第13回 学生スタッフレポート
気づきのラジオ
ふくだももこ 氏 (映画監督・小説家)


10月2日(木)に行われた「総合2025」第13回講演では、映画監督・小説家として活躍されているふくだももこさんをお迎えし、「気づきのラジオ」というテーマで、学生スタッフとの対談形式による講演が行われました。講演は、二人の息の合ったラジオコールからスタートしました。冒頭では、ふくださんが監督を務めた映画『おいしい家族』と『ずっと独身でいるつもり?』の予告編を視聴し、作品に込められた想いやその背景についてお話を伺いました。
ふくださんは、養子として育った自身の経験から、血のつながりに縛られず、ありのままの姿で生きる家族の在り方を描いたと語られました。また、後者の作品では、結婚や生き方に悩む女性を通して、独身でいることに対する社会的な生きづらさをテーマにしたことから、多くの女性から共感の声が寄せられたそうです。
講演の後半では、学生や聴講者から日常の「ぼやき」をお便りとして募集しました。「社会の中で自分をすり減らさずに生きていくには?」「相手を尊重しながら、自分のことも大切にするにはどうすればよいか」といったモヤモヤが寄せられ、それぞれに対してふくださんが丁寧に応答されていました。
特に、悩みを他者に打ち明ける難しさについて、スタッフから「悩みとしてではなく、一つのテーマとして話してみる」という提案がありました。そのやり取りの中でふくださんは、「会話の中で生まれる“気づき”を大切にすることで、やさしい語り口で問題提起ができるのではないか」ととても興味深い発見をされていました。
今回の講演では、学生の思いに対して講師が直接言葉を交わすことができ、温かな“言葉のキャッチボール”が生まれた時間となりました。ふくださんが自身の内にあるモヤモヤを作品という形で昇華しているように、私たちもそれぞれの方法で心の内を表現し、前に進む手がかりを見つけていくことが大切であると学びました。
国際関係学科3年 ヒイラギ
コメントシートより
- 「人とは違う自分の感覚や経験が人生では武器になる」という、新しい視点を得ることができた。もっと自分の気持ちや個性に耳を傾けて、自分らしさを大切にできる人間に成長していきたいと強く感じた。
- 講演を聞いて、改めて「普通とは何か」を考えさせられました。ふくだ監督の姿勢から、社会が押し付ける「普通」に縛られず、自分らしい生き方を大切にする強さを感じました。
- 今回のラジオ形式の講義では、みんなの回答をもとに進められていたので、共感する内容の回答が多く、「自分だけじゃないんだ。」という気持ちになり、とても楽しかったです。普段自分が思っていることや、感じていること、不思議に思っていることに対して、はっきりとした意見を聞くことができて、新たな考え方を得ることができました。