情報科学科の総合型選抜が変わる。
数理・論理表現力を高め、情報科学で世界とつながる力を

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来住伸子 KISHI Nobuko

2026年度入試より、情報科学科では総合型選抜が新たな形に生まれ変わります。この入試では、基礎的な数学力と論理的思考力などに裏付けられた、数理・論理表現力を総合的に評価。その背景にある狙いや、求める学生像など、選抜制度のポイントを本学科の来住伸子教授にお話を伺いました。

情報科学の世界は、英語で動いている

情報科学科の特徴についてお聞かせください。

情報科学科は他大学にもありますが、そのなかでも津田塾大学の情報科学科は英語教育を重視している点が特徴です。情報科学の専門性を支える力として数学やプログラミング教育はもちろんのこと、本学科では英語での学びにも力を入れています。
20世紀の終わりごろから、情報通信産業において英語が事実上の標準言語となりました。もはやアメリカやイギリスの人びとと仕事をするから英語を学ぶ、という時代ではありません。母語に関係なく英語で仕事をする人が増えているという傾向は日本も例外ではなく、今では英語を使うことが情報分野で働くための前提になっています。

カリキュラムではどのように英語に触れるのでしょうか。

3年次以降には、専門的なトピックに関する文献を読みレポートをまとめたり、プレゼンテーションを行ったりと、英語で学ぶ機会が用意されています。学生たちはプログラミングや数学を学びながら、自然と英語にも触れていきます。卒業する頃には、それらの能力を統合して活用できる力が育つことを目指しています。

卒業後、IT企業に就職する学生は多くいます。就職活動の段階から、英語でエントリーフォームに入力したり、英語で資料を準備したりと、早ければ学部3・4年次には実社会で英語を使う機会をもつ学生もいます。IT分野は変化が大きく、常に新しい情報を捉えていく必要があります。新しい技術や情報の多くは英語で発信されるので、それをきちんと読み、理解して対応するための専門的なIT用語を英語で学んでいることが重要です。

自分で考え、自分で伝える。新しい選抜のあり方

2026年度入試からの「総合型選抜」はどのように変わったのでしょうか。

総合型選抜の今回の見直しは、従来の「作品提出型」から、より多くの方が受験に興味をもつ形に変わることを目指したものです。これまでの入試では、自分が選んだテーマについて研究や作品制作を行い、その成果を発表する形式の面接でした。しかし、「作品提出型」の形式は、高校3年生の時期にまとまった時間がとれる受験生が非常に少ないという現実と合わなくなりました。その現実を踏まえ、2026年度入試からは、数学の事前課題と小論文を中心に総合的に評価する方式へと変更します。
総合的に受験生の能力を評価するという方針は変わっていませんが、「作品提出型」より受験しやすいよう、小論文の課題は、具体的かつ身近なテーマにする予定です。また、今回から他大学との併願も可能になり、その点でも受験しやすい選抜方式になります。

具体的にはどのような入試を行うのですか。

まず、出願者には数学の事前課題を渡し、試験日の1週間ほど前までに提出してもらいます。事前課題は基礎的な数学力を測るためのもので、学校推薦型選抜(公募制)と同じように、分からない点を、先生や知人など誰かと相談して構いません。どちらにしても、解答の内容を自分でしっかり理解することが必要です。また、受験時期が秋ということを考慮し、数学の事前課題の出題範囲は一般選抜より狭めてあります。試験当日は小論文と面接を実施します。
面接では、数学の事前課題の解答、小論文、志望理由書に関わる事柄について質問する予定です。事前課題の解答だけでなく、面接内容も含めて、受験生の数理的思考力と論理的表現力を総合的に評価します。



未経験でも、挑戦する気持ちを大切に

どんな学生に来てほしいと考えていますか。

まずは、自ら学び、自ら考え、自ら行動する積極的な学生に来てほしいと考えています。本学の情報科学科では、プログラミング経験の有無は問いません。情報科学に関心があり、これから学んでいきたいという意欲があれば、それで十分です。むしろ、そうした学生にこそ来てほしいと思っています。
中学・高校でプログラミングを学ぶことが増えていますが、学ぶ機会にまだばらつきがあります。とくに女性は進路を意識し始める中学・高校の段階で、IT分野や情報科学について学ぶ機会があまりなかったということが多く、IT業界に女性エンジニアが少ない理由の一つになっています。だからこそ、大学入学後からIT分野を学びたいという思いがある人は大歓迎です。

津田塾では、これから情報科学の学びを始める人でも安心してスタートできるよう、1年次のカリキュラムを工夫しています。私が担当している1年生のプログラミング入門の科目では、キーボード、タッチパッドの使い方など、本当に基礎的なところから始めます。用語についても、できる限り丁寧に説明するように心がけています。また、演習ではTA(ティーチング・アシスタント)を複数配置し、いつでも教員や先輩学生に質問できる環境を整えています。課題によってはグループやペアでの学習を取り入れ、学生同士で話をする機会も用意しています。大学から学び始める学生が多いため、ともに学び合い、助け合いながら学ぶ雰囲気があると思います。

プログラミングと同様、英語についても高校で十分に学ぶ機会がなかった人にも来てほしいと考えています。IT分野では英語が自然言語によるコミュニケーションの標準になっています。英語の勉強の意欲は持ち続け、入学後の学び合う環境の中で、英語による論理表現力も身につけ、世界で仕事をすることを目指してほしいと考えています。

将来の選択肢を豊かにする情報科学。世界とつながる力を、ここから

総合型選抜を受けるにあたって準備すべきことはありますか。

まず、高校等で使用している教科書をよく復習して、数学と英語の基礎をしっかり固めてください。その上で、自分の考えをしっかりまとめて伝える練習をしてください。一般選抜より数学の事前課題の出題範囲はより狭く、英語は外部試験を利用した評価になっているため、日本語による数理的、論理的表現がしっかりできれば、取り組みやすい入試になっています。

最後に、情報科学科を目指す受験生にメッセージをお願いします。

私たちが重視しているのは、情報科学を学びたいという気持ちと、それに向けて少しずつ準備していく意欲です。情報科学は、どんな業界でも役立つ分野です。専門職としてだけでなく、企業のさまざまな部門で情報の知識を活かす道があるでしょう。情報科学で世界とつながる力を、津田塾で一緒に育てていきましょう。
※入試についての最新情報は、大学公式Webサイト「入試情報」にてご確認ください。
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