数学科 卒業研究・卒業論文

  1. HOME
  2. 学部・大学院
  3. 数学科 卒業研究・卒業論文

卒業論文テーマの例(2025年度)

  • モジュラー曲線の「かたち」
  • 保型関数を用いたモジュラー曲線の方程式の導出
  • 冪等行列、射影子
  • 乗法公式による行列式の特徴づけ
  • Galton–Watson 過程
  • マルコフ連鎖のエルゴード性とその具体例
  • 結び目理論の基礎と特徴
  • 複素平面とリーマン球面の対応
  • 複素数演算の視覚化ー定規とコンパスによる作図を通してー
  • オイラーの公式を用いたピックの定理の証明
  • 美術館の守り方
  • Wiener’s attack
  • マイナス連分数
  • 弛緩振動と境界値問題
  • ホップ分岐と分岐の分類

卒業研究インタビュー(1)

超幾何関数(2018年度)

いろいろなことを学び直しながら、より深い内容へと進んでいく

高校時代は化学と数学が得意だったので、理数系の進学先を探していました。学ぶ分野と学びの環境のバランスを考えながら検討し、少人数の女子大学でじっくりと学べる津田塾大学の数学科を選びました。大学に対しては、落ち着いていておとなしいというイメージをもっていましたが、入学してみると数学科の同級生たちは気さくでフレンドリーな人が多く、いい意味で驚きでした。

数学科では年次が上がるにつれて学びのテーマが絞られ、より深い内容を学ぶようになります。私は3年次で解析学を選択、セミナーでは微分積分や定理の証明などを中心に学びました。履修した授業では複素関数を扱っていたので、4年次はそれらの延長線上にある超幾何関数を選択することにしました。

卒業研究のために、セミナーの授業ではメンバーと一緒に取り組みました。教科書から各々が割り当てられた範囲の課題を発表し、それについてみんなで議論して理解していくという形です。発表者は自分の担当部分を十分に理解しておく必要があるため、事前にみんなで相談をして、先生に質問するなど準備をします。超幾何関数は、「べき級数」「複素積分」「微分方程式」という3つの要素を持ち合わせていて、これらをきちんと理解していないと研究が進められません。そのため、微分方程式の教科書や複素解析の本を改めて読み直し、復習をしながら理解を深めていきました。ほかにも4年次に初めて扱った多価関数の概念を理解するのは大変でした。これはイメージとしては螺旋階段のようなもので、上から見たら同じなのですが、横から見たら違う、というようなニュアンスのものです。
卒業後はシステムエンジニアとして働きます。数学科での学びをとおして、ロジックを一つひとつ積み上げ、段階的に考えを整理することを習慣づけられました。就職してからも、この習慣を仕事に活かしていければと思っています。
 

卒業研究インタビュー(2)

ブラウン運動とラフパス理論(2017年度)

じっくりとひとつひとつの式を解いていく

3年次のセミナーを選ぶ際にはただ漠然と「将来役に立ちそうだから」という理由で確率論に決めたのですが、確率論は予想以上に難しく、4年次では違う分野の研究をしようと考えることもありました。しかし、3年生の後半から就職活動がスタートし、さまざまな業界、とりわけ金融業界に目を向けると確率論が多くの場面で広く用いられており、その中でも不可欠なものとして第1回Gauss賞受賞者の伊藤清博士の「ブラウン運動とその確率解析の理論」を知りました。
私は卒業研究のテーマとして「ラフパス理論によるブラウン運動の確率解析」を選びました。確率論ではブラウン運動を表すランダムな関数をブラウン運動といいます。確率解析学は、「ブラウン運動による確率積分」というランダムで特殊な積分と「伊藤の公式」とよばれるランダムな積分公式が基礎となっています。伊藤の公式から、ある種のランダムな関数のブラウン運動による確率積分は高校で学ぶ積分で説明できます。fields賞受賞者のMartin Hairer博士のラフパス理論は、高校で学ぶ積分の概念を一般化することで、確率積分だけでなく、今まで数学的に定義することすらできなかった様々な積分の研究を可能にしました。
数学の証明は一つひとつ丁寧に検証する作業の連続です。論文を読みながら、なぜこの式が成り立つのかと1行のために1週間考え込むこともあります。定義を調べるためにひたすら式を遡ったり、他の論文を検索したり、それでも分からないときはセミナーのメンバーや先生に聞いたりします。じっくりとひとつずつ調べていくことで、それまでわからなかったことがすべてつながるときがあります。私はその瞬間が大好きです。
卒業後は金融関係の会社で働きます。卒業研究のブラウン運動も使いますし、その他たくさんの確率論の知識を必要とします。一生自ら学び続けて、その知識で社会貢献をしていきたいです。

Copyright©2019 Tsuda University.
All rights reserved.