第3回 学生スタッフレポート

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オーセンティックな自分を生きる

キニマンス塚本 ニキ 氏(翻訳者・ラジオパーソナリティ)

こんにちは!
「総合2024」第3回、5月1日(木)の講演は、翻訳者・ラジオパーソナリティとして活躍されている、キニマンス塚本ニキさんにお越しいただき、「オーセンティックな自分を生きる」というテーマでお話いただきました。

今回の講演の中で、最も心に残ったキーワードは「authentic(オーセンティック)」です。“authentic”とは「自分自身の本来の姿、自分自身に忠誠である」と説明できる言葉で、講演のタイトルにも使われています。講演の中で「積極的なYES」と「消極的なYES」に関するお話がありました。何かを選択しなければならない時に、自分自身が絶対に守りたいものを守り、自分が譲れない価値観を尊重できるYESを「積極的なYES」、どこか妥協しなければならないYESを「消極的なYES」と考えます。たしかに「消極的なYES」は社会を生きる上で大事な時もあるけれど、それが積み重なってしまうと自分自身がすり減ってしまい、オーセンティックに生きられなくなってしまう。自分が自分をちゃんとわかっているかどうか、自分と対話することが大切だとお話しされていました。特に私には「私がやりたいこと、進みたい道、一緒にいたい人を妥協しない」という言葉が強く印象に残っています。

ニキさんが1番伝えたいとおっしゃっていた言葉はジョーゼフ・キャンベルの「自分自身でいられることが人生最大の特権だ」です。ニキさんは幼いころ周りの子とご自身の違いを認識した時、イソップ物語という童話の「鳥と獣とコウモリ」を思い出しました。この物語から得られる教訓は「忠誠心や属性、アイデンティティを持つことが大事」ということで、ニュージーランド人と日本人のハーフであるニキさんはこれに対して「自分はニュージーランド人でも日本人でもあるのに、どちらか1つ選べと言われたような気持ち」になったそうです。私が1番心に残っているのは、「どちらの気持ちもわかるからこそ白黒つけたくない」というニキさんの気持ちです。“authentic”の意味は先述した通り「自分自身の本来の姿、自分自身に忠誠であること」。自分の価値観を尊重し、自分というペルソナ(仮面という意味。誰しも仮面をつけて生きていて、そこに合わせた役割を無意識のうちに担っているということ)を被っていて当たり前だと認めることで、“authentic”に生きていきやすくなるのだと思います。
国際関係学科2年 さくら

コメントシートより

  • 講演を通して今まで「自分らしさ」とは、自分で作り上げていき、位置付けるものとして考えていたため、ニキさんの「自分らしさ」とは相手から見た解釈に過ぎず、環境に応じて様々な自分がいて、その全てが自分であるという説明を聞いた時に、腑に落ちたと同時に新しい気づきになりました。自分が望んでいない姿の自分であるとき、自己嫌悪になったり自分を責めてしまうことがありますが、どのような姿の自分も自分自身として認めてあげることが、自己理解を進める上で必要であると思います。
  • ニキさんの講義を聞いて、自分の中にある価値観や、自分にとって「快・不快」とは何だろうと考えるきっかけになりました。普段の生活では、無意識に人の目を気にしてしまうことで、自分の本音に気づいていないことが多いと感じます。また、「仮面をかぶっている」という言葉にも、とても共感しました。その仮面が自己防衛の役割を果たす時もあるけれど、時には本当の自分を見失う原因にもなると感じました。自分が本当に守りたいもの、大事にしたい価値観は何なのか、この授業を通してこれから少しずつでも向き合っていきたいと思いました。
  • 自分らしさについて深く考えさせられる授業だった。学校にいる時、家族といる時など、その時々の状況によって自分の性格が違っていて、おかしいことなのではないかと思っていたが、今回の講演を通して、全てひっくるめて自分らしさであると言うことがわかった。また、周りと同調することも必要だが、本当の自分の気持ちをきちんと把握して嫌なことは嫌だと、無理なものは無理だと言える人になりたいと思った。なかなか難しいことだとは思うが、まずは自分の気持ちがどうであるのか自分との対話を大切にして、少しずつ自分の気持ちを尊重できるようにしていきたい。       
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