数学科 授業紹介

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3年セミナー(曲面積の一般化)

少人数セミナーによる
きめ細やかな学習

数学科教授 三上 敏夫

数学科には1年次から各学年ごとに必修のセミナーがあります。セミナーは、学生が自分で教科書を勉強し、それを教員や他の学生に説明する輪講形式の授業です。発表の準備は大変ですが、それが学生の力になります。また、セミナーは少人数で行われるため、担当教員が学生のことを把握しやすく、学生にさまざまなアドバイスもしています。

1年次のセミナーでは、入門的な本を使って数学の発表の仕方などを中心に学びます。2年次以上のセミナーでは、学生自身が勉強する内容を選び、英語で書かれた数学の本を使って本格的な輪講を開始します。3年次のセミナーでは、講義では扱わないような数学の内容を学び、4年次のセミナーでは、それまでのセミナーの2倍の時間を使って、4年間の集大成となるべく、さらにじっくりと数学を学びます。そして、年度末には、卒業論文を提出し、卒業論文発表会でその内容について同級生や教員の前で発表します。

私が担当する3年セミナーでは、自分の専門分野である確率論かその関連分野を扱います。確率論はランダムな現象を数学的に解析することを目的にした分野で、社会のさまざまなところに応用されています。確率論は測度論という解析学の一分野の言葉を使って記述されます。
測度というのは面積や体積を一般化した概念で、1902年にフランス人数学者H.L. Lebesgueの博士論文で導入されました。また、1933年に旧ソ連の数学者A.N. Kolmogorovはそれを使って確率論を数学的に定式化しました。確率論が数学的に定式化されてまだ100年も経っていませんが、私はそこに確率論という分野の大きな可能性を感じています。
 

今年度の3年セミナーでは、幾何学的測度論の入門的な事柄を、英語で書かれた本を使って学んでいます。第1タームには、津田梅子が留学したアメリカのBryn Mawr大学からの留学生も履修しました。幾何学的測度論は、曲面の面積を研究するための理論で、アメリカ人数学者H. FedererとW. H. Fleming(私の大学院時代の恩師)による1962年の論文が原点です。難しい理論ですが、学生たちはそれにくじけず立ち向かっています。「なぜこのような定義をする必要があるのか?」、「なぜこのような証明に至ったのか?」など、発想の根本を探っています。このような訓練を受けた人は、社会に出ても、表面的なことに惑わされることなく、物事の本質を見抜くことができるでしょう。
 

 
 

学びのアイテムは?
教科書『Measure Theory and Fine Properties of Functions』

面積や体積の概念を一般化した理論である測度論を用いて、曲面積だけでなく複雑な形をした図形の表面積を研究することを目的にしてできた幾何学的測度論の入門書。

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