問題意識が学びに、そして実践までつながる。社会と関わりながら成長していける環境があります

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栗城 ゆかり KURIKI Yukari

総合政策学部総合政策学科 2年

栗城ゆかりさんは、津田塾大学総合政策学部の2年生です(2019年3月現在)。 2017年4月、総合政策学部に第1期生として入学し、東京オリンピックに向けて立ち上がった「津田塾 梅五輪プロジェクト」に、設立から関わってきました。 大学での勉強に加え、学内・学外問わず精力的に活動する栗城さん。 その内容やモチベーションの源泉、更には今後の進路についてもお話を伺いました。

もどかしさを解決するために

進路を考えていた高校生の頃、公民の授業で現代日本の課題に触れたのが、総合政策学部に入ろうと思ったきっかけでした。当時特に印象に残ったのは少子高齢化の問題です。私の地元では少子化がどんどん進んでいるのですが、それを目の当たりにしつつも、何をすればいいのかわからないもどかしさがあったんです。

そんなとき、津田塾大学の総合政策学部で社会課題に対する解決能力を学べるということを知りました。大学で学んだことをゆくゆくは地元に還元できるかもしれないと思うと非常に魅力的で、受験を決意しました。

英語教育を強みにしていたのも、津田塾を選んだ決め手の一つですね。小学生のときに英会話を習っていたのですが、その頃から英語を使った外国人とのコミュニケーションが楽しかったんです。高校では外国語科に進学し、大学に入ってからもしっかり学び続けたいと考えていました。
栗城さんは社会課題の解決と英語学習という2つのポイントから、津田塾を志望しました。高校までずっと共学校に通ったそうですが、女子だけの大学で4年間を過ごすことに抵抗はなかったのでしょうか。
実は高校の外国語科時代から、クラスの7〜8割が女子だったんです。女性ばかりの環境には慣れていたので、女子大を避けるという発想はなかったですね。どちらかというと高校時代から、女性が多いことに居心地の良さを感じていた部分もあるんです。

中学時代は男女比が半々くらいでしたが、そんななかで女子生徒が目立った発言をすると、少し浮いてしまうんですよね。私自身、女子が前に出ていくよりも、男子を立てたほうがうまくいくんじゃないかと思って、自分の意見をあまり出さないようにしていたところもありました。

でも、高校に入ると、女子だからといって遠慮しなくていいと思うようになったんです。例えば文化祭などのイベントでも、男子女子関係なく自分の考えを言わないと、いいものが作れないですからね。


 

アウトプットとインプット

高校生活を通して、自分の意見を発信することに徐々に慣れてきた栗城さん。大学に入って、自分の考えを持ち、発信していく重要さをより強く感じるようになったと言います。
津田塾に入ってから、自分の意見を発信するだけではなく、他者との相互作用の中でそれを発展させていくことの面白さを学びました。津田塾では、一つの授業に出ている学生は多くても60人くらい、セミナーの人数も10名程度。自分の意見を発信できる機会も多いんです。

授業中に率直な意見を言うのは当たり前で、自分と異なる立場の人がいれば反論されることもあります。反論されたら、それに対して自分はどう考えるのか、何を主張できるのか考えるので、自分自身の考えも深まります。周りの学生のレベルも高くて、入学当初は、ディベートで言い負かされたり、ディスカッションで自分の知識が足りずに反論できなかったり、悔しい思いをすることもありました。けれど、そういう経験のおかげで、自分も知識や能力の面で周りに追いつけるよう、努力しなければと思えました。

授業中の議論の場はもちろんですが、課題もすごくたくさん出るんです。英語の授業では、次週までに個人でエッセイを書いてくるとか、数週間かけてグループでプレゼンテーションを作って発表するとか。データサイエンスの授業だと、統計やアルゴリズムを用いた課題が毎週必ず出ます。他にも選択科目に応じて課題があるので、常にやることに追われているという感じです(笑)。

もちろん大変ですが、アウトプットする場があるのは非常にありがたいことだと思います。アウトプットの機会があると、そのレベルを高めるために、よりたくさんのことをインプットしようと思えますから。



「梅五輪」で学びを社会に

学んだことを発信する機会は、授業の場に限りません。栗城さんは学生が主導する「津田塾大学 梅五輪プロジェクト」に立ち上げ時から所属しています。活動を通じて、自分は集団のなかでどういった立ち位置が向いているのかなど、学ぶことが多いと言います。
大学の千駄ヶ谷キャンパスから歩いて5分くらいのところに新国立競技場があるので、オリンピックは私たちにとってすごく身近なイベントです。入学してすぐ、仲良くなった学生とキャンパスの近くを歩きながら、「大学生という立場で何かできることはないのかな」と話をしていたことがありました。その話を総合政策学部の曽根原登先生にお伝えしたら、ぜひプロジェクトを立ち上げようという話になりました。

プロジェクトでは、管理の役職を担当しています。管理という仕事は、代表の補佐だったり活動の記録だったり、副リーダー的な側面が大きいです。自分は代表タイプではないのかなと思っていて、目標を掲げてみんなを引っ張っていくより、そういう人を支える立場の方が向いているのかな、と感じています。 
「梅五輪」プロジェクトに関わる、曽根原登教授(左)
管理のほかに、英語マップ作成グループのリーダーを務めています。もともと英語に関心があったので、英語翻訳のワーキンググループに入っていたんです。そこでまずは千駄ヶ谷地域の英語に関する課題を抽出しようということになって、病院や交番、飲食店などに手分けしてヒアリングに行きました。

私はたまたま駅の担当になって、駅員さんに英語に関して困っていることがないか伺ったところ、「千駄ヶ谷地域の英語の地図がない」という課題が出てきたんですね。そこで駅にあった日本語の地図を英訳して、イラストを付け加えたりして、完成したものを駅舎内に掲載していただきました。その反響で信濃町駅のものも作ろうという話が持ち上がって、そこでもリーダーを務めることになりました。

課題はまだまだ多いです。千駄ケ谷駅で作ったものは紙の地図ですが、例えば既存の地図アプリと比べたときに、優れた点があるのかどうか。地図アプリに載っていないけれど必要な情報は何か、どうしたら掲載できるのか。今、挙がっているのはAEDや公衆トイレ、自動販売機の場所などですね。学生の私たちは、いったん成果物ができるとつい満足してしまう部分もあるのですが、曽根原先生のお力添えもあって、改善に向けて動いているところです。
街頭調査や学内アンケートを行うときには、統計の授業で学んだ内容が役立ちますし、英語の授業で扱ったプレゼン手法や交渉術が、プロジェクトでの活動に活きていると思うこともあります。大学で学んだ内容をプロジェクトの場で実践できると、勉強したことは実際に社会でも役に立つんだと実感できて、とても嬉しいし、楽しいです。
栗城さんたちが制作した地図
千駄ヶ谷駅の改札横に設置されている

勇気を持って挑戦する

自分にできることをして少しでも状況を変えようという思いが、栗城さんを行動に駆り立てています。総合政策学部を志したときの「地域の課題を解決したい」という問題意識は、今も変わりません。
将来の進路について具体的に考えるようになって、公務員が一番合っているのかな、と思っています。とはいえ、国家公務員として大きな政策レベルで社会を変えていくのか、地方公務員になって地域に根づいた課題解決をしていくのか、どちらが自分に向いているのかはまだわからないです。

もしかしたら、民間企業のインターンに参加してみてやりたい仕事に出会うかもしれないし、国内だけでなく海外の課題を解決したいと思うようになるかもしれない。「地域の課題を解決する」という信念を持ちつつも、選択肢の幅を狭めず、広い視野で将来について考えていけたらと思っています。
最後に、津田塾大学総合政策学部の受験を検討している高校生へのメッセージを聞いてみました。
子どもの頃から、困っている人を見たときには、手を差し伸べられる人間になりたいと思っていたんです。たとえば電車に盲導犬を連れた方が乗ってきたのに、みんなが目をそらすような場面ってありますよね。席も譲らないし、安全なところに誘導もしない。なんで助けないんだろう、声をかけないんだろう、とずっと疑問に思っていて。自分はそういうときに勇気を持って行動できる存在でありたいんです。

もちろん、私が行動して変えられることなんて、すごく小さなことなのかもしれません。今は国際関係学のセミナーに入っているのですが、国家間の関係に絡んだ大きな問題に直面することがあります。世界には自分が変えられないことのほうがきっと、ずっと多い。でも、何もしないよりはいいのかな、と思うんですよね。すぐに世の中に大きな変化を起こすことはできなくても、まずは誰かの助けになれればと思って、今はNPOでボランティアをしています。

津田塾は何かをやりたいと思って、勇気を出すことさえできれば、どんなことにでも挑戦できる環境だと思います。私は、小学生くらいまでは、学年委員などの役割を積極的に引き受けていたんです。ただ、そういった役職につかずにいるクラスメイトのほうが過ごしやすそうだなと感じてしまって、中学生になると、あまり前に出ることなく、ひっそり過ごしていたんです。悪目立ちしたくない、みたいな気持ちのほうが強くなってしまって……。

ただ、大学に入ってみたら全然そんなことはなくて。意見と意見がぶつかり合うことはあっても、人が想いをもってやっていることを非難する人なんていないし、やりたいことがあればみんなが応援してくれるいろんな価値観を持った学生がいるのが当たり前で、各々の考えや活動を認め合う雰囲気があります。学生は互いに協力的だし、先生方もさまざまな活動を支援してくださる。チャレンジすることに対して、すごく安心感が持てますね。新しいことに挑戦したくてうずうずしている方には、津田塾の総合政策学部は絶対に合っていると思います。
[ 聞き手:太田あや(ライター)・文:ナカタナツミ(ライター)・撮影:赤松洋太(カメラマン)]
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