公開講座「総合」
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年度は一般の方の受け入れは中止とします。
「総合」とは
「総合」という講義は35年以上の伝統をもつ、津田塾大学が誇る非常にユニークな授業の一つです。この講義は一般市民にも公開され、公開講座として親しまれています。何がユニークかというと、各年度のテーマ設定から始まり、講師を選んで出演依頼し、当日の講演の設営に至るまで「学生有志によるスタッフ」が中心となり、教職員の協力のもと企画・運営を担っている点です。講義では毎回、さまざまな分野の第一線で活躍している専門家を講師としてお招きし、講演と質疑応答をおこないます。時には受講生が参加するワークショップ形式をとることもあります。
この「総合」という講義の目的の一つは、身の回り、また世界で起きている事象について、講義を通して学生自身が主体的かつ自由に考え、「私はどう考えるのか」を見つける場を提供することです。今年度も、さまざまな社会の現場にふれ、知的に成長したいと考えている学生が、学科や学年の壁を越え、講師を中心とした議論の輪へ加わることを目標としています。
テーマ 「総合2020」 俯瞰力
〜グローカルな視点で社会・自分を考える〜
講演内容
毎回、魅力ある方々をお迎えし、講演する予定です。
講義内容
今年のテーマである「俯瞰力」とは、物事を判断するときにその一部だけを見るのではなく、対象となる物事や案件から一歩引いて「全体像をしっかりと見る力」です。私たちは、自らの狭い世界や浅い知識に囚われてしまい、表面的な善悪や好き嫌いで物事を判断してしまうことや、他人の気持ちや考えを理解することができないことがあります。そのような悩みを解決するために、「俯瞰力」を身に付けようという思いが込められています。では、「俯瞰力」の必要性、また「俯瞰」するための知識を増やす必要性について、例を交えて考えてみましょう。
昨年度の「総合」の講演で、シリア難民について聞く機会がありました。祖国がない状態で、言葉も文化も違う異国に住む中での「自分は何者なのか」というアイデンティティとの葛藤という苦しみがある、と講師の方はおっしゃっていました。また、シリアは内戦が始まる前まではとても平和な国であったにも関わらず、内戦によって世界最大の難民排出国になったことも教えて頂きました。シリア難民が苦しむ問題は、募金や支援物資だけで解決できるものではありません。この講演を通して、受講生から「私たちが難民のために出来ることは、支援物資を送るだけではなく、現地の人々のアイデンティティについて一緒に考えていくこともあるのだと気づいた」という意見や、「シリアは難民が大量にいて、昔から危険な国なのかと思っていたが、以前は平和な国だったと聞いて驚いた」という意見が寄せられました。
私たちは、この講演と受講生の反応を受け、遠い世界の問題だと思っていることも、実は私たちのような大学生が悩む「自分とは何か」というアイデンティティの問題と繋がっていたり、また勝手なイメージや思い込みによって問題を捉えていたりすることが多いのではないかと感じました。また、支援物資を送るだけでは難民の問題は解決しないように、多角的な視点で問題を捉えなけば、解決法が生み出されないことにも気が付きました。このような発見から、私たちは「俯瞰力」を身につけることによって、浅い知識だけで物事を判断することから脱却しなければならない、またそのためにも自分が持っている知識がほんの一部だと認識した上で、物事を「俯瞰」するための知識を増やしていかなければならないと感じました。
「総合」では、様々な分野の方のお話を聞くことができます。ゆえに、物事をあらゆる角度から見るための材料を増やす絶好の機会です。あらゆる問題を多角的に捉えることができれば、物事を「俯瞰」でき、問題の解決法を見つけることができます。例えば、国際結婚などによって両親が異なる文化的背景を持つ家庭で育つ子ども達のアイデンティティ問題について議論している時、難民のアイデンティティ問題についての知識を持っていれば、難民の話に広げたり、双方のアイデンティティ問題における類似点や相違点を比較したりすることができます。また難民のアイデンティティ問題に対しても、異なる状況でのアイデンティティ問題の例を参考にして考えることができます。
もし「俯瞰力」を全員が身につければ、少しだけ聞きかじった情報が全ての情報だと勘違いしたり、自分には関係ない問題だからといって興味を持たなかったりすることがなくなり、その結果物事をむやみに批判する人や、他の意見を受け入れないという態度を持つ人が減ると思います。そのような人が減れば、私たちはもっと積極的にかつ実りある意見交換をすることができ、自分と違う考えの人のことも理解することが出来るようになるでしょう。
環境問題や自国第一主義など、地球に住む全員がどのように解決していくか考えなければならない問題がたくさんある今だからこそ、私たちは、「俯瞰力」を持ち、過去から学び、あるべき未来について考えなければならないのではないでしょうか?
「総合2020」では、様々な人・物事と関わる際に、「俯瞰」して考えられる力を持つ津田塾生を増やすことを目標とします。
昨年度の「総合」の講演で、シリア難民について聞く機会がありました。祖国がない状態で、言葉も文化も違う異国に住む中での「自分は何者なのか」というアイデンティティとの葛藤という苦しみがある、と講師の方はおっしゃっていました。また、シリアは内戦が始まる前まではとても平和な国であったにも関わらず、内戦によって世界最大の難民排出国になったことも教えて頂きました。シリア難民が苦しむ問題は、募金や支援物資だけで解決できるものではありません。この講演を通して、受講生から「私たちが難民のために出来ることは、支援物資を送るだけではなく、現地の人々のアイデンティティについて一緒に考えていくこともあるのだと気づいた」という意見や、「シリアは難民が大量にいて、昔から危険な国なのかと思っていたが、以前は平和な国だったと聞いて驚いた」という意見が寄せられました。
私たちは、この講演と受講生の反応を受け、遠い世界の問題だと思っていることも、実は私たちのような大学生が悩む「自分とは何か」というアイデンティティの問題と繋がっていたり、また勝手なイメージや思い込みによって問題を捉えていたりすることが多いのではないかと感じました。また、支援物資を送るだけでは難民の問題は解決しないように、多角的な視点で問題を捉えなけば、解決法が生み出されないことにも気が付きました。このような発見から、私たちは「俯瞰力」を身につけることによって、浅い知識だけで物事を判断することから脱却しなければならない、またそのためにも自分が持っている知識がほんの一部だと認識した上で、物事を「俯瞰」するための知識を増やしていかなければならないと感じました。
「総合」では、様々な分野の方のお話を聞くことができます。ゆえに、物事をあらゆる角度から見るための材料を増やす絶好の機会です。あらゆる問題を多角的に捉えることができれば、物事を「俯瞰」でき、問題の解決法を見つけることができます。例えば、国際結婚などによって両親が異なる文化的背景を持つ家庭で育つ子ども達のアイデンティティ問題について議論している時、難民のアイデンティティ問題についての知識を持っていれば、難民の話に広げたり、双方のアイデンティティ問題における類似点や相違点を比較したりすることができます。また難民のアイデンティティ問題に対しても、異なる状況でのアイデンティティ問題の例を参考にして考えることができます。
もし「俯瞰力」を全員が身につければ、少しだけ聞きかじった情報が全ての情報だと勘違いしたり、自分には関係ない問題だからといって興味を持たなかったりすることがなくなり、その結果物事をむやみに批判する人や、他の意見を受け入れないという態度を持つ人が減ると思います。そのような人が減れば、私たちはもっと積極的にかつ実りある意見交換をすることができ、自分と違う考えの人のことも理解することが出来るようになるでしょう。
環境問題や自国第一主義など、地球に住む全員がどのように解決していくか考えなければならない問題がたくさんある今だからこそ、私たちは、「俯瞰力」を持ち、過去から学び、あるべき未来について考えなければならないのではないでしょうか?
「総合2020」では、様々な人・物事と関わる際に、「俯瞰」して考えられる力を持つ津田塾生を増やすことを目標とします。
日時・場所・費用
- 日時 毎週木曜日 13:00~14:30
- 場所 津田塾大学 小平キャンパス 特別教室
- 資格 年齢・性別等制限はありません。
- 費用 無料
公開期間
<第1ターム>:2020年5月14日(木)~2020年6月25日(木)〔全7回〕<第3ターム>:2020年9月10日(木)~2020年11月12日(木)〔全9回〕<第4ターム>:2020年11月19日(木)~2021年1月14日(木)〔全8回〕
※10/22、12/31は休講
手続方法
毎回、本学正門守衛所にて、住所・氏名等をご記入ください。
(満席の場合には、入場をお断りすることがあります。)
来校の際は、公共の交通機関をご利用ください。
聴講上の注意
- 講義の録音・写真撮影は堅くお断りいたします。
- 個人的な物品販売・勧誘・金品の授与はご遠慮ください。
- 講師や他の受講者に迷惑をかけることがあった場合は、聴講をお断りする場合があります。
- お車でのご来校はご遠慮ください。
- 指定場所以外での喫煙は堅くお断りいたします。
- キャンパス内または登下校中の事故等については責任を負いかねます。
保育所
キャンパス内に保育所があり、聴講の方も有料で一時利用することができます。
人数に限りがありますので、ご要望に添えない場合もございます。
詳細は本学総務課(電話:042-342-5111)までお問い合わせください。
お問合わせ
- 住所:
- 〒187-8577 東京都小平市津田町2-1-1
- 電話番号:
- 042-342-5130