第10回 学生スタッフレポート
新聞記者として生きるということ
望月 衣塑子 氏(東京新聞記者)


こんにちは!
「総合2024」第10回、9月5日(木)の講演は、東京新聞の社会部遊軍記者として活躍されている望月衣塑子さんにお越しいただき、「新聞記者として生きるということ」というテーマでお話をお伺いしました。
望月さんは新聞記者としてご活躍されている一方で、様々なSNSを通じて政治問題や社会問題についての発信を続けていらっしゃいます。講演ではすごいスピードでお話が展開されていく姿が印象的でした。伝えたい気持ちがとても強くて、伝えたいことが多いゆえに、とてもパワフルな講演になりました。ちょっとした裏話にはなるのですが、実は望月さんから事前にいただいていたスライドの資料はなんと123枚もあったんです!講演の中で実際にお使いいただいたスライドは24枚で約5分の1に過ぎませんでした!望月さんの「伝えたい」という気持ちがおわかりいただけるのではないでしょうか。
講演では、これまでの経歴と、現在の取材分野に至ったきっかけについてご紹介いただきました。続いて、望月さんが実際の取材でのひとこまをお話いただき、その取材に取り組む姿勢を直に感じることができたと思います。ご講演の内容はとても充実したもので、印象的なお話も多くありました。約60分間の講演を踏まえた質疑応答の時間もとても豊かなものであったため、今回はそちらにフォーカスをしてレポートしてみたいと思います。
1つ目の質問は、「望月さんは記者として、自分とは全く違う考えを持つ方や知らない分野を専門にしている方にお話を聞く機会が多いと思いますが、そういう時に得られる学びや新たに知ることができるものとして、具体的にどういうものがありましたか?」というものでした。その質問に対して望月さんは、「例え考えが違う人でも、強い苦手意識を持つ必要はなく、お話を聞くことはできるということを再確認できるのが楽しい」とおっしゃっていました。加えて、ただ話を聞くだけではなく質問をすることで、内面に一歩踏み込み、相手の意外な一面やちょっとした魅力を知ることができるのが、ご自身のお仕事の魅力の1つだと教えてくださいました。
また、「私は誰かと意見交換をしていても言いくるめられてしまうことが多いのですが、どうしたら言いくるめられずに議論ができますか?自分の考えをもっと主張できるようになるにはどうしたら良いですか?」という質問もありました。望月さんは、「言いくるめられないことが全てではないと思う。今の風潮として、『論破』が流行っているからこそ、相手に自分の主張を通すことが『すごい』『賢い』と評価されがちだが、それが全てではない。言いくるめられるということは、視点を変えれば、相手の考えを純粋に吸収できている証拠になる。それは話を聞く時にはとても大事な姿勢だし素敵なことなのではないか。」というお返事をくださいました。私は、質問に対する望月さんのこの答えを少し意外に感じました。様々な記者会見やSNS上で精力的に発信し続けていらっしゃる望月さんに対して「強い方」という印象を強く持っていたため、質問者に寄り添ったとても優しい回答に少し驚きつつ、望月さんの人間性を見ることができたのかなと思っています。その上で、「自分が伝えたいことがあるなら、後から別の手法を使って伝えることもできる。そういう手法を探してみるのはどうか。」というアドバイスもくださいました。
最後に、望月さんは受講生に向けて「自分の外の世界に興味を持って、それを人と共有してほしい。そうすることで、『それを知った』という事実にとどまらず、ディスカッションが生まれて、自分が知ったことがもっと膨らんでいく。」というお言葉をくださいました。これは、これから私たちが学び続ける中でとても重要なことではないでしょうか。そのためには、まず知ること、そして会話することが必要です。その一歩が、今回の講演の1つのキーワードである「質問」だと思うのです。質問を通して得られるのは情報だけではなく、相手の内面を知ることとも思えます。この講演を受講または聴講した皆さんの日常の中にある会話や学びを、今までよりもほんのちょっと面白く、一歩踏み込んだものにするお手伝いができていたら嬉しいです。
「総合2024」第10回、9月5日(木)の講演は、東京新聞の社会部遊軍記者として活躍されている望月衣塑子さんにお越しいただき、「新聞記者として生きるということ」というテーマでお話をお伺いしました。
望月さんは新聞記者としてご活躍されている一方で、様々なSNSを通じて政治問題や社会問題についての発信を続けていらっしゃいます。講演ではすごいスピードでお話が展開されていく姿が印象的でした。伝えたい気持ちがとても強くて、伝えたいことが多いゆえに、とてもパワフルな講演になりました。ちょっとした裏話にはなるのですが、実は望月さんから事前にいただいていたスライドの資料はなんと123枚もあったんです!講演の中で実際にお使いいただいたスライドは24枚で約5分の1に過ぎませんでした!望月さんの「伝えたい」という気持ちがおわかりいただけるのではないでしょうか。
講演では、これまでの経歴と、現在の取材分野に至ったきっかけについてご紹介いただきました。続いて、望月さんが実際の取材でのひとこまをお話いただき、その取材に取り組む姿勢を直に感じることができたと思います。ご講演の内容はとても充実したもので、印象的なお話も多くありました。約60分間の講演を踏まえた質疑応答の時間もとても豊かなものであったため、今回はそちらにフォーカスをしてレポートしてみたいと思います。
1つ目の質問は、「望月さんは記者として、自分とは全く違う考えを持つ方や知らない分野を専門にしている方にお話を聞く機会が多いと思いますが、そういう時に得られる学びや新たに知ることができるものとして、具体的にどういうものがありましたか?」というものでした。その質問に対して望月さんは、「例え考えが違う人でも、強い苦手意識を持つ必要はなく、お話を聞くことはできるということを再確認できるのが楽しい」とおっしゃっていました。加えて、ただ話を聞くだけではなく質問をすることで、内面に一歩踏み込み、相手の意外な一面やちょっとした魅力を知ることができるのが、ご自身のお仕事の魅力の1つだと教えてくださいました。
また、「私は誰かと意見交換をしていても言いくるめられてしまうことが多いのですが、どうしたら言いくるめられずに議論ができますか?自分の考えをもっと主張できるようになるにはどうしたら良いですか?」という質問もありました。望月さんは、「言いくるめられないことが全てではないと思う。今の風潮として、『論破』が流行っているからこそ、相手に自分の主張を通すことが『すごい』『賢い』と評価されがちだが、それが全てではない。言いくるめられるということは、視点を変えれば、相手の考えを純粋に吸収できている証拠になる。それは話を聞く時にはとても大事な姿勢だし素敵なことなのではないか。」というお返事をくださいました。私は、質問に対する望月さんのこの答えを少し意外に感じました。様々な記者会見やSNS上で精力的に発信し続けていらっしゃる望月さんに対して「強い方」という印象を強く持っていたため、質問者に寄り添ったとても優しい回答に少し驚きつつ、望月さんの人間性を見ることができたのかなと思っています。その上で、「自分が伝えたいことがあるなら、後から別の手法を使って伝えることもできる。そういう手法を探してみるのはどうか。」というアドバイスもくださいました。
最後に、望月さんは受講生に向けて「自分の外の世界に興味を持って、それを人と共有してほしい。そうすることで、『それを知った』という事実にとどまらず、ディスカッションが生まれて、自分が知ったことがもっと膨らんでいく。」というお言葉をくださいました。これは、これから私たちが学び続ける中でとても重要なことではないでしょうか。そのためには、まず知ること、そして会話することが必要です。その一歩が、今回の講演の1つのキーワードである「質問」だと思うのです。質問を通して得られるのは情報だけではなく、相手の内面を知ることとも思えます。この講演を受講または聴講した皆さんの日常の中にある会話や学びを、今までよりもほんのちょっと面白く、一歩踏み込んだものにするお手伝いができていたら嬉しいです。
国際関係学科2年 リンイン
コメントシートより
- 私は何度か望月さんをテレビの記者会見でお見掛けしたことがあります。テレビで見た姿と変わらず、とても情熱的で政治の知識が豊富なのが分かりました。私も何度かXで望月さんに対する良くない方の記事を見たことがあります。講義のなかでも脅迫されたことがあるといっていて記者の立場の難しさを知ることができました。メディアのあり方を現役の記者の方から説明してもらうのはとてもいい機会だった。また有名人の裏話という感覚でとても面白い講義でした。
- 私は今回の講演で初めて記者の方のお話を聞きました。私が思っている以上に普段から情熱を持って取材や記者会見に出席していると知り驚いたとともに私との政治への関心度の差を大きく感じました。周りの目や他人からの意見を気にせずに取り組んでいる姿は本当にすごいと思ったし、この機会にお話を聞くことができて良かったです。私もこれからはしっかり政治に関心を持ってニュースを見たり新聞を読んだりしたいと思います。
- 新聞記者の方は、厳しい言葉で政治家を質問責めにするというイメージが強くあり、少しマイナスイメージを持っていました。しかし、彼らのような、権力者が隠したがっている真実を明らかにしたい、というただ純粋な思いを持っている記者のお陰で、国民もニュースや新聞という形で事実を知ることが出来ているのだと思います。私も自分がやりたいと考える道を見つけたら、非難を恐れずに自分の選択を貫き通したいです。