多文化・国際協力学科 授業紹介

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国際人口論

人口現象とは何か
—地域と歴史から考える—

多文化・国際協力学科教授 三澤 健宏

人口研究とは、出生、死亡、移動からなる人口現象を、地域と歴史の視点から理解する試みです。すなわち、こうした現象の背景には、地域特有の社会、文化、政治、経済、歴史的文脈があり、また移民・難民のように、国際関係の文脈に関連づけて理解することが求められます。それらを包括的に理解するには、人口統計の数字を分析するだけでは不十分です。たとえば、人口増加は多くの発展途上国では貧困、食糧、環境を悪化させる「社会問題」とみなされる一方で、少子高齢化が進む先進国では、経済の活力や社会保障制度を支える基盤として歓迎されます。このように、同じ人口現象でも、それぞれの社会が抱える状況によって意味が変わってきます。他方で、人口統計が社会変動を予測する手段ともなり得ることがあります。白人中間層においてのみ見られた死亡率の上昇から、トランプの大統領当選の可能性を排除できないと主張したのは人口学者でした。この講義では、複数の具体例を取り上げます。たとえば、学生自身が、国連人口統計データからグラフを作成して人口現象を目に見える形にし、なぜそうなったのか、考えることによって理解を深めていきます。

学びのアイテムは?
教科書 『EL PAPEL DEL TRABAJO MATERNO EN LA SALUD INFANTIL』

移民、母親就労、児童の健康の関連について行った調査とその結果をまとめた論文集。問いを立て、その問いに答えるために、どのように調査の対象とアプローチを選び、根拠を示すのか、実践例として取り上げます。




国際社会学

グローバル化する社会の
民族問題を考える

多文化・国際協力学科教授 木村 真希子

国際社会学はグローバル化する世界において、一国内の社会が多文化化したり、ヒトやモノが国境を越えて移動することによって生じる現象を分析する学問です。国民国家の枠を越える越境的なプロセスや、国民社会が人の国際移動やマイノリティの復興運動によって多文化化している状況を対象としています。
授業では、まずエスニシティやナショナリズムの基本的な考え方や概念を理解することを目指します。そして、排外主義やジェンダーとナショナリズムなど、現代社会における民族問題のあり方について考え、身近な問題について理論を使って批判的に考えることを試みます。さらに先住民族や移民など、現代社会における「マイノリティ」と呼ばれる人びとの視点から世界を捉え直します。

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