第6回 学生スタッフレポート

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あなたのそばの “?” に全力を。

栗原 一貴 氏(津田塾大学学芸学部情報科学科教授、クーリード株式会社CTO)

こんにちは!
「総合2025」第6回、5月22日(木)の講演は、津田塾大学学芸学部情報科学科教授、クーリード株式会社CTOを務められている、栗原一貴先生にお越しいただき、「あなたのそばの “?” に全力を。」というテーマでお話しいただきました。

今回の講演の中で、最も印象に残ったキーワードは「あなたはどうやって “?” を料理しますか?」です。“?”という記号や問いを料理するという発想に驚きました。この言葉は、社会問題よりも、違和感や苦手意識といった身近な問題を扱う方が、試行錯誤しやすく自分の成果も実感できるというお話の中で出てきました。小さな問題を解けない人は、大きな問題も解くことが出来ません。社会は人に違和感や苦手意識の改善を課す風潮がありますが、そんな社会を構成する原理もまた不安定で脆弱なものなのです。そこでは、「当たり前」や「普遍のもの」と感じられる対象は移り変わることがあります。人がそのように感じて従ってきたことが、実はそうではなかったということがわかったとき、その人は社会の過剰な束縛から解放され、人生を豊かにできるチャンスを手にするのです。この「実はそうではなかった」を発見することこそ “?”を見つけることで、それを料理することが、「人生を豊かにする」ことに繋がるのかもしれません。

特に印象に残ったのは、日常の違和感や苦手意識に寄り添う形で技術を作るという発想です。栗原先生の専門分野であるコンピュータ科学(Human-Computer Interaction)は、人がうまくいかない時に、その原因は環境にあるという考え方です。人と人とのコミュニケーションがうまくいかない時も、その原因は人ではなくコミュニケーションの手段であると考えます。つまり、コンピュータ科学は「人間を肯定する学問」であり、人が使う道具や手段や仕組みがどうあれば、人がよりよく生きられるかという考え方をする学問です。その研究の成果として、例えば「聴覚遅延フィードバック」という現象を応用して、あえて人々に喋りにくくさせる SpeechJammer というシステムや、話し相手の顔にモザイクがかかるコミュ障支援メガネなどが挙げられます。このように、「問題解決」の形が必ずしもまっすぐではなく、時に「変なもの」や「物議」を通して、社会の違和感を浮き彫りにするということが面白いと感じました。

国際関係学科2年 晴れ女

コメントシートより

  • 「こんな事を考えるのは自分だけかもしれない」と思っていても、他にも自分と同じ考えの人がいるかもしれない、それを発信することで救われる人がいるかもしれない、という栗原先生の言葉が凄く印象的で、そういった考え方がイグノーベル賞を受賞した事にも繋がってくるのだろう思いました。世間一般で言うような「社会問題」ではなく、「自分が感じた社会問題」と向き合うという事を学べました。広い世界に目を向けることも大事ですが、自分の足元に目を落とす事も心がけようと思えました。
  • 「人々が感情的になるような奇想天外な応用技術が生まれれば、より奇想天外な未来が語れる」という考えはおもしろく、技術が感情に影響を与えることで、未来の可能性がさらに広がる気がしました。また、社会問題に疑問を持つのは、決して悪いことではなく、むしろその敏感さが新しい視点を持つことや行動のきっかけになると思いました。自分の感じた違和感を大切にしたいです。誰かの当たり前に捉われず、自分なりの問いを持ち続けたいと思いました。
  • 今日の講演を通して、万人受けを気にしないことにもいいところがたくさんあるなと思いました。物事を多角的に見つめてみることで、人それぞれの感じ方が違ったとしても、それは等しく愛せるものになるのではないかと思いました。「響く人には響く」という言葉を聞いて、誰にも認められないと思っていてもどこかに共感してくれる人がいるかもしれない、意味のあることになるかもしれないという考えを持って生活していきたいなと思えるようになりました。身近なことに敏感になって、例えそれが物議を醸すことだったとしても、自分だけでも愛せる熱いものを探していきたいです。
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