入学から5年で修士号を取得。
濃密な学びの中で
文学と向き合った日々。

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原田 真衣奈 HARADA Maina

文学研究科英文学専攻修士課程 2026年修了

英語が好き——高校時代のシンプルな思いから津田塾の門を叩いた原田真衣奈さんは、大学の授業で文学の面白さに触れたことをきっかけに、文学研究への関心を深めていきました。そんな原田さんが選んだのは、学部と大学院修士課程の学びを5年間で修了する「学士・修士5年プログラム」。6年間かかる学びを凝縮して履修できるこの制度を利用し、アメリカ文学の研究に打ち込みながら、通常より1年短い期間で修士号を取得しました。濃密な時間を過ごした5年間を通して、一生かけて関わっていきたい道を見つけたと話す原田さんの津田塾での学びについて、話を聞きました。

文学研究の魅力に目覚めた津田塾の授業

津田塾大学の英語英文学科を志望した理由を教えてください。
高校生のとき、英語が好きだったことが一番の理由です。津田塾大学を知ったのは、高校の先生や友人が勧めてくれたことがきっかけで、英語教育に力を入れている大学だと聞いて、興味をもちました。また、周りの人から「真面目な学生が多く、あなたに合っていそう」と言われたことも印象に残っています。
それまでは津田塾のことをよく知りませんでしたが、調べていくうちに英語を中心に学べる環境が整っていることに魅力を感じ、英語英文学科を志望しました。当時は自分の将来についてまだ「大学卒業後は就職して働くのだろう」というくらいの漠然としたイメージしかもっておらず、大学院への進学は全く考えていませんでした。


大学院進学を考えるようになったきっかけは何ですか。
津田塾で学ぶ中で、文学の面白さを知ったことです。入学当初の私はどちらかというと、言語としての英語に興味をもっていて、文学については物語を読んで「面白かった」とか「感動した」という感想を抱く程度でした。ですが、1年次に日本文学の授業を履修したことで、作品の中から社会的な背景や、作者が当時抱えていた問題などを読み取れることを知りました。さらに、2年次に受けた相木先生のアメリカ文学の授業では、一読しただけではつかみづらい難解な作品を読み解いていく過程がとても興味深く、その頃から文学研究に対する関心が強くなっていきました。また、そうした文学の魅力を熱く語る先生の姿も、心に響くものがありました。3年次の夏前には、大学院に進学した先輩方に相談できる機会があり、その頃には大学院進学を本格的に考えるようになっていました。

大学院挑戦への勇気をくれた「学士・修士5年プログラム」

「学士・修士5年プログラム」にチャレンジした理由を教えてください。
一番大きかったのは、時間を効率的に使える点です。私はいろいろなことを経験したいタイプなので、通常6年間かかる学びを5年間で修了できるこのプログラムはとても魅力的だと思いました。学部の4年次から大学院の学びを始めることができるため、修士課程の修了後に就職をするにしても、博士課程に進むにしても、時間を有効に使えるという点においてメリットが大きいと感じました。それと、親族など身近な人に大学院進学者がいなかったことから、未知の大学院生活に2年間を費やす決断は、経済的な面を含め私にとっては少し重いという感覚がありました。5年プログラムであれば、学位取得までの時間と費用を1年分抑えられることもあり、挑戦しようという気持ちになれました。


大学院での学びはどうでしたか。
作品を読み進めながら、意見を交換する時間がとても深く心に残っています。同じ作品でも、学生それぞれが異なる視点で解釈していて、「そんな読み方もあるのか」と気付かされることが多くありました。授業の中で先生や学生同士が意見を交わしながら、作品への理解を深めていく時間が、とても好きでした。
また、それぞれの授業で自分の関心に寄せて発表をしたり、レポートを書いたりする機会が多くあり、そこで先生方からコメントをいただくことで、研究がブラッシュアップされたと思います。忙しくはありましたが、こうしたサポートのおかげで研究が深まっているという喜びや、自分が学びたいことを学ぶことができているという充実感がモチベーションとなり、意欲をもって研究に向かうことができたと感じています。


ハードスケジュールの中でも充実した研究生活

1年短い期間で修士号を取得するうえで、苦労したことはありますか。
やはり、スケジュールはかなりタイトでした。学部4年次は大学院の単位修得数に制限がり、修士1年目のうちに授業をたくさん履修しておくということができません。そのため、修士論文を執筆する年度にもそれなりの数の授業を履修する必要がありました。また就職活動との両立にも苦労しました。ぎりぎりまで進路を迷っていたため、活動開始が遅くなったこともあり、就職活動と授業や修士論文の執筆を並行して行うのは大変でした。 ただ、そのようなハードスケジュールの中でも、自分の研究をできるだけよいものにして提出したいという気持ちは強く、特に後期は、大学にいる間はもちろん、四六時中授業や研究のことを考えていたように思います。各授業は学部と同様に1週間に1回ですが、大学院は学部以上に少人数で、授業内での発表の頻度も非常に高くなります。常に授業と研究のタスクに追われている状態でしたが、その分濃密な時間だったと感じています。
修士課程修了後の進路について教えてください。
卒業後は、通信系の企業に就職します。実は、私は以前から、早く経済的に自立したいと思っていました。しかし、「もっと文学の研究をしたい」という気持ちが強くなったため、学部卒業後は就職せず、学士・修士5年プログラムを選択したという経緯があります。そこで、今は当初の目的に返って、経済的な自立を果たすために就職することを決めました。ですが、文学研究の道をあきらめた訳ではありません。今後は仕事をしながら計画を立て、生活の基盤を整えて、いつか博士課程で学びたいと考えています。それまでは、今まで学んできたことを忘れないよう、自分で勉強したり学会に参加したりして、学問との繋がりを断たないようにしたいと思っています。



大学院の学びで見つかった生涯のテーマ

文学研究を継続するうえでの、今後の目標はありますか。
文学を学ぶことや研究することの意味、価値を自分の言葉で説明できるようになりたい。それが、私の将来の目標です。今、“文学は何の役に立つのか” “実利的な学問分野を選んだ方が有益ではないか” など、実用性を重んじる傾向から、文学研究の意義が見失われてきているように感じます。ですが、私が津田塾で出会った先生方は皆、自分の研究テーマに誇りをもち、生き生きと文学の魅力を語り、私を文学研究の世界へ導いてくれました。
ロールモデルが先生方なので、具体的には大学教員ということになるのかもしれませんが、何か別の仕事をしながらライフワークとして研究者を続けるという未来もあるかもしれません。いずれにしても、先生方が私に文学の面白さを語ってくれたように、私も次の世代に文学の面白さを伝えられるような人になりたいと思っています。


「学士・修士5年プログラム」に興味をもつ人に向けてメッセージをお願いします。
このプログラムは、通常6年かかるところを5年で修了させるため、決して楽な道ではありません。ですから、じっくりと研究をしたい人にとっては、通常通り2年間で修士課程を学ぶ方がよいと個人的には思います。しかし、私のように効率的に学びを深めたい人や、国際機関に就職するために早く修士号を取りたいなど、他に目的がある人にとっては非常に有益です。熱意ある先生方や院生と共に学ぶ日々はとても刺激的で、新たな発見や貴重な経験を得ることもできると思います。大学院での学びに興味がある方は、ぜひご自身に合った道をよく考えて挑戦してみてください。私は津田塾の学士・修士5年プログラムを選択しましたが、国内の他大学や海外の大学院もまた将来の進路や関心、可能性を大きく広げてくれる選択肢になるでしょう。どのような形であれ、学問の世界に飛び込む皆さんを、心から応援しています。


※学年は取材当時のものです。
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