第14回 学生スタッフレポート

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SDGsで広げる学びの視点と時間軸

北郷 美由紀 氏(朝日新聞編集委員)

こんにちは!
「総合2024」第14回、10月3日(木)の講演は、朝日新聞の編集委員として活躍されている、北郷美由紀さんにお越しいただき、「SDGsで広げる学びの視点と時間軸」というテーマでお話いただきました。

講演は、北郷さんの「学びの起点」として、高校時代や津田塾大学に入学してから出会った「ショック」についての話題で始まりました。その中でも、特に印象的だったエピソードを二つご紹介します。

一つ目は、北郷さんの高校時代の進路相談でのお話です。北郷さんが新聞記者になりたいという相談をしたところ、「新聞記者は男性の仕事で、特班員の仕事は、男性が社会競争の中で争ってやっとなれるものだから、女性であるあなたは諦めた方が良い。」という「アドバイス」を受けたそうです。その当時の時代背景もあり、周りの大人からも否定的な意見を受けていたそうです。現在ではなかなかあり得ないような話ですが、実際にそのような事実があったということを改めて認識し、私自身もショックを受けました。

二つ目は、津田塾大学での経験についてです。1年生の前期の終わりに、英文学科と国際関係学科での合同のリスニングテストの際に、その成績が最下位付近だったという経験から「実は自分は英語ができていなかった。」「英語を頑張りたいと思って津田に入学したのに。」という個人的なショックを受けたことで、英語の学習を頑張ろうと思うきっかけになったとおっしゃっていました。そんな中、1年生の夏休み後に、北郷さんのご友人が短期留学から帰国された際に、同等の英語の実力を持っていた友人が、大きく成長している姿を目の当たりにしたことのショックがとても大きかったそうです。英語が上手いのかどうか、英語の授業にどれだけ積極的に関わることができるのかは、元が違うわけではなく、努力次第であることに気付き、自分も頑張らなきゃと思い、2年生ではご自身も夏季休暇を利用した短期語学留学を実行されたそうです。このことは、私たち津田塾生にとってはとても身近なロールモデルのように感じます。友人の行動力や学ぶことの姿勢に触発されて、自身の努力しようと決意して行動に移す人は多いのではないでしょうか。北郷さんにもそのようなご経験があるとわかり、とても身近に感じるとともに、自分の将来の可能性について期待を持つことができた学生も多かったのではないでしょうか。

また、北郷さんが現在朝日新聞にて特集を組まれているSDGsについてのお話も聞くことができました。SDGsでは17の目標が提起されています。1つの目標を達成するための活動は、他の課題解決にも繋がっており、それぞれの課題が有機的に繋がっているそうです。このことは、大学や日常生活での学びが持つ連続性という点に似ていると感じました。

SDGsについてのお話で特に印象深かったのは、「なぜ私たちにはSDGsが必要なのか」という話題でした。そのことを考えるにあたって、北郷さんはSDGsの果たすことのできる役割を3つ挙げていらっしゃいました。1つ目は、世の中を公正にする要素になり得ることから、支援を必要な人にひとつひとつ届けるための指針としてのSDGs。2つ目は、世界で起きていることに対して、自分の心が何に反応して、何に反応しないのかを知る方法としてのSDGs。3つ目は、動くのであれば、その問題を解決したり取り組みをするときのツールとしてのSDGsの側面です。この三つの側面からSDGsを見ると、私たち学生にとっても、遠いものではなく、とても身近で自分の生活を豊かにするための有効な方法であることが実感できるのではないでしょうか。今回の講演が、受講生の皆さんにとって、新たな発見の機会になっていれば嬉しいです。

国際関係学科2年 リンイン

コメントシートより

  • 私は北郷さんの講義を聞いて、いろいろなことを考えました。自分がやりたいことなのに、性別を理由に周りから「やめた方がいい」という声がありました。人それぞれ受けた教育が異なるため、さまざまな価値観が存在し、それを否定するつもりは全くありません。しかし、誰に何を言われても、やるかどうかは自分で決めるものであり、自分にとってメリットがあるものを受け入れることを学びました。他人の意見に左右されず、自分の道を選ぶことが大切だと思います。
  • 私はSDGsについては知っているつもりでしたが、まだ分かっていないことが沢山ありました。今は学生のうちなので、最終的な答えが待っていますが、社会に出て普遍的な問題を考える時、最終的な答えは時が進む中でしか分からず、何を正解にしていくかは自分たち次第なんだと思いました。また、私もまだやりたいことが見つかっていませんが漠然とこうなりたいという姿はあります。なので、それがもっと具体的になるように答えのない課題について考えていきたいです。
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