第9回 学生スタッフレポート

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偏愛ブランドのつくり方

夏目 拓也 氏(白T専門店#FFFFFFTオーナー)

こんにちは!
「総合2024」第9回、6月20日(木)の講演は、白T専門店#FFFFFFTオーナーの夏目拓也さんにお越しいただきました。夏目さんは広告会社で10年以上、様々な企業や商品のマーケティング・ブランディングを行うマーケターとして活躍されていましたが、2016年4月、自身の白無地Tシャツへの偏愛が高じて、千駄ヶ谷に世界初の白T専門店を創業されます。今回は「偏愛ブランドのつくり方」というテーマで、偏愛ブランドの魅力や白Tへの偏愛をお店にするまでの過程、偏愛をブランド化するためのステップについてお話しいただきました。

10代の頃は無地のTシャツにほとんど関心がなかった夏目さんに転機が訪れたのは、社会人になって間もない20代前半の頃でした。偶然入ったお店で試着した白Tに新鮮でしっくりくる感覚を持ち、そこから白Tの魅力へと引き込まれました。白Tに夢中になるうちに、夏目さんは白Tだけを扱う店が世界のどこにもないことに疑問を持つようになりました。「これは自分がつくるしかない!」と白T偏愛者としての使命感に突き動かされ、白T専門店をつくったそうです。

夏目さんは多くの時間やお金、そして情熱を白Tに捧げたからこそ、誰もつくったことのないユニークなお店を開くことができたのです。「好き」を追求する過程で自然と見えてくる「自分にしかできないこと」が、真の「自分がすべき仕事」なのかもしれないと考えさせられました。

また、講演後に開催した茶話会では、「数多くいるマーケターの中でトップを目指すことはとても難しい。でも、白Tが好きでかつそれをブランド化することを目標にした時、それは自分にとって一気に達成しやすい目標になった」というお話も聞かせていただきました。

夏目さんは「マーケター」としてのキャリアと「白T」という偏愛を掛け合わせることで、ご自身にしかできない唯一無二の仕事を築き上げたのだと思います。「好き」×「好き」、「好き」×「強み」の掛け算が自分を特別で豊かなものにしてくれると学びました。

自分自身の中で掛け合わせられるものは何かと考えた時、偏愛するものや堂々と「好き」と言えるものが見つかっておらず、今はまだその答えが出ませんでした。講演を聞く前の私は、このような自分に焦ったり無力感を感じたりすることが多かったように思います。しかし、夏目さんのお話から、好きなことはもちろん、得意なこと、自分が今取り組んでいることの点と点が掛け合わさることで、それが将来自分の道を創ることになると気づかされました。自分の偏愛が見つかるまでは様々なことに挑戦したり目の前のことに真剣に向き合ったりして、ゆっくり自分の答えを見つけていこうと思います。

夏目さんのご講演から、自分の偏愛を追求すること、また自分の偏愛を見つける過程が、たとえそれがどんなに遠回りであったとしても、自分の人生を豊かにしてくれるのだと気づくことができました。
国際関係学科3年 あかべこ

コメントシートより

  • 今回の講義で偏愛ブランドという言葉を初めて聞いたのですが、とても興味を持ちました。自分のキャリアの中で、広告会社勤めのサラリーマンを辞めてゼロから始める行動力、勇気が素晴らしいなと思いました。広告業界を辞めてから広告に力を入れていないと仰っていましたが、夏目さんの熱量があたかも広告のような役割を担っているのかなとお話を聞いていて感じました。私は興味のあることに自分より熱量を持っている人がいるのではないかと思ってしまって中々堂々と言えない時があったのですが、気にせず好きでいたいです。
  • 今まで自分の趣味や何かに対しての好きを仕事にすることにいいイメージはなく、成功しづらいものだと思っていた。しかし夏目さんの話を聞いて、ただ自分の好きなことを仕事にすることと偏愛を突き詰めて仕事にすることは違っていて、「本気で好き」という気持ちが、自分にしかできない仕事や価値を生み出すのだと学んだ。また、他人に影響されず、自分だけのフィールドで偏愛を突き詰め欲張らないことで、唯一無二のものを作ることができるのだと気づいた。現在は多くの広告が溢れ、インターネットでも多くの情報が飛び交っているため私たちは情報に振り回されがちだが、当たり前を疑い自分自身のスタイルで生きることの大切さを知った。自分は、ネットの情報に振り回され自己がわからなくなる時があるが、今日を機に自己の好きや愛を見つめ、オンリーワンを見出せるようになりたいと感じた。
  • 私は以前まで偏愛と聞くとあまりいいイメージを持っていなかった。社会に出ていくうえで、あまり自分の好きなことに夢中になりすぎると周りから距離をとられてしまうのではないかと思っていた。しかし、偏愛は突き抜けることで人の心を揺さぶり、影響を与えることができるものであると考え方が変わった。私は偏愛をブランド化しようとは考えていないが、周りに偏愛を押し付けたり、人の偏愛を否定したりは決してせず、自分が熱中するものや好きなことから得る学びを得て、楽しんでいきたいと思った。
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