第15回　学生スタッフレポート

こんにちは！「総合2023」第15回、10月12日（木）の講演は、一般社団法人ソウレッジの鶴田七瀬さんにお越しいただきました。鶴田さんは性教育を積極的に行う国を30以上訪問し、帰国後に「性教育の最初の一歩」を届けることを目指し、ソウレッジを創業されました。2022年には、緊急避妊薬を無償で届け、性教育の拡大をはかる「おひさまプロジェクト」を立ち上げられました。鶴田さんは、自分自身が大学在学中に性被害を身近に感じたことをきっかけにこのような活動を始められました。現在も、性や妊娠に関わる問題の解決に向けて活動の幅を広げ続けています。

今回の講演では、性教育をより身近なものとして捉えるため、様々な観点から性について触れたすごろくに取り組みました。3人1組となり、それぞれクイズ兼解説係、雑談係、タイム係のいずれかの役割をもって進めていきました。このすごろくは、子供が生まれた時から成人するまでが1つの流れになっており、それぞれのコマの性に関する質問や問題提起から互いに意見交換をして知識や考えを深めていきました。コマには、セクシュアリティに関連する話題や正しい性知識に関する問題など、性に対する理解を深めるためのヒントが散らばっており、自らの経験を振り返りながらゲーム感覚で楽しく学ぶことができました。
全員がすごろくのコースを終えた後には、グループの中でそれぞれが印象に残ったコマと感想を共有しました。実際にすごろくをやり、成長期に起こる身体の変化や自分の性的指向、多様な性の理解といった観点から、様々な気づきや新たな知識を得ることができました。今回、私が初めて知ったものとして「SOGI」という言葉があります。LGBTが性的少数者の総称として用いられるのに対し、SOGIは異性愛者を含めた全ての人が持っている属性を指しています。多数派の人を含めたSOGIを提唱することで、特定の人々だけでなく全ての人々に関わる人権の問題として捉えられるべきであるという考え方が広まっているそうです。この言葉を知ったことで、私もその問題を自分ごととして捉える必要があるのだということに気付かされました。

普段の大学生活の中では、友人と性の話題について話すことはほとんどないため、今回のようなテーマについて話すこと自体がとても新鮮に感じられました。今回のグループワークの中で実際に話してみると、同じような事柄に問題意識を持っていることに気づいたり、互いの知見を深めあったりと、とても充実した時間となりました。すごろくという気軽な手段で性教育について触れることで、普段よりも気軽に性の悩みや疑問を話し合うことができたように感じます。

私は、この講演を通して、性に関する問題は身近にあるものだからこそ、当事者意識を持って正しい知識を得ていくことが必要だということを学びました。日本では、性の話題がタブー視されているために、悩みを打ち明けづらい環境になってしまっています。また、若年層に対ししっかりとした性教育が行われていないために、偏った知識ばかりが増え、女性が選択肢を自ら狭めているという現状もあります。このような中で、自分が性被害などにあって傷つけられた時、自分にとって最善の選択を取ることができるのか。性教育に関する問題は決して他人事でもタブーなことでもありません。女子大という性の話題についてオープンに話しやすい環境だからこそ、対話を通し理解を深めていく必要があると思います。誰もが人生を主体的に選択して安心して暮らしていける社会を実現するために、皆が当事者意識を持ってこの問題について考えていくことが大切です。