津田塾で身につけた英語力と
人に真摯に向き合うことで、
世界中からのお客様を笑顔に。

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髙嶋 樹里 TAKASHIMA Juri

学芸学部 英語英文学科 2020年卒業

世界的ジュエラー『ミキモト』銀座四丁目本店で、ハイジュエリーの販売を担う髙嶋樹里さん。国内外から訪れる多様な顧客と向き合い、一人ひとりの思いに寄り添いながら信頼関係を築いてきました。その姿勢が評価され、営業部門賞を受賞するなど、若手ながら確かな実績を重ねています。
津田塾で身につけたのは単なる英語力ではない、少人数制の厳しい学びのなかで培われた「逃げない姿勢」、海外研修で得た「殻を破る経験」、そして人の心に届く伝え方への探究心。それらは今も、接客や後進育成の現場で活きているといいます。

英語を学ぶ、その先にあったもの

高校生のころ、津田塾を志望したのはなぜですか。
高校生のころから英語系の学科に進むことは決めていました。英語ができれば、将来の選択肢や視野が広がるだろうという、素直な憧れからです。高校2年生の夏、オープンキャンパスの案内のなかに津田塾大学の名前を見つけ、幼いころに伝記で読んだ津田梅子のことを思い出しました。女子大という選択肢も含めて考えてみようと、両親と一緒に足を運びました。
キャンパスに入った瞬間、緑豊かな環境とハーツホン・ホールの美しさに惹かれました。規模感も自分に合っていると直感しましたし、何より印象に残っているのが、案内してくださった先輩の存在です。私は高校で吹奏楽部に所属し、3年生の夏までほぼ毎日練習があり、受験勉強に出遅れていました。その話をすると、先輩はその場で過去問題集を開き、具体的な傾向や対策を丁寧に教えてくださったんです。「ここまで親身になってくれる人がいる大学なんだ」と強く心に残りました。
入学後、津田塾にどのような印象を持ちましたか。
正直に言うと、最初はかなり衝撃を受けました。高校までは英語が得意だと思っていましたが、入学式前に実施されたProficiency Testでは下から数えた方が早い順位で…。授業が始まると、帰国子女や留学経験のある学生も多く、焦りを感じました。
津田塾の授業は少人数制で、アットホームな雰囲気がありながら、ごまかしが一切きかない緊張感があります。先生方は卒業生が多く、とても凛としていて、発言すると必ず深掘りされる。常に自分にスポットライトが当たっているような感覚でした。特にリーディングの授業では、文章をどう解釈したのかを問われ、その考えに対してさらに質問が返ってくる。その繰り返しで、「なんとなく」では通用しない世界でした。でも、周囲の友人たちは皆、芯があって努力家で、とても優しかった。刺激を受けながら、必死についていった日々だったと思います。



少人数教育が鍛えた「逃げない力」

その緊張感ある学びのなかで、どのように英語力を高めていったのでしょうか。
とにかく準備をするしかなかったですね。授業に出て課題をもらい、次の授業までに徹底的に準備する。その繰り返しです。準備をしても突っ込まれることはありますが、津田塾生は皆食らいついていくので、私も負けたくなくて必死でした。
そんななかで、大きな転機になったのが2年次の夏に参加したロサンゼルスでの語学研修です。長期留学ではありませんでしたが、1カ月半、現地で生活しながら学ぶ経験は大きかったです。そこで初めて、自分の英語が通じず、相手にされない悔しさを味わいました。それまでは大学でも何とかついていけていたので、本当に落ち込みましたね。
語学研修では、どのような経験をされましたか。
現地ではアジアや中東、南米など、さまざまなバックグラウンドをもつ人たちと一緒に学びました。授業はスピーキングやライティングが中心で、特にライティングの授業には苦労しました。大学の授業でアカデミックライティングを学んでいたので、書くこと自体に苦手意識はなかったのですが、ネイティヴの先生から英語でフィードバックを受け、それを理解し、修正する作業は想像以上に大変でした。涙目になりながら課題に向き合ったこともあります。それでも”Keep going.”と言われ、とにかく話し続け、書き続けた1カ月半は、自分の殻を破る経験となりました。大学に戻ってからは、英語を発することへの抵抗が一気になくなりましたし、周囲からも「変わったね」と言われるようになりました。英語で考え、英語で話す感覚が少し身についたことで、その後の学びも一気に楽しくなったと思います。



ボランティア活動で深めた英語教育への関心

学生生活で思い出に残っていることは何ですか。
空きコマは、ほとんど図書館で過ごしていました。2階の広いテーブルがお気に入りで、課題を広げて黙々と作業する時間が、私にとって一番落ち着く時間でした。本棚の間を歩きながら文献を探すのも好きでしたし、AVライブラリーで映画を観ることもありました。
また、3年次に吉田真理子先生の授業を受けたことをきっかけに、近隣の小学校で行われる放課後英語教室のボランティアに参加しました。絵本を題材に英語劇を行う活動で、子どもたちの集中力や吸収力に驚かされました。ストーリーを通して英語に触れることで、自然に学びへの興味が引き出される。その体験で、英語教育への関心がさらに深まり、吉田先生のセミナーに入ることにしました。

当時。現在は図書館にAVライブラリー機能が統合された。

点と点がつながった、ミキモトとの出会い

就職活動では、どのような観点で企業を選んでいましたか。
就職活動では、「伝統を継承しながら高みを目指している企業かどうか」を一つの軸にしていました。長い歴史のなかで培われた基盤がありながら、なおも革新を続けている企業に魅力を感じ、私もそういう環境で働きたいと思ったんです。養殖真珠のパイオニアとして100年以上品質を追求し続け、世界的なジュエラーとして確固たる地位を築いているミキモトは、そうした価値観に自然と重なり、自分の目指す方向性にすっとフィットした感覚がありました。
ミキモトとの出会いには、印象的なエピソードがあったそうですね。
今振り返ると、本当に点と点がつながっていたように感じるのですが、ロサンゼルスで語学研修に参加した時、ビバリーヒルズで偶然ミキモトのブティックを見かけて、誇らしい気持ちになりました。でもその時は、まさか自分が将来そこで働くとは思っていませんでした。
翌年、3年次に、ミキモトが初めてインターンシップを実施するという案内を見つけました。「これはご縁かもしれない」と感じて参加したことが、入社のきっかけです。インターンシップでは、商品の素晴らしさはもちろん、先輩社員一人ひとりがプロとして誇りをもって仕事をしている姿に惹かれました。そして何より、人柄がとても素敵だった。「この人たちとともに働きたい」と自然に思えたことが、決め手になりました。





世界中のお客様と向き合う仕事に魅力を感じて

 現在のお仕事の内容と、やりがいについて教えてください。
現在は、銀座四丁目本店で店頭販売を担当しています。ハイジュエリーフロアに勤務し、自社のなかでも特に高額な商品を扱っています。仕事は、お客様のご要望を丁寧に伺い、その方にとって最適な一品を提案し、決定に結びつけていくことです。国内外からさまざまなお客様がいらっしゃるので、毎日が新しい出会いの連続です。
やりがいを感じるのは、お客様がジュエリー選びそのものを心から楽しみ、「ミキモトで過ごした時間が特別だった」と感じてくださる瞬間です。そのために新人のことから大切にしてきたことが三つあります。一つ目は「お客様の緊張感を解くこと」。静かできらびやかな空間だからこそ、まずは安心していただくことを心がけています。二つ目は「誰に対しても誠実であること」。社内での姿勢は、そのまま接客にも表れると思っています。三つ目は「語学力を磨き続けること」。現在はお客様の半数以上が海外からの方で、英語での接客が日常です。より正確に、そして分かりやすくミキモトの魅力を伝えられるよう、学び続けています。
昨年度は営業部門賞を受賞されたそうですね。
正直、自分が選ばれるとは思っていなかったので、とても驚きました。営業部門賞は、単に数字だけでなく、年次に対する業績やお客様との関係性、日々取り組む姿勢なども含めて評価される賞です。これまで受賞されてきた先輩方を見て、「いつかあんなふうになれたら」と思ってはいましたが…。この賞をいただいて一番嬉しかったのは、コツコツと積み重ねてきたことを認めてもらえたことです。お客様一人ひとりと向き合い、信頼関係を築いてきた姿勢は間違っていなかったのだと、自分自身を少し認めてあげることができました。





津田塾の学びが今も自分を支えている

大学での学びが、現在のお仕事に活きていると感じることはありますか。
津田塾での学生生活は、課題に向き合い続ける日々でした。でも、その経験があったからこそ、今も目の前の課題に真摯に向き合う姿勢が身についていると思います。特に学生時代の経験が活きていると感じるのは、新入社員の英語研修を担当する仕事です。3年ほど前から先輩社員と一緒に研修を担当していますが、吉田セミナーで学んだ「教える姿勢」がそのまま役立っています。
私は研修の場で、自分を「教える側」ではなく、「並走するファシリテーター」だと意識しています。これは、吉田先生が常に大切にされていた考え方です。ロールプレイングを中心に、実際の接客シーンを想定しながら進める研修スタイルは、セミナーでの経験が土台になっています。また、海外要人来訪時の接遇を担当するプロジェクトにも関わっていますが、学生時代に英語でプレゼンテーションを重ねてきた経験が、大きな支えになっています。
今後の目標と、高校生へのメッセージをお願いします。
今は営業の仕事が本当に楽しく、できる限り続けていきたいと思っています。営業で培った力は、どんな仕事に就いても必ず基礎になるはずです。これからは自分の業績を追求するだけでなく、後輩が力を発揮できるよう支える立場としても成長していきたいと考えています。
津田塾に興味をもっている高校生の皆さんには、「迷っているなら、ぜひ挑戦してほしい」と伝えたいです。女子大だからこそ性別を意識せず、学びに集中できる環境があります。明確な夢がなくても津田塾で学び、人と出会い、刺激を受けるなかで、必ず何かしらの道が見えてくると思います。私自身がそうでした。自分の直感を信じて、一歩踏み出してみてください。




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