)

『金唐紙』金唐紙研究所(2010年)

菅 靖子(英文学科准教授)著

金唐紙の国選定保存技術保持者である工芸家、上田尚の作品カタログの第二版(改訂増補版)。前半には、金唐紙とそのもととなった明治の輸出品、金唐革紙の生産と消費の社会史を論じた「浪漫の金唐紙」が日英両言語で掲載されている。
(金唐紙研究所 2,000円)

『ひとのことばの起源と進化』開拓社(2010年)

池内 正幸(英文学科教授)著

わたしたち人間だけがことばを自在に操ります。ひとのことばの本質的特徴とは何であり,動物のことばとどう違うのでしょうか。そして,人類は,そのことばをいつ,どのようにして獲得したのでしょうか。言語学の視点をベースにしながら,最近めざましい発展を遂げている言語の起源・進化研究の学際的知見を駆使して,それらをやわらかい語り口と平易な文章で解き明かそうというのが本書のねらいです。
(開拓社 1,600円+税)

『アメリカ文学にみる女性改革者たち』彩流社(2010年)

野口 啓子(英文学科教授)編著

先住民問題、黒人問題、介護問題、都市の貧困問題、ユダヤ移民の女性問題…19世紀~20世紀初頭まで、「女性改革者」をテーマに読み直すアメリカ文学。
(彩流社 2,800円+税)

『ドラマ教育入門』図書文化社(2010年)

吉田 真理子(英文学科准教授)分担執筆

本書は、海外におけるドラマ教育の歴史や背景を俯瞰した日本ではじめての入門書である。主な実践家、ドラマ教育者たちの理念と方法論を紹介し、その考え方を取り入れて 日本でどのようなドラマの授業案を作成できるかを幼稚園、小学校、中学校、そして高校むけに提案している。また、授業や実践の研究方法もわかりやすく説いている。 
(図書文化社 2,200円+税)

『産みたい人はあたためて』飛鳥新社(2009年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)著

引き受けて生きる—
私たちは何を失ったのか?
仕事と「母性」を根本から問い直す
(飛鳥新社 714円+税)

『不完全燃焼、ベビーバギー、そして暴力の萌芽について』毎日新聞社(2009年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)著

暗い水たまりを走る夜の通勤バス。確実な死をもたらすカプセルの、奇妙な生の感触。母親に愛されなかった娘と、姉を失った青年が背負うはるかな歴史。私たちがここに生まれ、生きているということ。雨の動物園で、異国のエレベーターの中で、世界中の悲劇を幻視する女たち。
さまざまな記憶を呼び覚ます、不思議な物語6編。
(毎日新聞社 1,500円+税)

『国家とアイデンティティを問う』岩波書店(2009年)

C・ダグラス・ラミス、姜尚中、萱野 稔人(国際関係学科准教授)

グローバル化のもと、国籍、戸籍、言語といった国家のメンバーシップをめぐる境界がアイデンティティをめぐってどのような政治力学を形成するのか。国民国家が様々にもたらす排除と包摂をテーマに、現代日本に生きる二人の「外国人」政治学者と気鋭の哲学者が、それぞれの視座からナショナリズムに切り込む白熱の議論。
(岩波書店 500円+税)

『マルクス『資本論』入門——危機の資本主義を超えるために』河出書房新社(2009年)

萱野 稔人(国際関係学科准教授)分担執筆

未曾有の危機のなかで、マルクスが『資本論』とともに熱い注目をあびている。いまこそマルクスに世界の仕組みを学ぶための決定版。 
(河出書房新社 1,500円+税) 

『ちくま評論入門——高校生のための現代思想ベーシック』 筑摩書房(2009年)

萱野 稔人(国際関係学科准教授)分担執筆

評論読解に必要とされる資質は自分の頭で考えようとする意欲と、自由な人間であることを怖れない勇気である。評論読解テクニックを詳しく解説。また、幅広い主題と分野から精選した評論アンソロジー。
(筑摩書房 1,000円(税込)) 

『国際化する地域研究』文化書房博文社(2009年)

大島 美穂(国際関係学科教授)・加納 弘勝(国際関係学科教授)編

本書は、国際関係学科の基礎科目「地域研究序説B」の担当者12人の本学教員による共同執筆によって編まれた。対象地域はアフリカ、中南米、マレーシア、日本、フランス、オーストラリア、イギリス、北欧、アメリカ、韓国・朝鮮に及び、各々の執筆者が各自のディシプリンを土台に、これこそ「現代国際関係が直面する課題」であると考えるテーマについて議論を展開している。多様な視点、方法による地域研究でありながら、それぞれの章が全て現代国際関係の問題に収斂し、近代国家体系への問い直しを行っているそのダイナミズムは、津田塾大学の国際関係学科の特徴を表しているといえる。 
(文化書房博文社 2,000円+税)

『ホームシアターの作法』ソフトバンク新書(2009年)

麻倉 怜士(本学講師)著

ホームシアターの醍醐味とは、精細なハイビジョン映像と圧倒的な音響効果が渾然一体となって生み出す至高の臨場感を、自宅で愉しむことにあります。そのためのツールが、サラウンドスピーカー、AVアンプ、プレーヤーといった機器です。では、これらをどういう基準で選べばいいのか、どのように使いこなすのか。暗中模索のシアター道を一気に切り開く、どこまでも実用的で、生きた教養。“初心者以上マニア未満”に送る麻倉流「ホームシアターの作法」。前著『オーディオの作法』の姉妹編。 
(ソフトバンク新書 780円+税)

『言語と進化・変化』朝倉書店(2009年)

池内 正幸(英文学科教授)編集

現代進化論の正確な概説および生態学的,生成文法理論的アプローチなど代表的な4つのアプローチからの詳細な記述がもれなく収められており,研究の現状・問題点そして今後の見通しなどをすべて把握することができる。 
(朝倉書店 3,800円+税)

『赤ちゃんにおむつはいらない』勁草書房(2009年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)編著

「おむつなし育児」は「まったくおむつを使わない」のではなく、「なるべくおむつを使わず、おむつで排泄することをあたりまえとしない」ということ、というほうがわかりやすいかもしれない。タイミングを見て「やり手水」してあげるだけで、おむつは汚れなくなり、赤ちゃんは機嫌がよくなる。……言葉も発せられない弱い人に合わせること。その人に共感していくこと。わたしたちがここで書いていきたいのは、「家庭内の、弱い人を助け、共感する」ということを、母親のみでなく、家族のそれぞれが経験してほしいし、そうすることによって、すべての家庭の成員が、自ら自身の弱いところを出すことができるようになる、ということである。わたしたちはみな、強いところだけを出して生きてはいけない。弱さを認めて、それを共有できる場が必要である。幼い人の排泄にむきあう、ということは、そのための一つの大きなきっかけなのである。
(勁草書房 2,000円+税)

『究極のテレビを創れ! 感動に挑む絵づくり職人たち』技術評論社(2009年)

麻倉 怜士(本学講師)著

きれいな画質の“きれい”とはどういうことか
人間の眼は画質をどう捉えているのか
きれいをカタチにする技術とは
画質の違いはこんなところで生まれてくる
20年以上の時を経て商品になるまで
(技術評論社 1,580円+税)

『エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携』研究社(2009年)

野口 啓子(英文学科教授)分担執筆

今年で生誕200周年を迎えるアメリカの作家エドガー・アラン・ポーは、詩人、小説家、劇作家、批評家、マガジニストという多面的な顔をもつばかりでなく、短編小説のジャンルにおいてさまざまな新しい手法を取り入れ、新たなジャンル/サブジャンルを創始した奇才である。その影響力は本国アメリカばかりか、広くヨーロッパや日本にも及んでいる。本書は日本ポー学会のメンバーに加え、ポーにゆかりの深い作家、音楽家、評論家ら23名による総合的なポー研究である。末尾の「研究書誌」は、1940年代から現代にいたる主な研究を網羅している。ポー研究者にとっても学生にとっても必携の書といえるだろう。
(研究社 4,200円)

『マンガで学ぶナチスの時代 1 ある家族の秘密 / 2 真実をさがして』汐文社(2009年)

早川 敦子(英文学科教授)監訳

第二次大戦下のアムステルダムを舞台に、ユダヤ人とオランダ人のふたりの少女の視点から混乱と恐怖の時代が描かれます。原書はアンネ・フランク・ハウスによって製作されたもので、オランダやドイツの中学校では歴史の副教材として採用されています。日本の子どもたちにも『はだしのゲン』とあわせて読んでもらいたいシリーズです。 
(汐文社 各巻2500円+税)

『タッチハンガー』マガジンハウス(2009年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)著

Touch=ふれあい Hunger=飢え
欲しいのは包み込むやさしさ、無償の愛。
けっして不幸ではないけれど、心から幸せともいいきれない……。 現代日本に住む女性たちの、どこか満たされない思いは「タッチハンガー」によるのではないか。 生命力に満ち、「タッチ」する文化あふれるブラジルに長く住んだ著者が温かく語りかけてくれる、《理想の母》のような慈しみ深いエッセイ。 
(マガジンハウス 1500円+税)

『国際社会で活躍した日本人』弘文堂(2009年)

亀田 帛子(国際関係学科元教授)分担執筆

ここに選抜された日本人は、なんらかの形で外国文化に触れ、その結果視野を広げ、文化変容を遂げた人々である。国際社会という舞台で活躍したインターナショナリストの先駆者たちであり、彼/彼女らの「生きざま」を学び、読者が「私も頑張ろう」という自己啓発の糧にしてくれたなら、われわれ執筆者全員の望外の喜びである。(編者) 
(弘文堂 2000円+税)

『南部アフリカ社会の百年』東京大学出版会(2009年)

小倉 充夫(国際関係学科教授)著

植民地支配、冷戦、市場経済の影響を受けつつ、南部アフリカ農村社会がどの様な変遷を遂げ今日に至ったか。このことをザンビア東部州ペタウケ農村での14回にわたる調査および植民地政府文書などに基づき考察した。あわせて国際社会学の視点によるアフリカ社会研究の特徴と意義を示すことを意図した。 (著者解説) 
(東京大学出版会 4000円+税)

『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術(2009年)

木村 朗子(国際関係学科准教授)分担執筆

『源氏物語』全54巻の名場面を、「源氏物語絵巻」などの絵画140点余で紹介。その巻のあらすじとともに、誰が、何が描かれているかを丁寧に解説し、絵を読み解くカギを伝授する。物語をこれから読む人には長編文学の概要がすぐわかり、読んだ人には物語への理解と興味がいっそう深まる。美術と文学のコラボレーション!源氏絵年表・源氏物語人物系図付き。 
(東京美術 2000円+税)

『乳房はだれのものか』新曜社(2009年)

木村 朗子(国際関係学科准教授)著

本書では主に中世の物語に見る、女性の、母であることにかかわる様々な問題を扱っています。現在にもつづく、女か母かのフェミニズムの問いに加えて、当時の宮廷社会の性の配置は新たに乳母の存在をつきつけてきます。つまり、乳房は、女のものでも母のものでもなくて乳母のものだという、まったく別の視界が拓かれます。
中世の物語は歴史資料とは異なって、女性の手に成り、女性について描かれているものなので、男性中心の歴史叙述を、複層化させていくのに格好のテクストだといえます。女たちは何を信じて何を求めていたのか。本書では女たちの軽やかでしたたかな構想力が様々に駆使されていたことがわかります。往生が半ば本気で信じられていた時代において、夢想することは単なる現実逃避ではありませんでした。来世を思い描くことが、生きることと密接につながっており、女たちの求めた来世観は現実の女人観をも変容させたわけです。
女、母などはイメージに彩られ、時代によって様々に意匠を変えて語られるものです。だからこそ、中世の女性像が、現代にはない新たなイメージの可能性を拓くことになり、女性らしさをいうジェンダーの問題にとって重要になってきます。本書は、古典文学研究だけではなく、広く、女性学、女性史研究、宗教学にまたがる領域にあると考えています。なお、古典の引用に現代語訳は付していませんが、これを飛ばして読んでもわかるように工夫してあります。中世の文学に馴染みのない読者にも広く読まれたら幸いです。
(新曜社書 3,780円)

『金融危機の資本論』青土社(2008年)

本山 美彦×萱野 稔人(国際関係学科准教授)著

アメリカ型金融システムはなぜ崩壊したのか?資本主義はどこへいくのか?経済学者の本山美彦と哲学者の萱野稔人が、資本主義の歴史的な構造変化と日米関係から、世界金融危機の全体像を鮮やかに描き出す。混迷の時代、現実を見据えるための視野と理論。 
(青土社 1,400円+税)

『Buying for the home』Ashgate(2008年)

菅 靖子(英文学科准教授)分担執筆

17世紀から現代までの、家庭のための消費活動の歴史にかんするさまざまなテーマ(家事使用人、台所用具、男性の消費文化、百貨店、室内装飾、中古家具の売買、ガーデニング、DIYほか)をカバーしており、消費文化史研究の興味深い事例が集まっている。

『論争 若者論』文春新書(2008年)

萱野 稔人(国際関係学科准教授)分担執筆

不可解な若者の激増は社会のせいか、単なる甘えなのか。「論座」から「文藝春秋」まで、 19人の識者による重要論文・対談13本を収録。この一冊で若者論争の全体像が明らかになる。
(文春新書 740円+税)

『「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム』光文社新書(2008年)

雨宮 処凛×萱野 稔人(国際関係学科准教授)

いま、この社会では多くの人が「生きづらさ」をかかえながら生きています。たとえば、人間関係のなかで精神的な「生きづらさ」をかかえている人もいれば、貧困からなかなか抜けだせなくて経済的に「生きづらい」という人もいる。社会のなかで疎外感や居場所のなさを感じて「生きづらい」という人もいます。そうした現代の「生きづらさ」について、作家の雨宮処凛と哲学者の萱野稔人がさまざまな角度から要因を分析し、それを生き延びるためのヒントを探っていきます。
(光文社新書 760円+税)

『現代世界認識の方法:国際関係理論の基礎』日本経済評論社(2008年)

牧野 裕(国際関係学科教授)著

『現代世界認識の方法:国際関係理論の基礎』の内容は、おおよそ次のようになっている。第1編は、実証主義、合理主義の方法論とはなにかについて、歴史的、理論的に概観し、その方法的優位性と限界を考える。
(日本経済評論社 4,200円+税) 

『ワイヤレスエージェント技術』丸善(2008年)

小舘 亮之(情報科学科准教授)共著

最新の携帯電話の一部に搭載されている話題の機能に「エージェント機能」があります。「エージェント」とは、ユーザに有用な情報を提供するためにユーザの代わりに動作するソフトウェアのことです。本書は、「複数のワイヤレスネットワークが協調し、柔軟かつ公平にユーザの満足度を高める機能と技術であり、電波リソースをはじめとする各種資源の有効利用を目指すもの」と定義する「ワイヤレスエージェント技術」について、その概要から具体的応用例に至るまでを取り扱っています。
(丸善 4,800円+税)

『ヨーロッパは書く』鳥影社(2008年)

新本 史斉(国際関係学科准教授) 吉岡 潤(国際関係学科准教授) 若松 準(国際関係学科教授)

本書は、2003年1月、対イラク戦争に同調しようとしない独仏の態度に業を煮やしたラムズフェルド米国務長官の口から「古いヨーロッパ」という言葉が放たれたちょうどその時、ドイツのハンブルクで開催されていた欧州33カ国の作家によるシンポジウムの記録です。「行為する前に問うという贅沢をみずからに許容するヨーロッパ」、「複雑であることを時間の浪費、実行力不足とはみなさぬヨーロッパ」、「誰もが完全には思い通りにならない言語でしゃべっている、翻訳者たちのヨーロッパ」……アメリカにおいても政権が変わろうとしている今、世界の多様性へと開かれた33のユニークな論考から学ぶことのできるものは決して少なくはありません。
(鳥影社 3,045円)

『オーディオの作法』ソフトバンク新書(2008年)

麻倉 怜士(本学講師)著

オーディオの醍醐味とは、ミュージシャンやエンジニアたちが奏でた、まさにその瞬間のリアルなサウンドに近づくことにあります。その感動を追体験するため の道具が、スピーカー、アンプ、プレイヤーといったオーディオ機器なのです。では、これらをどういう基準で選べばいいのか、どのように使いこなすのか。暗中模索のオーディオ道を一気に切り開く、どこまでも実用的で、生きた教養。“初心者以上マニア未満”に送る麻倉流「オーディオの作法」。

(ソフトバンク新書 760円+税)

『女性と高等教育-機会拡張と社会的相克』昭和堂(2008年)

高橋 裕子(英文学科教授)分担執筆

女性が大学に進学し、社会進出を遂げた現代。しかし、大学に在籍することさえ許されなかった時代があった。彼女たちが知識と職業を求めて、自らの道を切り開いていった軌跡を比較社会史の視点から明らかにする。日本、イギリス、ロシア、フランス、スイスなど、多領域を扱う。また、日米文化の架け橋を女子教育に求めた津田梅子の、トランスナショナルな発信の技法についての考察を含む、「津田梅子の広報戦略」(高橋裕子担当)という章も所収されている。
(昭和堂 4,200円+税/解説:高橋 裕子)

『The Diary of Charles Holme's 1889 Visit to Japan』GLOBAL ORIENTAL(2008年)

菅 靖子(英文学科准教授)

美術雑誌『ステューディオ』創刊者として知られ、日本美術を西洋に伝えたチャールズ・ホームは、ジャポニスムを研究するうえで重要な人物である。彼が 1889年にリバティ夫妻および画家アルフレッド・イーストとともに日本を訪れたときにしたためた日記が、近年発見された。それは決して読みやすくない手 書きの文字に加え、数多くのペン画にあふれていた。本書は、チャールズ・ホームのひ孫であるトニー・ヒューバマン、リバティ商会研究の第一人者ソニア・ア シュモアと私で、この日記を解読し、注釈をつけ、さらにリバティ夫人エマが日本滞在中に撮影した写真に夫がコメントを加えている個人の写真コレクションを 巻末に加えて、初めて出版したものである。
ホームは明治期日本の人びとの生活やお決まりの観光名所のみならず、美術教育の現場や工芸品の売買の場などにも熱心に足を運び、日本文化について幅広く、詳しく記録している。 
(GLOBAL ORIENTAL / 解説:菅 靖子)

『ディスポジション 配置としての世界』現代企画室(2008年)

萱野 稔人(国際関係学科准教授)分担執筆

この本は、世界をとらえる新しい方法を、「ディスポジション(disposition)」という概念をつうじて模索した、共同研究の記録です。共同研究には、哲学、宗教、生態心理学、美術、建築、工学といったさまざまな領域の研究者が参加しました。「ディスポジション(disposition)」という言葉には、傾向性・性向・気分・態勢・装置・布置といった多様な意味があります。そうした意味の含みに依拠しながら、これまでの近代的な世界認識の方法を乗り越え、世界をとらえる領域横断的な方法をどのように創出していくか、これが本書の中心的な課題となっています。
(現代企画室  2,415円(税込)

『絶対ハイビジョン主義 これからが楽しいテレビ生活』アスキー新書(2008年)

麻倉 怜士(本学講師)著

10年楽しむテレビの買い方・使い方!これから買う人も、持っている人も必読!人生を変える、極上エンターテインメントの世界へようこそ!
(アスキー新書 743円)

『Using Drama to Teach and Learn Language and Literature in EFL Classroom』リーベル出版(2008年)

吉田 真理子(英文学科准教授)著

言語と作品の理解のためにドラマの方法論を用いる試みは日本にも以前からあったとはいえ、とかく授業外活動として位置づけられることが多かった。本著では、そのドラマ的な要素を手法として実際に英語の授業のなかに取り込んだ場合の有効性を、学習者のコミュニケーション能力や読解力などに注目しながら学習者の変化を第二言語習得理論に基づいて分析している。授業中や授業時間外、さらに卒業後の学習者の声も取り入れられた本著は、初等教育のなかに英語学習の時間が導入された現在、カリキュラムを考える上でも参考になるものである。
(リーベル出版 2,415円)

『歴史と記憶 場所・身体・時間』藤原書店(2008年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)他

-「歴史学」が明かしえない、「記憶」の継承をめぐる真実-  
P・ノラ『記憶の場』等に発する「歴史/記憶」論争に対し、「記憶」の語り手/聞き手の奇跡的な関係性とその継承を担保する“場”に注目し、単なる国民史の補完とは対極にある「記憶」の独自なあり方を提示する野心作。民俗学、人類学、疫学という異分野の三者が一堂に会した画期的対話が収録されています。
(藤原書店 2,000円+税)

『恋する物語のホモセクシュアリティ 宮廷社会と権力』青土社(2008年)

木村 朗子(国際関係学科准教授)著

「恋する物語には異性愛と同性愛の区別はない。ただその人が愛おしいという思いにまっすぐ向かう・・・・・」さまざまな愛のかたちがありえた宮廷物語の世界。そこには現代社会の性愛を超えた多様なセクシュアリティと権力をめぐる人々の限りない「恋する物語」があった。千年の彼方から、われわれを挑発する「恋する物語」の真実?

(青土社 2,310円)

『野坂昭如戦争童話集 ウミガメと少年』徳間書店(2008年)

早川 敦子(英文学科教授)訳

本書は、作家の野坂昭如氏が2001年に発表した戦争童話「ウミガメと少年」の日本語/英語対訳本です。その翻訳を、本学教授の早川敦子が担当しました。 スタジオジブリ作品の美術監督を務める男鹿和雄氏による書き下ろしイラストがふんだんに散りばめられており、戦争という暗い現実と、沖縄の明るい自然の対比を視覚的にも表現。童話ではありますが、年齢や国籍を問わず、手にとってみる価値がある一冊です。「ウミガメと少年」は、2002年にアニメーション化もされ、また女優の吉永小百合氏がライフワークとする朗読集「第二楽章 沖縄から」の原作になったことでも話題を呼びました。 
(徳間書店 1,700円+税)

『対話力 なぜ伝わらないのか、どうすれば伝わるのか』PHP研究所(2008年)

中西 雅之(英文学科教授)著

「話せばわかる」とは言うけれど、いくら話しても自分の気持ちや考えが伝わらないことの方が多い。なぜわかってくれないのか?それは「対話」になっていないから。互いの人格を認めあい、状況認識を共有してはじめて対話ができるのです。本書は、対話に必要な様々な要素を挙げて解説しています。これらをきちんと意識することで、周囲の人とのコミュニケーションが改善し、人間関係のイライラも解消していくでしょう。
◎ 対話に必要な5つの力(認識力・想像的思考力・適応力・聞く力・注意力・一般的コミュニケーション能力=D・I・A・L・O・G)の自己診断テスト付。
(PHP研究所 1,365円(税込)

『次世代への国際協力レポート 現地と世界をつなぐ私たちの仕事』津田塾大学オープン・リサーチ・センター(2008年)

加納 弘勝(津田塾大学オープン・リサーチ・センター)編

本書は、2006年と2007年の2回にわたり開催したシンポジウム「現地から語る国際協力?津田ネットワークを通じた経験の継承」をもとに編集したもので、執筆者は総勢29名。いずれも津田塾大学の卒業生、在学生、教員です。 
「I 国際協力とは ~私たちの経験から」、「II 国際協力を語る ~国際協力推進の主体として」は、グローバル、ローカルに活躍する卒業生16名が執筆しています。また、「III 津田塾大学から世界へ」は、多文化・国際協力コースの学生6名がフィールドワーク報告を記し、教員7名も執筆しています。 

本書のご購入は、Amazon.co.jpをご利用いただくか、津田塾大学オープン・リーサチ・センターにメール、またはFAXでお申し込みください。販売に関する詳細は、ホームページでもご案内しています。 
・ ORCウェブサイト:http://orc.tsuda.ac.jp/
・ 電話(FAX共通) 042 (342) 5497 

(津田塾大学オープン・リサーチ・センター 1,600円+税)
(編集協力:株式会社国際開発ジャーナル社)

『津田仙評伝 もう一つの近代化をめざした人』草風館(2008年)

高崎 宗司(国際関係学科教授)

津田梅子の父・津田仙は福沢諭吉と同じ時代を生きた洋学者で、ともに渡米し、福沢が慶応義塾を設立したように、仙も学農社農学校を設立した。仙は、福沢とは違った「もう一つの近代化」を構想し、実践した人である。農業の近代化とキリスト教によって民富や国富を増大させようとし、女子教育に尽力し、朝鮮人の農学者やキリスト教者と交流していた。また、足尾銅山の鉱毒を問題にしていた。農業の近代化、地方経済の発展、朝鮮人との相互理解に努力した人は、政治や工業の近代化を主張した人ほどには評価されなかった。農業や朝鮮の重要性が再認識されている現在、もう一つの発展や近隣諸国との相互理解に尽くした人の業績が高く評価されるべきである。おりしも2008年は津田仙没後百年である。
(草風館 2,500円+税)

『日本の移民研究動向と文献目録 I 明治初期 1992年9月』 『日本の移民研究動向と文献目録 II 1992年10月 2005年9月』明石書店(2008年) 

移民研究会 編

日本の移民研究動向と文献目録 I 明治初期?1992年9月、II 1992年10月?2005年9月が同時に出版された。『I』は、移民研究会編『日本の移民研究 動向と目録』(1994年)の改定増補版。移民研究は量の増加と多様化という大きな進展をみせているが、本書は、日本において明治期以降に出版された日本人移民・日系人に関する文献の収集・分類・整理・解題を行い、この分野における研究動向を把握・分析し、今後の研究を展望している。30数年前に小さな研究会として始まった「移民研究会」は、現在は本学国際関係研究所に属する活発な会となっている。本書は、その会員の長期にわたる真剣な取り組みの成果であり、移民研究の分野における重要な貢献となるであろう。執筆者の多くが本学卒業生。(解説:飯野 正子(本学学長)
(明石書店 4,600円+税/6,000円+税)

『モダニズムとデザイン戦略-イギリスの広報政策』ブリュッケ(2008年)

菅 靖子(英文学科准教授)著

デザインが社会を変える。第一次、第二次両大戦間期に、イギリス逓信省が主導したデザインの時代を、豊富な資料を用いて活写する。 
(ブリュッケ 3,200円+税)

『月の小屋』毎日新聞社(2008年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)著

毎日新聞社「本の時間」に掲載された4編と、書き下ろし作品2編を収録した、本学教授 三砂ちづる の小説第一作です。6編の「女の話」がこの1冊にまとめられています。
(毎日新聞社 1,500円+税)

『きものとからだ』バジリコ株式会社(2008年)

三砂 ちづる(国際関係学科准教授)著

着物は、日本の気候や暮らしのなかから生まれた衣服だから、冬に温かくて、夏は風が通る。身体を冷やさない。動きやすいし、走ることもできる。しかも、ダイエット効果もある!?帯が苦しい、着るのがたいへんだというのは、近年に作られた「固定観念」なのだ。 毎朝、着物をスーッと羽織って、キューッと帯を締めると、身体が生き生きとしてくる。毎日付き合うことで、身体が変わる。もう一度、着物のある身体と暮らしを取り戻そう。
(バジリコ株式会社 1,400円+税)

新・国際金融テキスト2 (全3巻)
『国際金融史』有斐閣(2007年 初版第1刷)

上川 孝夫(横浜国立大学教授)、矢後 和彦(首都大学東京教授)編、牧野 裕(国際関係学科教授)分担執筆

国際金融の歴史を多面的に追究
国際金融の現実を理論・歴史・現状から解明する、待望の体系的テキスト・シリーズ。初級テキストを超えて、より深く正確に解説することをめざし、アドバンストな内容とサーベイを盛り込み、学部上級から大学院生を含めた学習に役立つように構成されている。
国際金融の歴史を体系的・網羅的にとらえる、初めてのテキスト。国際金本位制から現在の変動相場制までのグローバルなシステム、地域別主要通貨、国際金融機関の変遷を通史的に解説する。アドバンストな内容と研究サーベイを盛り込み、発展的な理解へと導く。
(有斐閣 3,100円+税)

『ガヴァネス』みすず書房(2007年)

川本 静子(名誉教授)著

19世紀英国に大量出現した未婚女性が、唯一の活路とした住み込みの家庭教師。その実像を歴史と文学の両面から探る。英文学、英国史の基本図書。
(みすず書房 3,500円+税)

『EUスタディーズ3 国家・地域・民族』勁草書房(2007年)

大島 美穂(国際関係学科准教授)編

本書は、本学が一橋、東京外語、ICUと共に実施するEUの4大学コンソーシアムEUIJ東京の共同研究成果「EUスタディーズ」3巻として、EUの機能を各国・地域・民族の視点から包括的に考察した研究書である。EUの深化・拡大によってヨーロッパを一つの実態として捉えがちな現状において、ヨーロッパの多様性を示すこと、EUの政策を機能的、対外的に検討しEUの相対化を図ることが試みられている。本学からは4名の教員が参加し、それぞれ周辺の地域研究の立場からEU、そしてヨーロッパの意味を問い直している。
(勁草書房 3,885円)

『デザイン的思考 つまようじからロゴマークまで』ブリュッケ(2007年)

菅 靖子(英文学科准教授)訳

いま、デザインができること。デザインの未来とは? 21世紀のグローバル社会において、デザインに何が求められているのか?デザイナーの社会的役割、ユーザーの役割とは何か?人間に本当に必要なデザインとは何か?
(ブリュッケ 2,600円+税)

『権力の読み方-状況と理論』青土社(2007年)

萱野 稔人(国際関係学科准教授)著

この本は、権力の問題を「状況」と「理論」という二つの側面から考察しています。まず「状況」というのは、われわれをとりまく現代世界の状況を指しています。グローバリゼーションや「テロとの戦い」、構造改革などをつうじて、世界のあり方は現在おおきく変容しています。そうした変容をつうじて、利権や暴力、ナショナリズム、例外状態といったものがどのように生まれ、新たにどのような力や形態をもつようになっているのか。これが中心的な問題関心となっています。これに対して「理論」というのは、フランスの哲学者、ミシェル・フーコーの権力分析をめぐる理論的考察を指しています。フーコーの権力論は、現在、権力を思考するうえでけっして無視できないほどの重要性をもっていますが、にもかかわらずこれまでそれが理論的・概念的なレベルで明確に読解されることはほとんどありませんでした。フーコーは権力ということで何を問題にしていたのか、その権力分析は彼の言説分析とどのような関係にあるのか、といったことを明確に理論化することが本書では目指されています。
(NTT出版 1,600円+税)

『コミットメントの力 人と人がかかわるとき』NTT出版(2007年)

三砂 ちづる(国際関係学科教授)著

世界と自分が向き合う「国際保健」という仕事。世界のお産事情、HIV/エイズ、薬物、医薬品問題……。「国際協力」の第一線で活躍してきた著者による目からウロコの徹底講義。
(本文より)この本を読んで、ぜひ将来はこういう仕事をしたい、と思ってくださる方もあるかもしれません。まだまだ人材不足のこの分野で、どんどん若い方々が育っていってくださることを願っています。まったく自分と関係ないところにいる人たちが被っている理不尽な扱いについて、自分に何の直接の利益もなかったとしても何かをしなければならない、と感じることが「コミットメントの力」であり、わたしたちの住んでいる世界はそのような思いに支えられて、より住むに値する場になってきたのだと思います。
(NTT出版 1,600円+税)
第1部 コミットメントの力
    国際保健とは何か
    世界の流れを読む
    プライマリー・ヘルスケアとは何か
    健康とは、医療とは、福祉とは
    国際保健という仕事
第2部 現場では何が起こっているのか——女性の保健を例として
    より「安全」な妊娠・出産をめざして
    「光のプロジェクト」とお産のヒューマニゼーション
    リプロダクティブ・ヘルスとリプロダクティブ・ライツ
    文化的背景を知る——ブラジル北東部における妊娠中絶
第3部 国際保健から世界を読む
    必須医薬品計画
    母乳哺育とWHOコード
    HIV/エイズの二〇年
    参加型学習と「生を全うするまち」

『後ろから読むエドガー・アラン・ポー 反動とカラクリの文学』彩流社(2007年)

野口 啓子(英文学科教授)著

推理小説の創始者として有名なエドガー・アラン・ポーは、日本の作家にも多大な影響を与えましたが、推理小説に限らず、怪奇小説、冒険物語、宇宙論、文学批評など、雑多なジャンルを幅広く手がけた作家です。本書はそのような多様な文学ジャンルを取り込みながらも、晩年の宇宙論『ユリイカ』を基軸として、ポーの作品のメタフィクション性を考察するとともに、ポーの時代への「反応」をたどることで、ルネッサンス期アメリカの文化的諸相に光をあてようとするものです。
(彩流社 2,500円+税)

『現在と性をめぐる9つの試論?言語・社会・文学からのアプローチ』春風社(2007年)

小玉 亮子 編著 (クレア・マリィ(英文学科准教授)分担執筆)

三分野の専門家たちが「性」を手がかりに、多様なテーマを論じる。その果てに浮かび上がる複雑・錯綜した「現在」。 幅広い視点をあたえるスリリングな論考集です。
(春風社 1,890円(税込)

『発話者の言語ストラテジーとしてのネゴシエーション行為の研究』ひつじ書房(2007年)

クレア・マリィ(英文学科准教授)著

発話者がいかに個々の発話場面やその場面に現出する人間関係を「自分らしく」切り抜けるか、その行為を「ネゴシエーション行為」と名付け、新しい言語研究の視点・概念枠組みとして提案する。本書では特に、従来では研究の対象になりにくかったクイア言語や、いわゆる「男言葉」「オネェ言葉」などを再検討し、「男性・女性がこう話すべきだ」という社会的に規定される言説と、実践的な言語使用との間の隔たりを考察する。ジェンダー・セクシュアリティ、また、話し手を中心とした談話分析に新たな可能性を見出す研究書。
(ひつじ書房 6,800円+税)

『レトリック論を学ぶ人のために』世界思想社(2007年)

鈴木 健(本学英文学科准教授)分担執筆

本書では、「ホモ・ロクエンス」(言葉を使う人)として人間の本質をなすレトリックを、法学、美学、言語学、心理学、コミュニケーション論、関連性理論、哲学思想の面から描出することを通じて、「レトリック論」の内実、意義、将来の課題を考察しています。このうち、「第5章 コミュニケーション論によるアプローチ」を、本学英文学科准教授の鈴木健が担当。タイトルにあるとおり、レトリック論を学ぶ人にはお勧めの一冊です。
(世界思想社 1,900円+税)

『金唐紙 KINKARAKAMI The Art of Japanese Leather Paper』金唐紙研究所(2007年)

菅 靖子(本学英文学科准教授)図録執筆

金唐紙の国選定保存技術保持者である工芸家、上田尚の作品カタログ。前半には、金唐紙とそのもととなった明治の輸出品、金唐革紙の生産と消費の社会史を論じた「浪漫の金唐紙」が掲載されている。作品紹介、論文とも日英両言語である。
(金唐紙研究所 2,800円+税)

『「アンクル・トムの小屋」を読む 反奴隷小説の多様性と文化的衝撃』彩流社(2007年)

高野 フミ(本学名誉教授)編

本書はアメリカの奴隷制を正面から取りあげ、19世紀最大のベストセラーとなった、ハリエット・ビーチャー・ストーの『アンクル・トムの小屋』を、多彩な角度から読み解く研究書である。『アンクル・トム』は、政治的プロパガンダの書として、また、女性作家の手になるセンチメンタルな物語として長らく軽視されてきたが、丹念に読むと驚くほど複雑で示唆に富み、また物語としてもじつに面白いことがわかる。本書はそのような『アンクル・トム』を読み解く楽しさと同時に、そこに反映された19世紀中葉のアメリカ社会の複雑で多様な局面を考察したものである。序章の「ストー伝」のほかに、11章から成り、前半は小説としての『アンクル・トム』を、後半は『アンクル・トム』とアメリカ文化との係りを中心に分析している。
※本書は日本図書館協会の選定図書です
(彩流社 2,800円+税)

『英語圏女性作家の描く 家族のかたち』ミネルヴァ書房(2006年)

佐藤 宏子・川本 静子(本学名誉教授)訳

15の短編が織りなす家族のものがたり 人間の絆を鮮やかに描き出す。
(ミネルヴァ書房 2,800円+税)

『クリティカル・シンキングと教育』世界思想社(2006年)

林 さと子(本学英文学科教授)分担執筆

「人の意見を鵜呑みにせず自ら考える力」こそが、真の基礎学力であり、教育再生のかなめである。母語・外国語を問わず、すべての教育の基礎をなす「クリティカル・シンキング」の重要性と伸長のための方法論を8つの視点から平易に解説する。
(世界思想社 税込1,995円)

『日系人とグローバリゼーション 北米、南米、日本』人文書院(2006年)

移民研究会 訳

帯に書かれた「これまでの日系人の歴史と経験 これからのアイデンティティの行方」、「国際日系研究プロジェクトの画期的成果」が示すように、いままでにない広がりをもった共同研究の達成である。アメリカで出版されたものを本学の博士課程終了者が中心となって日本語に翻訳し、編集した点も意義深い。(解説:飯野正子 本学学長)
※本書は平成18年度『国際理解促進賞』優秀賞を受賞しました。
(人文書院 6,000円+税)

『ポーランドの建築・デザイン史-工芸復興からモダニズムへ-』彩流社(2006年)

デイヴィッド・クラウリー著、井口 壽乃・菅 靖子(本学英文学科助教授)訳

デザインに限らずモダニズム期の芸術文化の議論においては、国民国家、民族主義や他国との摩擦などの問題を無視しては語れない。特にポーランドの場合は、一八世紀末から二〇世紀はじめまでの列強による三分割をうけた祖国喪失の時代、自由と独立のための闘い、両大戦間期のピウスツキ時代の民族意識、ヨーロッパ文化=西欧文化への帰属意識といった歴史が明確に芸術、デザインに映し出されている。本書は、中東欧の文化表象の構造そして西欧との連関関係の理解を助け、さらにはモダニズムと芸術・文化の議論に大いなる材料となる。
(彩流社 3,000円+税)

『身体知 身体が教えてくれること』バジリコ株式会社(2006年)

三砂 ちづる(本学国際関係学科教授)

現代フランス思想の専門家であり、武道家でおられる神戸女学院大学の内田樹先生と2004年から2005年にかけて、朝日カルチャーセンターなどで行った「からだ」をテーマにした対談を元に作られた本です。(解説: 三砂ちづる)
(バジリコ株式会社 1,300円+税)

『生きがいの女性論 人生に満たされていないあなたへ』PHP研究所(2006年)

三砂 ちづる(本学国際関係学科教授)

経営学を専門とされながら、少し変わった「生きがい」を展開しておられる飯田史彦先生との対談です。(解説: 三砂ちづる)
(PHP研究所 1,600円+税)

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