第11回 学生スタッフレポート

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「未知の世界」の魅力

青木 亮輔 氏(株式会社東京チェンソーズ代表、檜原村議会議員)

皆さんこんにちは!「総合2024」第11回、9月12日(木)の講演は、株式会社東京チェンソーズ代表で檜原村議会議員の青木亮輔さんにお越しいただき、「『未知の世界』の魅力」というテーマでお話しいただきました。

青木さんは東京都檜原村で、20代の頃から林業に勤しみ、森林組合で働いた後、仲間と共に東京チェンソーズを創業されました。それは、林業を「もっと若者が働きやすい環境に」という強い思いからでした。当時は日給月給で雇用も安定しておらず、仕事仲間はベテランの年長者がほとんどだったそうです。それが現在、東京チェンソーズでは若手の社員はもちろん、女性も様々な場面で活躍されています。また、木を売るだけでは利益が出にくいという課題から、木の枝や根まで丸ごと使って個性的な家具にするといった、他には類を見ない新たなビジネスを展開。昨年の夏には、檜原村議会選挙にも出馬し、議員として地域全体の目線からも林業の発展に貢献されています。

このように、「林業」という産業に対して、色々な方向からアプローチしてこられた青木さんは、どのようにその活力を得てきたのでしょうか。今回の講演のなかで特に印象的だったお話を、2つ紹介させていただきます。

1つ目は、昔の経験が思わぬところで活きてくるということです。青木さんが、林業の課題に対し果敢に挑戦し、新たな道を切り開いていく原点となったのは、大学時代の探検部での経験でした。モンゴルの源流を開拓し、激流をボートで降るなど、勇ましい経験をしていました。その時は、ただ探検が楽しく夢中になっており、将来のことは何も考えていなかったそうですが、結果的にはそこで得たチャレンジ精神が今の仕事に活かされたといいます。だからこそ、私自身も未来のためにやらなければいけないことに追われるよりも、今やりたいことや楽しいことに時間を費やした方が、自分の満足できる人生につながるのではないかと気づかされました。

2つ目は、仕事への向き合い方です。青木さんは、大学を卒業し一度は教材を販売する会社に就職しますが、なかなかやりがいを見出せず、一年で退職します。そしてその時に初めて「自分が一生をかけてしたい仕事は何か」を真剣に考えたといいます。私たちも、大学の課題や課外活動に追われていると、本当に自分が情熱を注げる仕事は何かをじっくりと考える時間はないかもしれません。ですが、少し立ち止まって人生や仕事について思いを巡らせて見るのも大切ですね。

最後に、学びとは「一歩踏み出す勇気、そして一歩一歩 歩むこと」だとお話しされていました。山を一歩づつ登っていくように、大きな挑戦をする時にも、今できることに集中し少しずつ歩みを進めることが必要です。そして、その「一歩」のなかにもあらゆる学びや気づきが隠されているのではないでしょうか。
国際関係学科2年 ヒイラギ

コメントシートより

  • 今回の講義を通して、今あるものの課題に向き合い、一歩踏み出すことであらゆる価値を高めることができる、ということを知ることができた。林業、特に東京の林業は人の目につきにくい仕事であるからこそ、積極的に発信することや木を余すことなく活用し価値を最大化することで東京の街の人々と関わりを構築したり他の地域の林業にも刺激を与えるという東京チェンソーズの取り組みが印象的で、価値を高めるということはそれだけ関わる人の数を増やし、持続可能性も高め、学びという観点においても、その分得られる学びも増える、非常に効果的で良い循環であると感じられた。
  • 「自分の存在意義を考える」「自分が学ぶことで周りを幸せにできるかもしれない」という青木さんの言葉は、将来どのような職種に就きたいか、何がしたいのかという未来のビジョンが未だ不透明な自分にとって、大学在学中にできることや挑戦できること、学べることなどから自己理解を深め勇気を出して一歩一歩やっていこうという気付きと学びを与えてくれた。
  • 「人間も木も一緒で、同じものなんてないから良いところを引き立ててあげる」という言葉が、林業に携わってきたからこそ出てくる青木さんの人生哲学的なものを感じた。
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