津田塾だからこそ得られた、
主体性をもって学び、大いに成長できた4年間。

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平林 彩 HIRABAYASHI Aya

学芸学部数学科 2024年卒業

2024年3月に津田塾大学の数学科を卒業した平林さん。高校生の頃にオープンキャンパスで感じた学生の自主的な雰囲気に憧れ、津田塾以外の進学は考えていなかったとのこと。実際に入学してからもそのイメージは覆されるどころか、むしろ周囲の友人が主体的に行動する姿を見て刺激を受け、ますます津田塾のことが好きになりました。在学中は群馬県から小平キャンパスに通学していたほど地元愛も強い平林さんは、故郷へ恩返しをするべく現在は群馬銀行で活躍しています。
そんな平林さんに津田塾での学びについて当時感じていたことや、お仕事での想いなどを伺いました。

先輩方の主体的な姿に憧れました。

津田塾大学に進学するきっかけを教えてください。
大学に進学する際は津田塾大学以外は考えられませんでした。どうしてそんなに惹かれていたのかというと、オープンキャンパスでの体験が非常に大きく、印象に残っていたからです。津田塾のオープンキャンパスでは学生が主体的に運営していることがひしひしと伝わり、学生の皆さんがこの大学のことを好きで、よいところを知ってもらいたいから自分たちで頑張っている。だからこそ、道案内ひとつとっても、丁寧にわかりやすく、その場所までついてきてくださったりして。そういう学生が自らきびきびと動く様子を見て、「自分もこんなふうに主体的に動ける女性になりたい」と憧れて、津田塾を目指しました。
入学後の印象はいかがでしたか。
まず女子大学ということへの不安は当初からありませんでした。むしろ高校も女子高で、とても楽しかったので、それをあと4年間続けられる喜びの方が大きかったです。大学では先生方や職員の皆さんのサポートがとても手厚く、心強かったのが印象的でした。たとえば事務手続きなどに関する問い合わせも、職員の方が誠実に応対してくださり、助かりました。私はコロナ禍での入学だったので、当時、電話でしかやりとりできないときでも、とても親身なサポートをしてくださったのは、よい思い出です。誠実で、温かい大学だなと実感しました。

津田塾は誰もが努力する空気に満ちています。

 先生方に対する印象はいかがでしたか。
先生方も同じく優しくて、課題の出し方やその返却に関しても、厳しくも温かな指導でした。たとえば授業で学んだ内容に関する課題が出された際には、返却された課題には○や×だけではなく、詳細な解説がびっしりと赤字で記されているのです。そのおかげで自分の理解度を把握できるだけではなく、次の授業での解説がより深く理解できるようになり、学びに対して真剣に向き合えるようになりました。学生の数だけ、そのように丁寧な指導をしてくださっているのかと思うと、その熱意に応えたいという想いも生まれ、さらに学習意欲が高まった気がします。 高校生の頃の勉強は問題集など手元に回答があるので、それを先に見てしまうこともできますが、大学での勉強は単純な答えが手元にあるわけではありません。そのために、より真剣に授業や課題に取り組んで、先生の解説を聞くことが大切です。
同級生の皆さんの雰囲気はどうでしたか。
数学科の友人たちは、課題でつまずいたときなどに親身になってサポートしてくれて、勉強面でとても助けてもらいました。もちろん課題の答えをすぐに教えてくれるというのではなくて、「ここまで講義でやったよね。こういう解き方も考えられるから、この公式を使うことを検討してみたら」など、ヒントを小出しにしながら、私が自分で考えて答えにたどり着けるように導いてくれたのです。彼女たちのサポートのおかげで、自分自身も成長することができたと感じています。もちろん逆に、私が教える立場になることもありました。仲間同士で支え合って頑張ろうという空気が数学科の中にあったように感じています。
また私の周りだけではなく、図書館はもちろんですが、たとえば食堂などでも勉強している学生をたくさん見かけました。就職活動などで出会った他大学の学生に聞くと、学食で勉強している人はあまりいなかったというような話を聞くのですが、津田塾ではそんなことはなく、一人で黙々と頑張っている学生の姿をよく目にします。誰もが目標に向かって努力している空気に満ちていますし、そういう姿を見ると私も刺激を受けていました。

津田塾で自分自身を120%成長させることができました。

印象的だった講義はありますか。
学生が主体的に学習に臨むという津田塾らしさが溢れていたなという点で、1年次から4年次まで必修のセミナーが印象に残っています。セミナーでは8人ほどのクラスで1年かけて1冊の本を使うのですが、毎週1人の学生が1ページを担当して、数日かけて勉強した内容を、たとえば「ここはこのように解釈できるので、こういった証明が可能です」といったように論旨を組み立てて発表をしていくものでした。ただ本の内容をなぞってまとめているだけの発表になってしまうと、先生からは「本を読むだけなら誰でもできるよね」と厳しい指摘が飛んできます。そのために、私たちはページの内容をしっかりと理解して、自分の言葉に変え、自分なりの解釈をしっかりと準備する必要があったのです。1年次は、さすがにそこまで厳しくもありませんでしたが、授業というのはただ聞くだけでも、教科書を読むだけでもなく、しっかりと自分の頭で考えてアウトプットしなければいけないんだということを身にしみて感じました。
また2年次には、英語の教科書も使うのですが、数学に関することすべてが英語で書かれているので内容を理解するだけでも大変でした。しかし、この経験によって、数学に関する内容を英語で理解する力もとても養われたと思います。
英語学習はやはり印象に残っていますか。
はい。私は数学科でしたが、入学してみたらメインとなる数学と同じだけ英語の授業もあって、まずその充実ぶりに驚きました。正直に言うと私は英語科目が苦手だったのですが、1年次の授業が発音、長文読解、日常会話、文法の4通りに分かれていて、それぞれを丁寧に学べたことで、苦手だった英語も正しく学べばしっかり使えるようになるんだと実感しました。授業では自分の考えを求められることも多く、英語で自分の意見をまとめて発表するのは最初は恥ずかしさをおぼえることもありましたが、周りの仲間が積極的に発言していくような環境だったので、自然と私も遠慮することなく、発言して授業に参加することができるようになりました。
そうした積極性がご自身の成長につながっているのですね。
自分の中では津田塾で100%以上、120%の自分になれたと感じていて、それは授業で培われた積極性も含めて三つのことができるようになったことが理由です。一つは「自分の考えをもてるようになったこと」です。先ほどもお話ししましたが、授業ではいつも受け身ではなく自分の考えをもつことを求められました。これにより、あらゆる場面で自分の意思をもつことができる人間に成長できたと感じています。二つ目は「それを言葉にして人へ伝えられるようになったこと」です。せっかく感じた自分の意思もぼんやりと心に抱えたままでは、周りの方に理解してもらうことができません。しっかりと想いを言葉にして、発信できるようになったのも津田塾で主体的に学んだからこそです。そして三つ目は「自分から発信することを恥ずかしいと思わなくなったこと」です。特に高校生の頃までは、自分が発言するというのはどこか目立とうとしているようで、周りにどう思われているんだろうと恥ずかしかったり、不安になったりすることがありました。しかし津田塾はポジティブな学生が多く、自分から発信することを大切に、そして他者の声も大事に聞く、そういった文化が備わっています。この三つの点で成長できたことで、120%の自分になれたと実感しています。



仕事では感謝を忘れないようにしています。

 現在は群馬銀行で活躍されていますが、就職のきっかけはどのようなものでしたか。
就職活動ではまず地元の群馬県に貢献したいということを考えていました。私は在学中も群馬から通学していたほど地元が好きなので、この落ち着いた雰囲気で仕事ができること、そして育ててもらった群馬に貢献できることを第一に考え、その中でも総合職として、女性活躍の制度も実績もある群馬銀行で働きたいと考えました。 津田塾では学生スタッフとして、オープンキャンパスで高校生向けに学科の特徴やおすすめポイントを説明したり、トークイベントの司会を務めさせてもらうこともあり、周囲を見る力や魅力を発信する力が身につきました。その力を今の職場でも活かして、これからは同僚やこれから来る後輩と支え合いながら仕事をしていきたいと思っています。
お仕事の中で大切にされていることはどんなことですか。
仕事をするうえで大切にしているのは、当たり前のことかもしれませんが、些細なことでも「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えること、そして、もしわからないことや不安なことがあればすぐに上司や先輩に相談するといったことを心がけています。幸い頼もしい方々に恵まれており、役席(管理職)で活躍されている女性もいらっしゃって、職場内でコミュニケーションを取っていきやすい環境だと感じています。
以前から「一人では何もできない。常に誰かに支えてもらっている」ということを忘れずに仕事をするよう意識しています。これからも周囲への感謝を忘れない謙虚な姿勢で仕事に励み、群馬銀行のよさ、そして群馬のよさを伝えていけるように成長できたらと思っています。


 

津田塾は熱心な先生方の指導で大きく成長できる大学です。

最後に、津田塾を目指す高校生たちにメッセージをお願いします。
津田塾は勉強する習慣を身につけたい人、自分の意見をしっかりともって発信する力を養いたい人にはとてもおすすめできる大学です。女子大学だからこそ、のびのびとした雰囲気の中で、自分の力を最大限に伸ばしていける環境があります。勉強にしっかり向き合っていくということは大変ではありますが、職員の方々も先生方も非常に熱心で、少人数だからこそ一人ひとりを手厚く支えてくださるので安心です。以前、就職活動で他大学の方と話した際、課題は手を抜くこともしばしばといったニュアンスの話を聞いたことがありますが、津田塾にはそういった雰囲気はありません。むしろ一人ひとりに目を配り、熱心に指導してくださる先生方の期待に応えるためにも、学生みんなが一生懸命課題や発表に向き合う、切磋琢磨できる大学だと思います。私は津田塾で非常に充実した4年間を過ごすことができました。
大学生活は、あっという間に過ぎてしまいます。高校生の皆さんは、その大切な時間をどのように過ごしたいかを、ぜひ想像してみてください。
私にとって、津田塾で得た学びや経験は、社会人になった今も大きな支えとなっています。かけがえのない仲間、熱心な先生方、そして親身になってくださる職員の方々に囲まれた時間は、皆さんにとっても大きく成長できる糧になると思います。皆さんの明るい未来をお祈りしています。


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