公開講座「総合」

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新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2022年度は一般の方の受け入れは行いません。
(完全に対面授業となった場合に限り、受け入れを再開する可能性があります。)

「総合」とは

「総合」という講義は1972年から開講されている、津田塾大学が誇る非常にユニークな授業の一つです。ここでいうユニークな点というのは、各年度のテーマ設定から始まり、講師を選んで講演の依頼をし、当日の講演の設営に至るまで「学生有志によるスタッフ」が教職員の協力のもと企画・運営を担っている点です。講義では毎回、様々な分野の第一線で活躍されている専門家を講師としてお招きし、講演と質疑応答をおこないます。時には受講生が参加する対談形式でおこなうこともあります。この「総合」という講義の目的の一つは、身の回り、また世界で起きている事象について、講義を通して学生自身が主体的かつ自由に考え、「私はどう考えるのか」を見つける場を提供することです。この講義の聴講者は主に一年生です。今年度も、様々な社会の現場にふれ、知的に成長したいと考えている多くの学生が、学科や学年の壁を越え、講師を中心とした議論の輪へ加わることを目標としています。

※ 「公開講座」となっていますが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の取り組みなどの影響で、地域の方への公開は現在のところ一時中止しています。「総合」はこれまで長年にわたり一般市民にも公開され、毎年多くの方が参加していました。履修生かどうかにかかわらず、津田塾大学の全ての学生、教職員にはこれまで通り公開されています。
 

「総合2022」テーマ  

自画像を描く 〜 “枠”から気づく自分の世界 〜

講演内容

毎回、魅力ある方々をお迎えし、講演する予定です。

講義内容

2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、オンライン授業をはじめとしたオンライン上でのやり取りが増えました。人との直接的な関わりが減り、人との繋がり方が変化してきました。この変化は、自分と関係性の深い人との繋がりや、新しい出会いを減らしていると感じます。例えば大学のオンライン授業では、学生同士の関係性ができていないため、互いを一個人としてではなく単なる「プロファイル画像」としてしか認識できていないかもしれません。一方、私たちは、自分がどういう人間であるかを、周りの人が自分に対して持つイメージや、組織のなかで自分がどのような立ち位置にあるかを意識して考えます。つまり、私たちは自分について理解するとき、他者を必要としているのです。しかし、コロナ禍では、他者と直接接する機会が少なくなったため、他者から見た自分が見えにくくなり、自分を理解することが難しくなったと感じます。そのような「自画像の描きにくい時代」のなかでも、社会の規範が複雑化し、社会が求める人間像が多様化した現代においては、私たちは自分の軸となる規範を自分で築き、その軸に沿ってどこへ向かうのかを自分で選択していかなければなりません。学外での経験を多く積むことが良いとされる雰囲気や就職への不安から、大学生は、留学やインターンをはじめとする経験を積むこと、視野を広げることに意識が取られる傾向にあります。視野を広げることも大学生として大事なことだと思いますが、同時に、自分自身に意識を向け、自己理解を深めることが必要不可欠なのではないでしょうか。

自己理解をする際に立ちはだかるものとして、既存の社会の規範や自分の思い込み、カテゴリーといった「枠」があると考えられます。例えば、女性は結婚したら出産・子育てをするべきだ、女性である自分が育児をした方がいいという社会規範を持つ人がいます。加えて、忙しい仕事と育児の両立は相当に難しいという思い込みがあると、自分は本当は何をしたいのか、何が得意なのか、自分が両立するにはどういう方法があるかなどに目を向ける前に、結婚か仕事かどちらか一方を選択しようと考えるかもしれません。この社会規範や思い込みは、忙しい仕事と育児を両立している女性がメディアなどで称賛されることによって生み出され強化されている「枠」と言えるでしょう。また、社会や自分が持つ枠にとらわれてしまうことは、その枠に属さない人に対する偏見を生み、差別や攻撃につながることもあります。近年、SNSの返信やコメント欄などに、誰かの言動や行動をマナー違反だと責める書き込みがされ、トラブルが起こったり炎上したりすることが散見されます。これは、社会規範や思い込みに加え、一人一人が持つ「これはしても良い、これはすべきではない」という価値観も、人間の意識の中に存在する「枠」として捉えることができるということを示しているのではないでしょうか。

前述のように枠にとらわれることは様々な問題を生みますが、枠を意識することには良い側面もあります。例えば、あなたは真面目だよねと言われ、自分は真面目なのだと思うことは、他者や社会の枠に当てはめられていることになりますが、一方でそれは、自分はどういう人間かを認識するためのツールにもなります。マジョリティである異性愛者ではなく、全性愛者、両性愛者などと名前のついた「枠」に入ることで、自分を捉え、説明しやすくなるという側面もあります。また、名前がついていなかったとしても、どのような価値観のなかに自分がいるか、社会のなかのどこに自分が位置しているのかなど、社会にある枠と自分の関わっている枠について知ること、自分が所属していない枠とどう向き合っていきたいのかを考えることも、自己理解、つまり自画像を描くことにつながるのではないかと思われます。

そのため、自己理解においては、枠を“自覚する”ということが大切だと考えます。自分や社会が持つ枠を自覚し、社会の枠と自分との関わり方を考えることは、自分を見つめ、知り、自己理解を深めることにつながるのではないでしょうか。大学生になり、使える時間やお金も増え世界が広がるなかで、興味や活動の方向が外に向いている人が多いように感じますが、落ち着いて自分自身を見つめ直すことも必要なのではないでしょうか。「総合2022」の授業では、講師の方々のお話が、受講生にとって、社会や自己の枠を自覚し自画像を描く時間となることを目的とします。

日時・場所等

  • 日時: 木曜日/3時限目(13:00~14:30) ※最後の10-30分間ほどを質疑応答の時間としています。
  • 対象: 津田塾大学学生
  • 方法: 基本的に参加者がZoomを使ったオンラインで受講する形式をとっています。

お問い合わせ

津田塾大学 教務課

住所:
〒187-8577 東京都小平市津田町2-1-1
電話番号:
042-342-5130
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