主体的に学ぶことで、英語は自らの思いを伝えるツールになる。

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長澤 亜実 NAGASAWA Ami

学芸学部英語英文学科 3年

津田塾大学の学芸学部英語英文学科で、英語教員になる夢に向かって学ぶ長澤さん。「聞く・話す・読む・書く」の4技能を集中的に磨き、専門的な学びを深めています。津田塾の英語教育の魅力とは何か。高校時代までの勉強との違いとは。自身の成長の軌跡とともに振り返っていただきました。

「覚える」英語から、「使いこなす」英語へ。

はじめに、津田塾大学の英語英文学科を志したきっかけを教えてください。
高校の進路相談で「将来は英語教員になりたい」と話していたところ、先生が津田塾を勧めてくださったのです。もともと英語が好きで、高校生のときには英語愛好会に所属し、海外の短期語学留学にも参加したほど。英語を深く学びながら教職課程を履修できる津田塾のカリキュラムはとても魅力的でした。

少人数制教育が充実していることも、志望理由のひとつです。先生との距離が近く、一人ひとりが手厚い指導を受けられる環境なら、夢の実現に向けて集中して学べると思いました。地元から離れて東京に住んでみたかったというのもあります。ここで積むさまざまな経験は、いずれ教員となった際にも役に立つ。そう考え、津田塾への進学を決めました。

津田塾で英語の授業を受けて、どのような気づきがありましたか。
大学では、自ら学ぶ姿勢が大切だと感じました。授業には予習が必須で、前もって英文のテキストを理解してから臨みます。授業中は自分の考えを発表したり、学生同士でディスカッションをしたりして、理解を深める活動が中心に。3年次になると学んだ知識を応用して、英語で自らの考えを構築し、プレゼンテーションを行うなど、自分で新しいものを創り出していくスタイルになっていきます。高校までのように受け身ではなく、コミュニケーションの手段として英語を使いこなし、主体性をもって取り組む授業となっているところが、これまでの勉強とは大きく違っていました。


多角的に英語を学び、言語としての魅力を発見する。

学芸学部の英語のカリキュラムには、どんな特徴があるのでしょうか?
1年次は基礎固めで、2年次は基礎の応用。3年次以降はそれまでに学んだことを実践します。つまり4年間を通して段階的に英語を習得できるカリキュラムなのです。たとえば、1年次で必修の「Pronunciation」(発音)の授業や2年次で必修の「Grammar」(文法)の授業では、英語を正しく使うための土台をつくります。3年次からはプレゼンテーションの授業が始まり、インプットだけでなくアウトプットも重視。英語を「使いこなす」ための取り組みが増えていきます。授業で女性のライフプランに関するテーマをよく扱うのも津田塾ならでは。男女の格差、女性のキャリア形成、仕事とプライベートの両立など、さまざまなテーマを「自分ごと」として掘り下げます。
印象に残っている授業についてお聞かせください。
2年次に履修した「日英語の比較」はよく覚えています。なかでも、単語の成り立ちについて扱った授業では「蜂蜜」と「蜜蜂」のように、単語の右側の言葉(注:蜂蜜では“蜜”、蜜蜂では“蜂”)が主たる意味を担うなど、言語学的な分析について学びました。日本語と同様に英語についても単語の意味だけでなく言語の成り立ちなどを踏まえて学び、さらにそれを日本語と比較していくという講義内容は、まさに大学ならでは。深く多角的に言語を学ぶことで、普段何気なく使っていた言葉の新たな側面を知れたことは新鮮でした。

もうひとつ興味深いのは、現在履修している「音声学」です。語尾が下がると断定、上がると疑問、上がって下がると肯定の強調、下がって上がると否定の強調。イントネーションによって英語の意味がどう変わるかを学びました。実際に自分が会話するときにも、音の高低を意識してニュアンスを伝えたり相手の意図を汲み取ったりして、円滑なコミュニケーションに役立てていければと思います。




正解はひとつではない。さまざまな解釈があっていい。

授業を受ける中で戸惑ったり、悩んだりしたことはありますか。
1、2年次の授業で、英語の詩や文学作品を目にしたときには「難しいな」と感じました。日本語でもあまり読んでこなかった分野なのに、英語で読むとなおさらです。さらに戸惑ったのが、解釈には唯一の正解がないということ。必ず「正解」がある受験勉強になじんできた私にとっては「この解釈で合っているのかな?」となかなか自信をもてませんでした。



どのようにして乗り越えたのでしょうか。
よい先生との出会いに恵まれて、乗り越えられました。英語の詩を学んでいたのは1年次の「基礎セミナー」という少人数制のセミナーで、先生との距離が近く、解釈に困ったときにはいつも一緒に考えてもらっていました。 文学作品を学んだ2年次の「Literary Reading」にいたっては、担当の先生が「間違えてもいい」というスタンス。どんな解釈も全肯定なのです。この授業では、作品の内容についてグループでディスカッションをし、ひとつの答えを導き出します。「正解はひとつではない」「いろいろな解釈ができる」という姿勢でいつも先生が見守ってくれたから、自分なりに「これでいいんだ」と自信がもてるようになりました。異なる意見を耳にしても「自分とは全然違うけど面白いな」と思うようになったほどです。自分の考えを述べる時に不安を感じなくなったのは、この授業のおかげです。




アウトプットを繰り返したおかげで、英語での接客もスムーズに。

津田塾大学で英語を学んだことで、どのような成長がありましたか。
高校生のときに比べ、津田塾では授業で英語を話す機会が大幅に増えたので、日常会話以上のスピーキング力は身についたと思います。私はコロナなどの影響で海外留学をかなえられなかったのですが、海外からのお客様が多いレストランで接客のアルバイトをしています。そこでも、英語で話すことに抵抗は感じません。お客様からよい反応が返ってくると嬉しくて、それがまた英語を学ぶモチベーションに。難しい対応のときにも、「津田塾生なのだから」という誇りを胸に、頑張って乗り切っています。

また大学では、英語の語彙や表現の幅が広がったことで、レポートを書く際の表現力も高まりました。授業で使うテキストからインプットした表現や単語を、レポートを書く際に使ってみる。そんな日頃の心がけの成果かもしれません。英文をスムーズに読めるようになった実感もあります。

津田塾で知った「英語の楽しさ」を教員として伝えたい。

今後の目標をお聞かせください。
高校の英語教員になることを目指しているので、英語だけでなく教育関係の学びにも注力していきたいです。現在「3年セミナー」で学んでいるのは、生徒のモチベーションを向上させる方法について。来年予定している教育実習でぜひ実践してみようと思っています。

理想の教員像は、母校の恩師のように「生徒に真剣に向き合い、応援できる先生」です。受験のための英語だけでなく、私が津田塾で出会ったような「英語の面白さ」を伝えられるとよいですね。「英語は楽しい」と思ってもらうきっかけを与えられる先生になれたらと思います。
最後に、津田塾大学を目指している高校生へメッセージをお願いします。
津田塾では、高校までとはまったく異なる側面から英語を学べます。言語学や音声学などからわかる英語という言語の特性や、英文学から読み解く英語圏の文化など、たくさんの気づきがあります。英語が好きな人ならなおさらでしょう。見知らぬ英語の世界と出合い、新たな魅力を垣間見ることで、自らの学習欲にも火がつくはずです。

津田塾には、真面目で学ぶ意欲の高い学生がたくさんいます。自分が大変なときでも、友人たちの頑張る姿を目にすると、「私もやるぞ」と奮起して簡単にあきらめなくなりました。ぜひ、高い志をもつ仲間とともに、英語の楽しさ、奥深さを探求していきましょう。


※学年は取材当時のものです。
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