コロナ禍でも世界と繋がれる。
ビッグシスターとしての学びと、イギリス留学にかける想い。

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小林 海沙希 KOBAYASHI Misaki

学芸学部英語英文学科 3年

英文学を学ぶかたわらで、国際交流に関するさまざまな活動に取り組んできた小林さん。津田塾に留学する外国人学生を支える「ビッグシスター」を1年次から務めてきたのもその一環です。2022年9月には自身のイギリス留学も控えています。そんな小林さんに、津田塾での学びと今後の目標について語っていただきました。

アクティブな友人たちに感化された。

はじめに、津田塾大学の英語英文学科を志望した理由を教えてください。
私が通っていた高校は、1学年に13クラスもあるマンモス校。先生との距離は遠く、顔すら知らない同級生が大勢いるような学校でした。それとは真逆をいく津田塾の少人数教育は、実にアットホームな雰囲気。勉強にしっかりと打ち込める充実のカリキュラムもあって、とても魅力的でした。英語英文学科を選んだのは、小学生の頃にエミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』に夢中になったことがはじまりで、以来、大学では英文学を本格的に学びたいと思い続けてきました。
実際に入学して、いかがでしたか?
私が入学した2020年4月は新型コロナウイルス感染症がまん延し始めた頃で、授業は入学時からすべてオンライン形式*。今後の大学生活が見通せず、気分が滅入ることもありました。しかし、そんな逆境においても友人たちは先生に相談したり、SNSを駆使したりしながら、活動の幅を広げていたのです。彼女らのアクティブな姿を目にするうちに、「私も、一歩踏み出してみよう」とマインドが切り替わっていきます。津田塾の自主フォーラム「英語のひろば」への参加を決めたのもそのためです。これは年間を通じて小中学生に英語を楽しく学んでもらうコミュニティーです。英語の本の読み聞かせをしたり、英語劇をしたりと、精力的な活動を続けています。
* 2022年度より、一部の授業を除き、全面的に対面授業を実施しています。



読み方はひとつではない。だからこそ面白い。

印象に残っている授業についてお聞かせください。
1、2年次に受講した「Literary Reading」の授業です。英文学を原文で読み、考察を加えたりディスカッションをしたりしました。なかでも印象に残っているのは、Theodore Roethkeの『My Papa’s Waltz』という詩です。お酒に酔った父親が子どもと一緒にワルツを踊るつかの間のひとときが、子ども目線で綴られています。父親のシャツにギュッとしがみついていた子どもは、父親とともに床についてもなお父から離れようとしません。労働者の家族が営む日常の温かなシーンですが、情景が生き生きと目に浮かび、深く感銘を受けました。



留学生たちの言葉の壁を少しでも取り除きたい。

海外からの留学生のサポートを行う「ビッグシスター」も務めていますね。

はい。英語でコミュニケーションをとる授業では、正確に伝えられないもどかしさや悔しさを味わってきました。私の場合は英語の授業中だけですが、留学生にとってはこれが日常です。そんな彼女たちに少しでも寄り添いたくて、ビッグシスターに名乗りを上げました。コロナ禍とあって海外渡航が制限される中、国内にいながら国際交流できることも魅力的でした。

ビッグシスターは、原則としてふたり一組でひとりの留学生をサポートします。現在私が担当しているのは、フランスのCYセルジー・パリ大学からオンライン留学をしているソレヌさん。チャットで彼女の疑問に答えるのが主な役目です。基本的にコミュニケーションは日本語でとります。意識しているのは、できるだけ簡単な言葉を用いてわかりやすく伝えること。伝わらない場合は英語を交えて説明することもあります。

ビッグシスターのやりがいはなんでしょうか?
留学生たちの日本語の上達を見届けられることです。2年次に担当していたドイツ人の留学生が、日本語で発表を行うからと、授業に招いてくれたことがあります。彼女はスウェーデン旅行の思い出について語ったのですが、その日本語の上達ぶりを目の当たりにして嬉しく思いました。同時に彼女たちは英語も堪能なので、「私ももっと英語をがんばらなければ」と刺激を受けることもしばしばです。

ビッグシスターを務めていると、ネットや本からは得られない外国人の生の声を聞ける新鮮さもあります。例えば、ソレヌさんからは、フランスで人気の日本文化などを教えてもらいました。日本の人気アニメの話題で盛り上がることもあれば、私以上に日本のサブカルチャーに詳しい一面に驚かされることも。海外に友人ができることは純粋に嬉しいものですね。友人の国が身近に感じられるようになる良さもあります。

津田塾なら、留学がぐっと身近に。

留学生のサポートだけでなく、今度はご自身がイギリスに留学するそうですね。
はい。留学は入学当初から大学生活における目標のひとつでした。コロナ禍で先延ばしになっていましたが、2022年の9月から津田塾の協定校であるアベリストウィス大学で学ぶ予定です。留学を具体的に目指し始めてからは、IELTSの勉強に集中して取り組みました。問題集を繰り返し解く、分からない英単語はその場で調べる、TED Talksを聴いて耳を英語に慣らすなど、日頃から英語に触れ続けるよう心がけたものです。その結果、留学を決めてから試験までが2カ月間と短かったにも関わらず、留学要件のスコアを満たせました。リーディングのセクションでは8.0のスコアを獲得。日頃の授業で大量の英文を読んできた成果がここに表れました。

留学の手続きにあたっては、学内の国際センターをフル活用しました。ビザや入国に関する疑問からコロナ禍における対応に至るまで、メールでたくさん尋ねたものです。センターの方はひとつひとつにていねいに回答してくださいました。おかげで留学準備を万全にでき、感謝しています。



がんばった分だけ応えてくれるのが津田塾。

最後に、津田塾を目指す高校生にメッセージをお願いします。
間違いを恐れずに発言できる、少人数教育ならではの和やかな雰囲気の授業、ていねいにフィードバックをくださる先生方、興味をもったことに対して真剣に取り組む友人たち。津田塾は、大学できちんと学びたいと考える学生にとっては理想的な環境です。消極的だった私も、躊躇せずにチャレンジするマインドを身につけられました。今では、入学前の私を知る家族や知人から驚かれるほどです(笑)。目標が決まっている方も、そうでない方も、この環境を活用してさまざまなことに挑戦してみてください。きっとすばらしい成長を実感できるはずです。


安心して留学できるのは、ビッグシスターのおかげです。

津田塾大学へのオンライン留学を決めたのは、日本文化に興味があり、日本語をもっと上手に話せるようになりたかったからです。それに津田塾は、女性の社会進出に敏感で、少人数教育に力を入れていることからも関心がありました。

授業では、先生が学生ひとりひとりに対してていねいに指導してくださいます。常に授業が定刻に始まるなど、日本人にとっては当たり前のことに驚かされるのも日常です。日本語はもちろん、日本の文化や食生活、学生生活についても新たな学びがたくさんありました。

ビッグシスターの小林さんとは、しばしばZoomで会話をします。時差があるのでチャンスをうかがうのが大変ですが、なにか困ったことがあるといつも助けてくれる心強い存在です。こういった制度がある点でも、津田塾は留学生にとって優しい環境だと思います。

将来の目標は、日本語をしっかりとマスターし、日本で働くこと。そのためにも、まずは日本語能力検定(JLPT N3)に合格するのが現在の目標です。

フランス CYセルジー・パリ大学
津田塾大学 英語英文学科
ソレヌ・ロペス Lopes, Solēne Amandine
※学年は取材当時のものです。
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