多文化・国際協力学科「総合型選抜」の新設に寄せて。
受験生たちに伝えたい、実践的な学びの真髄。

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川端浩平
KAWABATA Kohei

全員必修のフィールドワークを通じて実践的に学べるカリキュラムが特徴の多文化・国際協力学科。
2024年度の入試から、「総合型選抜」が導入されます。新たな選抜方式にはどんな狙いが込められているのか。選抜の概要や対策のポイントは?
これらについて、本学科で教鞭を執る川端浩平教授に語っていただきます。

マイノリティの立場から、国際社会の課題に向き合う

多文化・国際協力学科の特徴についてお聞かせください。

多様なバックグラウンドをもつ人びとが互いに支え合い、安心して生きられる社会をいかに築くか。これは国際社会における最重要課題のひとつです。多文化・国際協力学科では、特に発展途上国や少数民族などの「マイノリティ」と呼ばれる人びとに目を向けます。私たちは日頃、欧米をはじめとする先進国の価値観を当たり前のように受け入れていますが、それだけでは世界の実態を正しく捉えることはできません。発展途上国の課題にも目を向けることで、国際社会をより深く理解できるようになります。

多様な文化を理解するために、どのようなカリキュラムが用意されていますか。

多文化・国際協力学科のカリキュラムにおいて、柱となるのがフィールドワークです。といっても、集団でどこかに社会科見学に行くというものではありません。学生一人ひとりが自分の研究したい地域を選び、自身でフィールドワークの計画を立てて実行します。対象地域は国内から東南アジア、南米、アフリカなど多岐に渡りますが、欧米以外の地域を選ぶ学生が多いのはこの学科の特徴でしょう。

フィールドワークに向けたファーストステップは、1年次の「多文化・国際協力の学び」という授業です。教員たちが専門分野や対象地域について語り、学生たちは自身の興味関心と照らし合わせて進みたい分野を選びます。2年次のセミナーでは、データ収集の手法や調査倫理をはじめとしたフィールドワークの基礎を習得。3・4年次のセミナーで実際に現地に赴き、調査結果をもとにフィールドワーク報告卒業論文を制作します。これが4年間の大まかな流れです。

言語を学ぶことで多文化理解はいっそう深まる

多文化・国際協力学科には、ほかにどのような特徴がありますか。

多様な文化をより深く理解するためには、英語だけでなく現地に根ざした言語を学ぶことが重要です。そこで、本学科では第2外国語が3年次まで必修となっています。選択できる言語はフランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語、韓国・朝鮮語の6つ。希望者はスワヒリ語やヒンディー語などの少数言語も学べます。

専門分野に沿った英語教育であるMI英語(MI:Multicultural Studies / International Cooperation)も本学科の大きな特徴です。ここでは人種差別や国際情勢、ジェンダー格差など、学科での学びに関連するテーマについて英語で学びます。例えば、国際協力の一貫で発展途上国のボランティア団体とコミュニケーションを取る場面を想像してみてください。現地の状況を正しく把握するためには、専門分野に関連した英語を理解できなければなりません。国際的な舞台で真に使える英語力を養うことが狙いです。

多文化・国際協力学科での4年間で、学生たちはどのように成長していますか。

自ら問いを立て、現地に赴く。この実践的な学びを通じて、学生たちはさまざまな成長を遂げています。フィールドワークでは、集めたデータが仮説と大きく食い違っていたり、現地でのインタビューを上手に行えなかったりすることも少なくありません。ところが、一見失敗に思える結果からも意外な気づきが得られるものです。それを肌で知ることで、物事を多角的に捉えられるようになります。

津田塾大学ならではのアットホームな校風ゆえでしょうか、学生同士が助け合い、一緒に学びを深めている姿を目にするのも日常です。自分とは異なる考えに触れることで、自分の価値観を客観視できますし、相手を理解するきっかけにもなります。4年間で培うこれらの力は、卒業後も国際社会で活躍するための礎となるはずです。

受験生の「問いを立てる力」を見極めたい

2024年度から、多文化・国際協力学科で新たに「総合型選抜」の入試方式が加わりました。その狙いについて教えてください。
数値化できないさまざまな能力を発見し、評価に取り入れることです。その代表格が、「答え」よりも「問い」を見つける力であるとか、複雑な情報を整理して自分なりの考察を加える力。これらはフィールドワークを行う上ではとても重要なスキルですが、一般選抜では十分に測れていませんでした。フィールドワークに適した資質をていねいに見極めたいという狙いから、総合型選抜の採用に至りました。

具体的には、どのような入試方式ですか。

受験生が自らテーマを設定して文献調査を行う、いわばフィールドワークの予行練習のような入試方式です。まず第1次選考で志望理由書と読書力を問う課題を提出してもらいます。大学で取り組みたいテーマとともに、多文化・国際協力学科で何を学びたいかを述べるのが志望理由書。読書力を問う課題では、自身の「大学でフィールドワークによって探究したい研究テーマ」に関連する書籍を3冊読み、内容をまとめたうえで意見を論述してもらいます。テーマ選びに決まりはありませんが、背景にどんな問題意識があり、それをフィールドワークでどのように探究したいかが重要です。第2次選考はプレゼンテーション。4年間で実現したいことを、レジュメ2枚程度のボリュームで発表してもらいます。

「受験対策」と身構えずに、
興味のあることを掘り下げよう

総合型選抜を受けるにあたって、取り組んでおくべきことはありますか?

筆記試験とは異なり「与えられた問題を解く」というスタンスとはまったく異なるのが総合型選抜です。「なんだか難しそう」と感じる受験生もいるかもしれませんが、身構えなくて大丈夫。身近な題材に目を向けることが糸口になります。例えば、家族の働き方や家事分担を取っ掛かりに、ジェンダーギャップについて調べてみるのもそのひとつ。なかなか見つからないという方は、社会で起きている出来事について1日1時間考えてみたり、気になる本を読んでみたりすると興味関心が見えてくるはずです。

テーマが見つかったら、その深掘りが次なるステップに。“Research”に“Re-”という接頭辞があるように、当たり前だと思っていることを再度見つめ直してみることがポイントです。掘り下げ方に迷ったときは、先人に倣うのも打開策になります。新書をはじめ、事例やデータをもとに主張が展開されている本は身の回りに溢れていますよね。それらのアプローチをヒントにしてみるといいでしょう。

最後に、多文化・国際協力学科を目指す受験生にメッセージをお願いします。

私たち教員にとっても初めてとなるこの選抜方式を通じて皆さんのどんな能力や考え方に触れられるか、今からわくわくしています。何より大切なのは、授業で教わった内容に縛られずに自分の好奇心を大事にすること。そして行動力を存分に発揮してとことん調べ尽くしてみることです。皆さんの成長の種を一緒に探していけることを、心から楽しみにしています。

※入試についての最新情報は、大学公式Webサイト「入試情報」にてご確認ください。
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