英語教育

創立以来、優れた教育プログラムで定評のある津田塾大学の英語教育。
すべての学生を対象に、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を基礎として、それらを統合して使う能力を養成します。また、プログラムは国内外の英語教育の動向やニーズの変化を見据えながら、常にブラッシュアップしています。
今回は、学芸学部・総合政策学部それぞれの教員に、英語教育の特徴を聞きました。

 

学芸学部での英語のまなび

英語での学びとは

吉田 真理子|学芸学部英語英文学科教授

小学校高学年から英語を教科として学ぶ時代です。「なぜ英語を勉強するの?」と小学生に聞かれたら、世界の人とコミュニケーションをとれるようになるため、とまず答えるかもしれません。

続きを読む

英語のスキルを総合的に伸ばす

1・2年次に「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を集中的に学び、3・4年次はそれらを応用して統合的に学びます。
教材にはグローバルな問題や専門研究につながるテーマがちりばめられ、広い視野と社会のどんな分野でも活かすことのできる確かな英語力が身につきます。

Listening & Pronunciation

視聴覚センターのCALL教室を活用し、ニュースや映画、ビデオ教材を使って、発音と聞き取りのレッスンを行います。

【目標】

  • 1年次: 身近なニュースを聞き取り、発音について習得する。
  • 2年次: 社会問題や国際事情などの内容を聞き取れる。
  • 3年次: ビデオを見て、細かなニュアンスを聞き取れる。
  • 4年次: 映像制作などをとおして、場面に即した内容を実践的に聞き取れる。

Speaking

自分の意見を英語で明確に表現することを目標に、ネイティヴスピーカーの指導でハイレベルなコミュニケーション力を身につけます。

【目標】

  • 1年次: 身近な話題を英語で自然に話せる。
  • 2年次: 社会的な事象や問題について話し、ディスカッションできる。
  • 3年次: 自分の考えを多数の相手にプレゼンテーションできる。
  • 4年次: アカデミズムの場でもビジネスの場でも通用する英語運用ができる。

Reading

文章を正確に読むためのテクニックやストラテジーを学びながら、多彩なジャンルの英文を自在に読みこなす読解力と語彙力を身につけます。

【目標】

  • 1年次: エッセーや小説などのたくさんの原書を速く正確に読みこなせる。
  • 2年次: 小説・評論などを、より深く正確に読みこなせる。
  • 3年次: 専門的な文章を読み、それを文書や意見に表現できる。
  • 4年次: 時事的・学究的な文章も読み、それに対する自分の意見をまとめられる。

Writing

基礎的なパラグラフライティングから、フォーマルレターやリサーチペーパー(研究論文)の執筆まで、さまざまな文章を書く訓練を重ねることで、セミナー論文や卒業論文を書くための表現力を身につけます。

【目標】

  • 1年次: しっかりとした構成のパラグラフが書ける。
  • 2年次: ある程度の長さのエッセーやリサーチペーパーが書ける。
  • 3年次: セミナー論文が書ける。
  • 4年次: 5,000~8,000語の卒業論文が書ける。

Grammar

文法は4技能すべてをひとつに束ねる役割を果たします。文法書の内容を生のデータに照らして検証し、英語運用のための生きた文法を学びます。

【目標】

英文の構造や仕組みを理解し、英語の運用ができる。確かな文章理解力、表現力を身につける。

学芸学部の英語教育の特徴的な取り組み

学芸学部の英語教育の特徴は、学びの環境を整える制度、読む・書く・発音するなどの練習を徹底的に積み重ねる授業、丁寧に選定された教材、授業以外で開かれるプログラムなど、さまざまな面から学生一人一人にあった英語能力の向上をサポートするところにあります。そのための特徴的な取り組みの一部を紹介します。

PACE型クラス

自分のレベルに応じたプログラムで英語力を高める

学芸学部では、1~2年次の英語の授業は、PACE(Proficiency-Adjusted Classroom Environment)型クラスで行われます。入学時と1月に英語Proficiency Testを実施して、そのスコアをもとにクラス分けを行います。
なお、英語Proficiency Testは、英語英文学科、国際関係学科、多文化・国際協力学科はTOEFL-ITP、数学科と情報科学科はTOEIC-IPにて実施します。

Extensive Reading Ⅰ

さまざまな難易度の本の多読で英語の読解力を伸ばす

500タイトル、2,000冊以上の原書から自分の関心、興味に即した本を毎週読み、本の概要や読後感を英語でレポートにまとめる多読の授業です。さらに、読んだ本の中から1冊を選び、英語によるプレゼンテーションも行うなど、読むことから、英読での要約の仕方、簡潔で説得力のある表現の仕方を学び、さらに英語でのプレゼンテーションも行うなど発展的な授業が行われます。そのためReadingのみならず、WritingやSpeakingなどの技能も総合的に養うことができます。

Pronunciation Ⅰ

英語の音のしくみを知り、聞く力を鍛え、発音を磨く

CALL(Computer Assisted Language Learning)教室の機器とアプリを利用し、自分の発音を録音、教員の指導のもと、客観的に振り返りながら、英語の発音を習得します。テキストでは英語の音に関する規則を学び、それぞれの音を正しく発音する練習を重ねます。また、CNNを用いて制作された津田塾独自の映像教材“Tsuda Video News”を視聴し、その内容に関して問いに答え、議論することで、自然な速さの英語を聴いて理解する力に加え、実際のやりとりのなかで英語の発音にも意識を向けます。

Tsuda Video News

英語のニュースを使って自然な発話速度に慣れる

音声学と音韻論の基礎知識を習得することを目指す「PronunciationⅠ」の授業で使用される英語教材です。CNNの実際の英語によるニュースをもとに教員が授業の目的に合わせて教材を作成します。読み上げスピードを変えることで自然な速度の発話に慣れ、英語を聞き取る能力の向上に取り組んでいます。

発音クリニック

短時間で集中的に英語の発音をブラッシュアップ

ネイティヴスピーカーから、直接発音指導を受けることができる「発音クリニック」を開講しています。募集人数は各回8人です。個々の発音や、強弱とイントネーションを集中的に練習できるため、学年・学科を問わず受講できる人気の講座です。

総合政策学部での英語のまなび

社会の課題をトピックに、横断的に学ぶ

Gavan P. Gray|総合政策学部総合政策学科教授

日本の社会を改善したいと考えたとき、他国で起きた問題に解決の糸口が見つかるかもしれません。また、他国で問題が起こった場合、直接・間接的に日本にも影響を及ぼすことがあります。それらの情報や知識を得るためには実践的な英語力が必要です。

続きを読む

4技能を土台とした実践的な英語教育

グローバル化が進む現代社会において課題解決に取り組むためには、実践的な英語力に裏打ちされた高度なコミュニケーション力が不可欠。
「聞く・話す・読む・書く」の4技能をしっかりと鍛えた上で、課題解決に関わる内容を取り入れた英語必修科目を、週4コマ・3年次まで配置。能力別の少人数制クラスで、専門性を高めながら実践的に英語のコミュニケーション力や表現力を磨きます。

英語を駆使して 課題解決につなげる

多様な背景を持つ人々とコミュニケーションをとって合意形成を図ることを目標とし、英語でネゴシエーション(交渉)やプレゼンテーション(提案)、ファシリテーション(調整)をする力を養います。Nonviolent Communicationと呼ばれる手法も取り入れ、「言葉を使って課題解決につなげる力」を実践的に修得します。

Content-based
内容重視の英語教育

課題解決に関する具体的な題材を英語で扱うことで、英語学習と課題解決の学びを統合した、日本では新しい内容重視の英語教育を行います。
英語を学びながら、各分野の知識と理解を深めていきます。

Consensus Building
他者との合意形成

異なる母語を話す人たちとの共通言語「リンガ・フランカ」としての実践的な英語を重視。
多様な価値観をもつ他者との間での合意形成を目標に、ネゴシエーション力やプレゼンテーション力、ファシリテーション力などを磨きます。

Leadership
リーダーシップの養成

英語を駆使してリーダーシップを発揮できる能力を
高めることを意識して授業を展開。
「Leadership Communication for Problem Solving ⅢA」の授業では、ケーススタディを重ねながらリーダーシップのコミュニケーションを養成します。


Copyright©2019 Tsuda University.
All rights reserved.