単なる「経験」で終わらせることなく、次の学びへとつなげていく

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敦賀 和外

学外学修センター副センター長/特任教授

自ら学びをデザインして、ギャップを埋める

大学の4年間で、何をどう学んでいくか。自分の学びをデザインし、大学生活にメリハリをつけるとが学外学修の目的のひとつです。津田塾大学では、必修科目がない第2タームと夏期休暇期間を合わせた約2ヶ月半を「ギャップターム」とし、この期間を利用して学外で有意義な体験をし、かつそれを大学での学びにも活かしてほしいと考えています。  ギャップタームは、イギリスの大学で発祥し他国でも定着しつつある入学前の「猶予期間(ギャップイヤー)」の日本版です。ギャップイヤーは、大学への入学を1年間先延ばししてその間ボランティア活動などに参加することができる制度で、入学前にさまざまな経験を積んだ学生は入学後も学習意欲が高いという研究結果があり、注目を集めています。その制度を参考に、本学では入学後のギャップタームを活用した学外学修を推奨しています。
私は、このギャップタームを「自分自身のギャップ」と「社会に存在するギャップ」を埋めるための時間にしてもらいたいと考えています。そもそも自分自身のギャップがどこにあるのか認識できていない人もいるかもしれません。あるいは、目指したい方向は見えているけれど、到達目標と現在の自分との差を感じているかもしれない。そのギャップを見つけ、埋めるために、自ら学びをデザインして研鑽を積むことが大切です。また現代社会には、国家・文化間の格差、富裕層と貧困層の格差、ジェンダー間の格差、世代間の格差など、さまざまなギャップが存在しています。学生たちには、社会のギャップを埋めていける人材になってほしいと思っています。

専門スタッフが、多方面から学外学修をサポート

学外学修は、「大学生の自由研究」というとイメージしやすいでしょう。海外の大学で開講されているサマープログラムや国内外でのインターンシップ、ボランティアはもちろん、学生が自ら計画したプロジェクトや自主研究に取り組むのも学外学修です。対象は無限にあり、内容も自由ですが、それを大学での学びにどう活かしていくかがポイントです。自ら目標を立て、実習後は振り返りを行うことで、単なる経験で終わらせることなく、次の学びへとつなげていくことができます。
学外学修センターでは、海外の大学や国内の民間企業、NPOなどと連携を図り、津田塾大学の学生が参加できるオリジナルプログラムを開発しています。第2タームは6月下旬からなので海外のサマースクールに参加しやすく、夏期休暇期間中よりも渡航費が抑えられるのも利点です。また、在校生専用のポータルサイトでは、各種プログラムの情報や学内での手続きの仕方、計画書の作成方法、事前・事後学習、安全管理などについて公開しています。今後、在校生や卒業生の学外学修事例紹介も順次増やしていく予定ですので、ぜひ参考にしてもらいたいです。 学外学修によって身につく力は、大きく分けて4つあります。それは、「共感する力」「実社会の課題を分析する力」「行動する力」「伝える力」です。新しい世界に身をおき、自らの手でその力を掴んでください。
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