Webマガジン『plum garden』をとおして、津田塾の「いま」を伝える

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乙川 文香 OTOGAWA Fumika
学芸学部国際関係学科多文化・国際協力コース3年生。私立新潟清心女子高校出身。plum gardenでは2020年度より編集長を務め、編集会議の運営やリリーススケジュールの進捗管理を行う。(写真・左)

橋岡 侑子 HASHIOKA Yuko 
総合政策学部総合政策学科3年生。長崎県立佐世保北高校出身。plum gardenでは2020年度より千駄ヶ谷キャンパス連絡係として、小平キャンパスと千駄ヶ谷キャンパスそれぞれの活動において連絡調整を担う。(写真・右)

「津田塾らしい」学びを追究できるキャンパス

津田塾大学オフィシャルWebマガジン『plum garden』は、企画から取材・制作まで学生が主体となり、キャンパスの様子、津田塾に集う人びと、学び・研究の最前線などバラエティに富んだ記事を学生の目線で発信しています。学生ならではの視点で津田塾の「いま」を伝える広報媒体として注目され、メディアで取り上げられることも。編集部でその中心的役割を担う編集長の乙川文香さん(学芸学部 国際関係学科 多文化・国際協力コース3年)と千駄ヶ谷キャンパス連絡係の橋岡侑子さん(総合政策学部 総合政策学科 3年)に、それぞれの学生生活と『plum garden』の活動について伺いました。

大学オフィシャルWebマガジン『plum garden』 https://pg.tsuda.ac.jp/

Q:まず津田塾大学を志望したきっかけや魅力を感じた点について教えてください。

乙川: 高校の先生と父に勧められたこと、2つ歳上の姉が通っていたことから、津田塾大学を意識するようになりました。高校時代は特に英語に力を入れて勉強していたのですが、津田塾ならもっとストイックな環境で英語力を磨けると感じたんです。日本史などの社会に関わる科目も好きだったため、「英語」と「社会」を思いきり学べる学芸学部国際関係学科を選びました。

2年次からは国際関係学科の多文化・国際協力コース*1に入り、同コースを選択した英語英文学科の学生と一緒に学んでいます。このコースでは、卒業論文で自ら決めたテーマに沿ったフィールドワークを実施するのですが、私は「地域教育コーディネーター*2の存在が地域教育にどのようなメリットをもたらしているのか」をテーマに研究を行っている最中です。

*1 2019年に新設された多文化・国際協力学科の前身であり、英文学科(現:英語英文学科)と国際関係学科の学生が所属できる学科横断型のコース。

*2 学校と社会教育施設、地域活動を結ぶネットワークづくりを推進したり、学校の教育活動・課外活動において地域人材が参画したりすること。

橋岡: 私は当初、昔から津田塾大学のファンだった祖母の勧めで興味をもっていた程度だったのですが、大学のガイドブックを読み進めるうちに、総合政策学部に惹かれていきました。さまざまな分野が融合したカリキュラムのもと、社会課題の解決を視野に入れた幅広い学びがあることに魅力を感じ、受験を決めました。

現在は「ヒューマン・ディベロップメント(人間社会)」の課題領域(コース)に所属しています。人間社会で起こるさまざまな問題について学び、解決策を探っていくのですが、英語によるアプローチを行う点が総合政策学部のユニークなところですね。セミナーでも、それ以外の活動でも、限られた範囲を受け身で学ぶのではなく、自分の属するコミュニティの外へ目を向けることで、柔軟な思考力が鍛えられていると実感しています。

Webマガジン『plum garden』をとおして見えてくること

Q:『plum garden』を知ったきっかけと編集部に入った理由について教えてください。

橋岡: 受験生の時に『plum garden』 の記事を読むことで、受験勉強、そして津田塾に入学したいというモチベーションを高めていました。津田塾は外国の建物のようなハーツホン・ホール(本館)の印象が強く、ちょっと上品な感じなのかな?というイメージをもっていましたが、学生目線でキャンパスを冒険するように紹介された記事もあり、いい意味でギャップを感じました。高校生にもわかりやすい遊び心のある企画や切り口に引き込まれ、もっと知りたい、もっと読みたいと思わされる記事が盛りだくさん。津田塾の魅力そのものが詰まっていると思いました。また、学生が広報活動に関わっている点にも「活動の幅が広く楽しそうだな」と興味がわきました。

乙川: 私が『plum garden』を知ったのは、橋岡さんと同じく高校生のとき。姉が『plum garden』でインタビューを受け、その記事を家族で読んだことがきっかけです。姉の記事を読んだ両親、祖父母の嬉しそうな表情が忘れられず、自分も文章で人を笑顔にしたいと感じました。もともと文章には苦手意識があったのですが、大学生になり、自分を変えたい、そして文章力をあげたいと思い、入部を決意しましたね。津田塾大学には女子大・勤勉・真面目というようなイメージを抱いていましたが、『plum garden』の記事は、先生方のインタビューからキャンパス紹介のような記事まで、どれもフランクで親しみやすいものばかりでした。当初抱いていたいわゆる「津田津田しい」というイメージから一転、元気で自主的な学生が多い印象に変わりました。

橋岡: 一読者だった高校生の時から、津田塾に入学したなら自分も発信する側になってみたいと憧れていました。

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Q.記事を読んで津田塾のイメージが変わったとのことですが、実際に入学して感じている「津田塾らしさ」とは何でしょうか。

乙川: 将来に対するビジョンを明確にもっている友人が多いですね。他大学の友人の話と比較しても、学内での友人との交流の深さや先生方との距離の近さが「津田塾らしさ」なのだと私は思います。研究テーマやフィールドワークなどについて悩んだ時も、常に誰かが親身になって相談に乗ってくれるため、非常に心強いです。

橋岡: 記事から読み取れる以上にアグレッシブで行動力のある学生が多く、その姿こそが「津田塾らしさ」だと感じています。例えば、NPO・NGOに関わる活動をしている友人もたくさん。私もセミナーの一環としてNPO法人のホームレス支援ボランティアをしているので、情報交換することがいい刺激となっています。また、このような学生の活動について『plum garden』で取材し、発信していきたいと思っています。

Q.『plum garden』の制作はどのように進んでいくのでしょうか。

乙川: 部員それぞれが企画書を出すところからスタート。例えば先生へのインタビューであれば、その企画を出した担当者がアポを取り、どういう質問をして記事を作成するかなどを話し合っています。どんどん企画を思いついて、2カ月に1本のペースであげてくれる人もいれば、企画をじっくり練って案を出す人もいます。取り組み方は人それぞれですが、全体としてはなるべく滞らないように記事を公開していくことを心掛けています。

橋岡: 私は、主に「キャンパスレポート」という津田塾大学の年間イベントなどを紹介する記事を担当しています。キャンパスの四季の移ろいや開催されるイベントなどを取り上げるコンテンツですので、なるべくバラエティに富んだ津田塾のさまざまな顔を紹介するよう心がけています。その他にも、私のセミナーの担当教授のインタビュー記事を書いたこともあります。入学前から憧れていた先生だったこともあり、緊張しながらも一段とワクワクしながら取材を行った思い出があります。

乙川: 基本的な『plum garden』の編集方針は、部員一人ひとりが気になったこと、知りたいことを企画して記事にしていくというもの。ですので、食堂のスタッフさんや寮母さんへのインタビュー記事があったりと、かなり自由に作っています。

橋岡: 守衛さんへのインタビュー記事も面白かったですよね。「毎日顔は合わせているけれど、守衛さんのことって実はよく知らないよね」という切り口で。あまり堅苦しくならず、柔軟に自由に私たちの視点で記事を作る。それが『plum garden』の特長と言えるのかもしれません。

学生独自の自由な切り口でコンテンツを展開する『plum garden』。
各メンバーが活動を通じて成長し、また時にそれぞれの得手不得手を補い合いながら、制作を進めています。
乙川: 私はまだ文章を書くことに苦手意識があるので、執筆中は辛いと感じることもあります。この言葉遣いは正しいのか、文法は合っているかなど、さまざまなことが不安に思えてしまって・・・。でも、記事の制作をとおして写真を撮ることがだんだんと楽しくなってきました。まだまだプロのカメラマンのように素敵な写真は撮れませんが、好きだからこそうまくなりたい、よりよい1枚を撮りたいと思いながら、楽しく撮影をしています。自分でも驚くような奇跡の1枚が撮れた時は、本当に嬉しいですね。
乙川さんがキャンパスで撮影した「とっておきの1枚」
橋岡: 私は乙川さんとは正反対で、文章を書くことが好きで、写真を撮るのが苦手です。だからインタビューを行う時などには、編集部の中で写真が得意な子にサポートをお願いし、「こんな構図で写真を撮ってほしい」と詳細に伝えるように工夫しています。インタビューをとおして求める回答を得るためには、質問から誘導するテクニックが必要だと感じていて毎回勉強になります。何かを創作することが好きな私にとって、アウトプットの場としても『plum garden』は貴重な存在です。
千駄ヶ谷キャンパス祭を取り上げたキャンパスレポートで、橋岡さんが撮影した1枚

伝えたいことを、もっと伝わる形で

Q.『plum garden』の活動をとおして、また大学生活において成長したと感じていることはありますか。

橋岡: 私は『plum garden』の千駄ヶ谷キャンパスの連絡係として、小平キャンパスと千駄ヶ谷キャンパスをうまくつないでいくパイプのような役割を担っていると思っているので、全体に目を配るという意識が身についたと感じています。授業の中でも、常に先生方には「視野を広くもつように」と言われているので、活動を通じて自らのスキルアップにつながっていると実感しています。また、キャンパスレポートを書く中で、四季の移ろいや身近な変化を伝えるために「桜が咲いたな」「虫が多くなってきた」「気温が上がってきている」といった何気ない日常を感じるだけでなく、考えて文章化する癖がついたと思います。

乙川: 大学生活の学びや『plum garden』の編集活動を通して、自分の意見や思いを言葉にして伝える重要性を感じ、意識しています。以前の私ならネガティブに感じることは自分の中にしまい込んできましたが、今は「なぜ嫌だと感じるのか」をきちんと考えて、相手に伝える努力をするようになりました。また、編集長として部員をまとめることを通じて、多様な人と歩調を合わせることの大切さも学びました。

編集長、千駄ヶ谷キャンパス連絡係として着実に成長する2人。
これからどのように活動を充実させていきたいと考えているのでしょうか。
橋岡: 津田塾の学生は、本当に多様で、活動的な人が多いですよね。多様だからこそ生まれる幅広い活動や人間関係もありますので、そういったユニークな点にスポットライトを当てて、もっと外部の方に『plum garden』を通じて津田塾のことを知ってほしいです。

乙川: 私は、これからも大学オフィシャルのWebマガジンとは言え、堅苦しいものでなく、広報誌とも異なる役割を果たす媒体でありたいと思っています。私が高校生の頃に『plum garden』を読んで、津田塾に対するイメージが変わったように、この大学を選ぶきっかけになれたら嬉しいですね。

Q.新型コロナウイルスの影響でさまざまな価値観が変化する中、「伝える」ことについて、変えるべきだと感じること、逆に変わらずにあるべきだと考えることはありますか。

橋岡: 津田塾大学のリアルを学生目線で柔軟に発信していくという現在の『plum garden』 の姿勢は、これからも変えずに続けていきたいと考えています。今のように人と直接会うことが制限される状況が続くのであれば、Webマガジンであることの特性を活かして、コメント機能などを充実させていければ面白いと考えています。そうすれば双方向の交流が生まれ、魅力が増す気がしています。

乙川: 橋岡さんの言うように、どんどん発信は続けていきたいです。このような状況で、今までの当たり前とは違うからこそ、伝えていくべきこともあるのではないかと感じています。それが何かを探りながら、津田塾大学という枠組みを超えて、広く社会の教育についても私自身学びながらよりよい発信ができたらと考えています。

橋岡: キャンパスの入構制限で、最近の記事では撮影を自粛していましたが、写真の代わりにイラストを使用するなど編集部でアイデアを出し合いながら、今できるかたちで発信を続けてきたいと思っています。新しいキャンパスレポートでは、オンライン授業のおまけ編と題してオンライン授業の息抜き方法も紹介しています。記事を通して、読者の方々が少しでも明るい気持ちになってくれたらうれしいですね。

乙川: 授業などもオンラインがメインとなり、取材や打ち合わせのスタイルも今後変わっていくと思います。この機会をマイナスに捉えるばかりではなく、新たな可能性を探り、よりよいものを創れるような力を蓄えていきたいと思います。

Q.最後に、『plum garden』の読者の方や、読んでくれている高校生の皆さまにメッセージをお願いします。

乙川: 大学進学にあたっては、大学選びや自分の成績のことなど不安はたくさんあると思います。また、これまでにない社会の状況で辛い思いをしている人も多いかもしれません。ですが悩んだ時間は決して無駄ではなく、それはいつか自分の強さに変わっているはずですので、今のベストを尽くして頑張って欲しいと思います。『plum garden』ももっと魅力的なWebマガジンとして成長させられるよう努力していきますので、感想や意見をお待ちしています。

橋岡: 『plum garden』の読者層には、OGの方々もいらっしゃいます。津田塾の伝統を築いてこられた先輩方に対して「津田塾は変化しながらも築かれた伝統を引き継いでいます」ということも伝えていきたいですね。昔から変わらない柔軟で活発な津田塾の精神、そして今の津田塾の魅力を世の中に発信していきたいと考えています。高校生の皆さんには、想像よりもずっと豊かな人との出会いや環境が津田塾にはあることに期待して入学してきてほしいと思います。
※こちらの記事については新型コロナウイルス感染防止を最優先に、十分な対策を講じるため取材はオンラインにて行い、
撮影は6月初旬に3密回避および衛生管理を徹底したうえで短時間で行いました。
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