日本と海外の架け橋に。
世界とつながる津田塾での学び。

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皆川 花音 MINAGAWA Kanon

学芸学部国際関係学科 2022年卒業

在学中にはイギリスやアメリカへの留学、スリランカでのボランティア活動、翻訳のアルバイトなどを経験。現在は双日株式会社で原子力事業の営業サポートとして、日本と海外とをつなぐ役目を担う。「グローバルに働く」ことを目標に掲げ、さまざまなフィールドに飛び込んできた皆川さんに、憧れのキャリアをつかむまでの足取りを語っていただきました。

トップクラスの女子大で、語学力を磨きたい

はじめに、津田塾大学を志したいきさつを教えてください。
小学校から高校までを女子校で過ごした私が、女子大を志望するのは自然な流れでした。英語教育に力を入れている大学に進みたいという思いもありましたね。進路について両親に相談したところ、勧められたのが津田塾でした。調べてみると女子大のなかでもトップクラス。ぜひチャレンジしたいと思いました。学科選びには最後まで迷ったのですが、最終的には国際関係学科に決めます。英語をツールに国際的な政治、経済、社会に関する幅広い分野を学べることに魅力を感じたからです。
入学したときの印象についてお聞かせください。
勉強に熱心で、真面目な学生が多い印象でした。授業がない日でも図書館やAVライブラリーで学んだり、学内で課題に取り組んだりする学生が少なくありません。部活動やサークルでのアクティビティにも積極的。学業はもちろん、プラスアルファで興味のあることにも打ち込む友人たちの姿から多くの刺激を受けました。
セミナーをはじめとして、少人数の授業が充実していることも印象的でしたね。ディスカッションをすると、必ず一度は意見を求められます。最初はためらうこともありましたが、先生がどんな意見にも温かくコメントをくださるので、安心して発言できるようになりました。このアットホームな雰囲気も、津田塾の魅力のひとつだと思います。

言葉で伝えることの大切さを肌で知った

イギリスでの語学研修に参加されたそうですね。
はい。入学前から「大学生になったらひとりで海外に行ってみたい」と思っていました。英語力を磨くためには、できるだけ日本語が通じない環境に身を置いて、英語に浸りたい。そんな思いから、イギリスのなかでも日本人が少ないブリストルを滞在先に選びます。初日からスーツケースをトランジットで紛失されるなどのハプニングにも見舞われましたが、温かなホストマザーに迎えられながら現地での生活はスタートしました。
語学学校では初学者向けのクラスに参加。基本的な文法を英語で学びました。授業の後には、地域のさまざまな場所に出かける「エキストラアクティビティ」も。他の留学生たちとともに地元の映画館やイングリッシュパブなどで過ごしたり、バスツアーに出かけたりするのはとても楽しいひと時で、イギリスならではの雰囲気も満喫できました。
語学研修を通じて、どんな変化がありましたか。
小さなことに動じない度胸が身についた気がします。日本人に比べると「暗黙の了解」が通用しない外国人たちと交流するなかで、言葉で意見を伝えるのが大切だということも学びました。内向的だった私にとって、思ったことを積極的に口にする習慣が身についたのは大きな変化のひとつです。
たくさんの友人ができていく過程で、英語を使ったコミュニケーションの楽しさも実感しました。ホームステイ先のルームメイトのひとりは韓国人で、語学学校も同じ。わからないことを教え合い、帰国するまでをともに過ごした心強い仲間です。さまざまなバックグラウンドをもった学生たちとの交流を通じて、視野も広がったように思います。

アルバイトとボランティア、ふたつの活動で世界とつながる

帰国後には、テレビ局で翻訳のアルバイトを始められたそうですね。
はい、次の留学資金を貯めるために始めたのがこのアルバイトでした。イギリス滞在は、海外経験の第一歩としては大満足でしたが「在学中にもう一度海外に行きたい」「次はもっと腰を据えて、今後のキャリアの指針になるような経験がしたい」という思いが募ってきたのです。

私の担当は英語でのインタビュー映像や音声を文字に起こした上で、翻訳すること。すべてを訳していたら膨大な時間を要するため、訳すべき文章を見極めながら作業しなければなりません。念入りに映像をチェックして、文脈やニュアンスを汲み取りながら、重要な情報が伝わるように訳す。この仕事を通じて、英語力はもちろん、話の流れやポイントをつかむ力も鍛えられました。このスキルは、現在の仕事にも活かされています。
スリランカでのボランティア活動もされたそうですね。
はい。現地の子どもたちに日本語を教えたり、一緒におにぎりを作ったりしました。日本に興味がある子どもたちが大勢いて、なかには日本への留学を目標にする子もいたほどです。日本語を教える際に心がけたのは、子どもたちを飽きさせないこと。桜や和食の写真、漫画などを見せながら日本文化の紹介をしました。興味津々の子どもたちを目にすると、異文化交流の楽しさを改めて実感したものです。



アメリカで「海外と関わる仕事がしたい」という思いが明確に

2年次には、アメリカ留学の目標をかなえました。
ビジネス英語を学びながら就業体験もできるプログラムを探していたところ、見つけたのがスタッフォードハウスのボストン校でした。私が参加したのはビジネスコースです。ここで現地企業を訪問したり講演会に赴いたりする機会を得ました。印象に残っているのは、キャリア選択をテーマとした講演会です。大企業で働くだけでなく、ベンチャー企業で経験を積んで起業することなど、いくつもの選択肢があることを知りました。

ほかに印象的だったのは、ボストンの公共図書館です。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学といった世界屈指の大学があるボストンでは、学生たちが熱心に図書館を活用しています。驚いたのは、就職活動のアドバイザーが常駐しており、誰もが気軽に相談できる環境が整っていること。私も授業の一環で書いた履歴書についてアドバイスをもらったほか、アメリカでの就活事情について質問をしたものです。この経験が、将来のキャリアについて考えるきっかけとなりました。

留学を通じて英語力が格段にアップしたことは言うまでもありません。帰国後に受けたTOEICでは900点以上を獲得。スピーキングにも自信をもてるようになりました。「海外と関わる仕事がしたい」というビジョンが描けたことも大きな収穫です。帰国してまもなくコロナ禍で海外渡航がかなわなくなり、いっそうアメリカ留学がかけがえのない経験になりました。
卒業後は、総合商社に就職されますね。
はい。就職先を選ぶ上で何よりも重視したのは、大学での学びを活かしてグローバルに活躍できることです。なかでも総合商社は、幅広い業種の企業をつなぐ力があるところに惹かれました。

現在は、海外の原子力会社と日本の電力会社とをつなぐ役割を担っています。契約手続きのサポートや出張の手配、現地での通訳などが主な業務です。まだ実務経験が少ないことからわからないことも多く、海外の取引先に問い合わせることも日常茶飯事ですが、心がけているのは「何がわからないか」「どんな情報が必要か」を的確に伝えること。ここでは留学やアルバイトでの経験が役に立っています。

学生のパッションを全力で後押ししてくれる

今後の目標やチャレンジしたいことについてお聞かせください。
総合商社にいると、世界各地で仕事をするチャンスがあります。この機会を存分に活用して駐在経験を積みたいです。現在担当している原子力ビジネスの連携をサポートする業務にも、日本側からだけでなく将来的には海外で駐在員として携わりたい。そのために語学力をもっと磨くのはもちろん貿易実務などの資格取得に向けて勉強に励んでいます。いずれは日本企業と海外企業のパートナーシップを主導できる人材になれたらいいですね。
最後に、津田塾を目指す高校生にメッセージをお願いします。
津田塾は、パッションを全力で後押ししてくれる大学です。やりたいことがあっても自分ひとりでは道筋が見えないことも少なくありませんが、ここには学生の思いを受け止めて指南してくれる先生方がいるほか、目標を達成するためのさまざまなプログラムも用意されています。
逆に、やりたいことがまだ明確でない方も焦る必要はありません。津田塾では幅広い分野に触れられるだけでなく、それを深く掘り下げられるので、目標を見つけるにも申し分ない環境です。やりたいことって、ある程度の時間をかけて真剣に向き合ってこそ見えてくるものですからね。

私自身、入学時に漠然と抱いていた「英語を使って国際分野を学びたい」という思いが、想像をはるかに超えるたくさんの経験に結びつきました。そんな津田塾の環境に、心から感謝しています。

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