数学科 卒業研究・卒業論文

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卒業論文テーマの例(2017年度卒業者)

  • ABC定理とその応用
  • AKS法による素数判定
  • a2+nb2の形の素数について
  • Fp上の方程式の解の個数
  • 素数定理の証明
  • 正則関数
  • 球面回転を立体射影によって一次分数変換で表す証明
  • 複素積分による実関数の広義積分の計算
  • 複素関数としての対数関数
  • 有理曲線と無理関数の不定積分
  • 正則関数の等角性及びグラフから見た等角性
  • 図形の重心
  • 最速降下線について
  • 曲線、曲面、そして曲率
  • 1次分数変換
  • 双曲幾何の上半平面モデルと円盤モデル
  • 平面上の曲線における曲率と曲面の曲率
  • 多様な図形に対する重心の定義と性質についての考察
  • 最速降下線が存在する条件とグリーン関数の性質
  • 表面張力の数学的考察
  • フーリエ級数の収束と熱方程式の解の漸近挙動
  • 変分問題とサイクロイド曲線の基本的性質
  • 平方剰余の相互法則の初等的な証明
  • 平方剰余の相互法則とフェルマーの定理への応用
  • 2次体における素因数分解と3次4次のときのフェルマーの最終定理
  • Rough Path Integral入門
  • ブラウン運動の基本的性質

卒業研究

ブラウン運動とラフパス理論

じっくりとひとつひとつの式を解いていく

3年次のセミナーを選ぶ際にはただ漠然と「将来役に立ちそうだから」という理由で確率論に決めたのですが、確率論は予想以上に難しく、4年次では違う分野の研究をしようと考えることもありました。しかし、3年生の後半から就職活動がスタートし、さまざまな業界、とりわけ金融業界に目を向けると確率論が多くの場面で広く用いられており、その中でも不可欠なものとして第1回Gauss賞受賞者の伊藤清博士の「ブラウン運動とその確率解析の理論」を知りました。
私は卒業研究のテーマとして「ラフパス理論によるブラウン運動の確率解析」を選びました。確率論ではブラウン運動を表すランダムな関数をブラウン運動といいます。確率解析学は、「ブラウン運動による確率積分」というランダムで特殊な積分と「伊藤の公式」とよばれるランダムな積分公式が基礎となっています。伊藤の公式から、ある種のランダムな関数のブラウン運動による確率積分は高校で学ぶ積分で説明できます。fields賞受賞者のMartin Hairer博士のラフパス理論は、高校で学ぶ積分の概念を一般化することで、確率積分だけでなく、今まで数学的に定義することすらできなかった様々な積分の研究を可能にしました。
数学の証明は一つひとつ丁寧に検証する作業の連続です。論文を読みながら、なぜこの式が成り立つのかと1行のために1週間考え込むこともあります。定義を調べるためにひたすら式を遡ったり、他の論文を検索したり、それでも分からないときはセミナーのメンバーや先生に聞いたりします。じっくりとひとつずつ調べていくことで、それまでわからなかったことがすべてつながるときがあります。私はその瞬間が大好きです。
卒業後は金融関係の会社で働きます。卒業研究のブラウン運動も使いますし、その他たくさんの確率論の知識を必要とします。一生自ら学び続けて、その知識で社会貢献をしていきたいです。

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