総合政策学科 授業紹介

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日本の財政・金融

社会経済の基底を総合的に考える

総合政策学科教授 津曲 俊英

財政は「政府活動の経済的な側面」で、金融は「資金の融通」であり、一見すると両者は離れた関係にあるように思えます。他の多くの大学でもそれぞれ独立した科目として立てているのですが、ここでは両方を同時に勉強します。実は、財政と金融の2つは、「通貨」を通じて極めて密接な関係にあり、いずれも経済社会の極めて重要な分野であるのにもかかわらず、日本は厳しい現状にあります。
「日本の財政・金融」の授業は、「財政・金融・通貨」という3者関係の枠組みでミクロ的にもマクロ的にも理解しようというものです。また「日本の」といっても、当然に国内的な視点だけではなく、グローバル化が進展した現状の中で見ることになります。財政・金融・通貨を通じて丁寧に考えていくと、政治・経済に関する現代や歴史的な事象の見え方が違ってくるかもしれません。
授業においては多くの現実と理論について言及することになるため、言葉を理解してついてくるだけでも大変だろうと思いますが、経済社会の基底を総合的に理解できることを目指します。

学びのアイテムは?
噛めば噛むほど味の出る教材

財政も金融も通貨もその基本的な部分を扱います。一見わかりにくくても、授業での話を聞いて、何回か読んでいるうちにその本質とそれらの関係がジワッとわかってくるような教材を用意していきたいと思っています。




統計Ⅰ

データから社会課題を読み取る力を身につける

総合政策学科准教授 鈴木 貴久

みなさんが問題視している社会課題の深刻さを知ったり、それを他の人と共有するためにはどのような方法があるでしょうか? 社会課題の現状を伝える資料を開いてみると、数字やグラフなどを用いた表記がたくさんあると思います。このようなデータは調査などによって集められ、統計的処理がなされています。社会課題の現状を知り、問題認識を他者と共有し、解決策を考えていくためには統計を用いることが不可欠です。
統計Ⅰはその入門として位置づけられ、統計の基礎的な考え方や、簡単な分析をしてその結果を表記することを学びます。授業は統計の理論を理解するための講義と、各自がパソコンを用いて行う演習のセットで進められます。演習ではさまざまなデータを使いながらグラフ作成や分析を行い、その結果について考察を行います。
教員やTA(ティーチングアシスタント)からアドバイスを受けたり、ときには学生同士が教え合いながら、実践力を身につけるための課題に挑んでいきます。

学びのアイテムは?
演習で用いるノートパソコンと教科書

演習では各自のノートPC上で統計解析ソフトを用いて課題に取り組みます。教科書には統計学の基礎と統計解析ソフト「R」の使い方について、やさしく丁寧に解説されています。




Compassionate Communication

選択肢豊かな人生のために
英語スキルを身につける

総合政策学科教授 Gavan P. Gray

今の若者が迎える新たな社会は多くの課題を抱えています。生涯にわたり雇用が保障される終身雇用制度は終わりつつあり、学生は積極的かつ柔軟に自分の未来をコントロールする能力が求められるようになりました。人生設計は急にシフトチェンジしなければならないこともあるので、大学の授業も就職に必要なスキル習得だけに絞ることはできません。在学中のみならず、生涯にわたって成長を続け、その学生にとって一番の幸せをもたらす人生の選択肢を見つけられる能力を身につける場となるべきと考えます。総合政策学科は、この考え方に基づいて英語のカリキュラムを作りました。

本学科の英語カリキュラムは文法や英単語に特化するだけではなく、新しい社会において必要になるスキルを習得する手段としての英語を学習します。英語力の向上と同時に思考力やコミュニケーションスキルを身につけて、英語の技術修得のみに集中せず、総合的に学ぶことが狙いです。そのために以下の2つの種類のクラスを設けています。
1つ目の“Content-based KnowledgeAcquisition”は教育、貧困、ジェンダー、政治などの社会課題を1タームごとに一つひとつ焦点を当て、学生同士で議論しながら学ぶクラスです。この授業をとおして、英語で自信をもって発言し意見を共有する力や、物事の核心を見抜いて問題を提起する力など高度なクリティカル・シンキング能力の習得を目指しています。

2つ目の“Communication-based SkillDevelopment”は、英語でコミュニケーション能力を学び、日常生活のみならず職場でもよい人間関係を築き上げる力や、チームの中でリーダーシップを発揮できる力を高められるクラスです。具体的に、対人関係やプレゼンテーションのような基本的な分野から、自信をもって人前で発言できるスキルや“CompassionateCommunication”を学びます。2年次では交渉や課題解決の分野、そして3年次以降はマネジメント力やリーダーシップスキルを英語で学びます。以上のようなスキルは近年就職の際に重要視されるだけでなく、個人の人生においても大きな影響を与えるものです。本学科ではこうしたコミュニケーション能力に注目し、英語教育全体をとおして、社会の発展のための新しいアプローチを生み出すだけでなく、確かな技量とリーダーシップを兼ね備えて課題解決に尽力できる女性を育成したいと考えています。

この2つのクラスの学習の積み重ねで得ることができるスキルは、将来日本語でも英語でも、あらゆる状況で役立つものです。これらのスキルを英語で学ぶことによって、学生たちの英語力は自然に向上し、グローバルな社会で通用するものとなります。
私たち教員は学生たちの能力を信じ、あらゆる課題を投げかけて学生たち自身が積極的に取り組む機会を作ることで、一人ひとりのもつ能力は多方面から輝き、伸びていきます。大学生活の中で将来に向けて自立し成長するには、津田塾の英語カリキュラムは最適な環境です。


 

学びのアイテムは?
実践的な教材を使って

これらのコースは、将来学生たちに最も価値があるであろうスキルと情報を提供することを目的としています。そのため教科書を使用せず、各分野の主要な書籍に基づいて実践的な教材を準備しました。

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