新たな門出を迎えて。
多文化・国際協力学科での学びを胸に。

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竹内 彩乃 TAKEUCHI Ayano

学芸学部 多文化・国際協力学科 2023年3月卒業

2019年に新設された多文化・国際協力学科に1期生として入学。地域ベンチャー留学プロジェクトやフィールドワークを通じて地方都市の課題が抱える課題に向き合う。2023年3月の卒業式では、多文化・国際協力学科の卒業生代表として謝辞を担当。新たな門出を迎えた竹内さんに、学生生活で得た学びや謝辞に込めた思いについて語っていただきました。

フィールドワークでの実践的な学びに惹かれた。

はじめに、津田塾大学を志したいきさつを教えてください。
津田塾大学を知ったきっかけは、伝統ある女子大学だと父から勧められたことでした。大学のWebサイトを訪れると、緑豊かで落ち着いたキャンパスの雰囲気に魅せられ、ここで4年間学びたいと思いました。なかでも新設される多文化・国際協力学科にひかれたのは、フィールドワークが全員必修となっていること。高校生までは座学が中心で、「学んでいることが実社会のどこに繋がるのだろう」と疑問に思うこともありましたが、「ここでなら実践的な学びがかなう」と確信したのです。新設の学科に1期生として飛び込むワクワク感にも背中を押されました。
印象に残っている授業やプログラムはありますか。
1年次に受けた「多文化・国際協力の学び」の授業です。なかでも先生から「この学科の伝統を作っていくのは、1期生であるみなさんです」という言葉は鮮明に覚えています。80人ほどの1年生の間で連帯感が生まれたように感じました。

もうひとつ、印象に残っているのはNPO法人ETICが主催するインターンシッププログラム「地域ベンチャー留学」にオンラインで参加したことです。きっかけは「国際保健論」の授業で、日本の少子高齢化や人口減少について学んだこと。世界的に少子高齢化が進むなかで、日本がその最前線にいると知りました。日本の人口減少について調査することで、今後の世界の動向もわかるのではないか。そんな思いから参加したのがこのインターンシップでした。ここでは山形県鶴岡市を対象として、空き家を活用した新規事業を提案します。このプログラムを通じて、地方都市の抱える人口減少の問題に関心が芽生えました。

机上ではわからない気づきが、フィールドワークの醍醐味。

フィールドワークでは、どんなことをしましたか。
鶴岡市の人口減少問題についてもっと深く知りたい。そう考えて、同市をフィールドワークの調査地に選びます。インタビューはすべてオンライン形式でしたが、コロナ禍が落ち着いてからは現地訪問も行いました。市のWebサイトなどからの情報収集を通じて知ったのは、鶴岡市には研究機関の誘致やIターン・Uターン促進のためのさまざまな支援制度があること。「ユネスコ食文化創造都市」にも選ばれるほどの豊かな食文化があることもわかりました。そこで、鶴岡市から上京した20代の方にインタビューを実施。すると、鶴岡市には郷土料理を始めとしたさまざまな魅力を感じているものの、就職先が少ないという印象をもっているようでした。一方、山形県内で就職支援を行っている方にもインタビューを行うと、「鶴岡市にはさまざまな就職先があり、人手不足の企業もたくさんある」と言います。若者と地元企業との間で、認識にギャップがあることがうかがえました。
フィールドワークを通じて、どんな学びがありましたか。
フィールドワークを始めて間もない頃は、インタビューに苦戦していました。事前に調べた情報を裏付けるための質問ばかりに終始していたのです。すると、セミナーの先生から「現場ではアドリブの会話を大切にするように」とアドバイスをもらいます。実践するうちに、少しずつ話を引き出せるようになりました。例えば、20代のインタビュイーがポロッと口にした「上京したからこそ、地元の食文化の豊かさに気づいた」という言葉が大きなヒントになったことも。ここから話が膨らんで、地元で就職できるならチャレンジしたいという前向きな思いがあることがわかったのです。

「こんな話を聞きたい」という自分の思いにとらわれると、現場で起きていることを正確につかむことはできません。目の前にいる相手の声に注意深く耳を傾けることで、文献からは得られない気づきがある。それを肌で知れることこそが、フィールドワークの醍醐味です。

多文化・国際協力学科なら、あらゆる分野が研究テーマに。

多文化・国際協力学科で学ぶ意義とはなんでしょうか。
興味のある分野をとことん探求できることです。多文化・国際協力学科では、2年次のセミナーからテーマを設定し、フィールドワークを通じて深く掘り下げます。あらゆる分野がテーマになりうる分、「学生生活を通じて打ち込みたい」と思える研究対象を見出すのは容易ではありません。私自身も最初はテーマを決めることだけでもひと苦労でした。セミナーの先生は、学生一人ひとりの興味や関心を引き出し、研究テーマを設定できるようにさまざまな情報を与えてくれます。セミナーのLINEグループでは、他のメンバーの研究テーマに関する情報も飛び交っていて、自分の研究のヒントになることも。調査や論文の執筆で行き詰まったときには、アドバイスをもらったことも幾度となくあります。2年次から長い時間をかけて、時には軌道修正をしながら考察が深まっていきました。

英語と第2外国語をともにしっかりと学べることもこの学科のよさです。多文化・国際協力学科では第2外国語が3年次まで必修となっています。私はスペイン語を選択。語学力が磨かれたのはもちろん、スペイン語圏の文化について知るきっかけになりました。

未曾有の事態でも学び続けられたのは、先生方や職員の方のサポートがあってこそ。

2023年3月の卒業式では、学科代表として謝辞を述べられるそうですね。
はい。私はもともと人前に出るのが得意ではありません。この役目を任されたときは正直なところ驚きましたが、学科のみんなの思いを代表して述べられることを光栄に感じています。同時に、これまで私たちの学びをサポートしてくださったすべての方に感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。

4年間を振り返ると、私たちの学生生活に大きな影響を与えたのが、新型コロナウイルス感染症のまん延です。授業はすべてオンライン形式に切り替わりましたが、先生方や職員の方々がいつも支えてくれました。職員の方々は、オンライン形式での授業への参加方法を案内してくださったり、オンラインで授業を受けるのに必要な機器貸し出しなど環境を整えてくださったり、キャンパスを使わない間も校舎をきれいに保ってくださったり・・・。大勢の方のおかげで、未曾有の事態に直面しても学び続けられました。卒業式の場で、改めてこの感謝を伝えたいですね。

津田塾は、自分らしい学びを後押ししてくれる場所。

最後に、津田塾を目指す高校生にメッセージをお願いします。
津田塾には、一人ひとりのやりたいことを尊重する雰囲気があります。周りを気にせず好きなことに没頭でき、一人で読書をしたりぼんやりしたりしていても孤独に感じることはありません。一方で、先生や学生との距離が近いので、考えを臆せず共有しあえるアットホームな雰囲気もあります。

私自身、友人たちからたくさんの刺激を受けました。多文化・国際協力学科には、異文化に関心をもった学生たちが集まってきます。世界中を旅行してさまざまな国の風習や食べ物などを体験した友人もいれば、一国の歴史や文化をとことん研究している友人も。彼女たちとともに過ごしたことが、「自分がやりたいことはなんだろう」と真剣に考えるきっかけになりました。まだ目標が定まっていない方も、幅広い分野を学べる津田塾でならきっと心惹かれるテーマに出合えるはずです。この環境を存分に活用して、自分らしい学びを手にしてください。

※学年は取材当時のものです。
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