開催延期が決まった時にはやはりショックでした。しかし、私たちにとってオリンピック・パラリンピックはあくまでプロジェクトの通過点。活動の根底にあったのは「地域の困りごとに対して学生ができることで貢献したい」「課題解決力を実践的に養いたい」という思いです。新型コロナウイルスの影響で、地域の抱える困りごとが変化したのであれば、私たちの活動も地域に寄り添って変えていくべきだと考えました。そこから新たに生まれ、形にできた活動の一つが小学生向けのデジタル教材「バーチャル浮世絵展」の企画開発です。
私たちは、プロジェクトを進めるにあたり、千駄ヶ谷の将棋会館や国立能楽堂、渋谷区の太田記念美術館などと連携を深めてきましたが、新型コロナウイルスの影響でこうした文化施設でも客足が減ってしまうという問題が発生していました。また、大勢の人が集まることが難しい状況で、小学生が文化に触れる機会などが減っているということがわかりました。そこで、これらの課題解決のために、太田記念美術館提供の高画質の浮世絵の作品データを仮想空間上に作ったバーチャル千駄ヶ谷キャンパスに展示し、子どもたちが浮世絵について学べるようなツールを考え、実際の授業でも使えるような教材に仕上げました。