第25回 学生スタッフレポート

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VUCA時代におけるキャリア・オーナーシップのすすめ

角掛 由加里 氏(国連児童基金(UNICEF)ウガンダ事務所青少年育成担当官)

「総合2023」第25回講演、1月11日は、角掛由加里さんにご講演いただきました。角掛さんは、津田塾大学のOGであり、現在UNICEFウガンダ事務所で働かれている方です。変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を含んだ、VUCA(ブーカ)時代において、私たちはどのようなスキルが必要なのか、何に従って選択していけば良いのか、角掛さん自身のこれまでのキャリアをもとに、お話ししてくださいました。

角掛さんは、ウガンダで、学校に通えていない10代の若者たちに対して、21世紀型スキル育成事業を展開しています。例えば、ブートキャンプという4日間のイベントでは、参加者でアイデアを出し合ったり、ディスカッションしたりして、考えを深め、他者と協同し、画期的なアイデアを生み出せる機会を提供しています。学校に通えない子供が、生きていく力や考える力を養い、雇用に繋げていけるよう、その後の人生を自分の力で生きていくための支援を行っています。ここで培うことができるのは、創造性やコミュニケーション能力、情報リテラシーといった21世紀型スキルです。それらは、次世代を担う人材が身に付けるべきスキルとして挙げられます。これらは、ウガンダの子供たちのみに必要なことなのでしょうか。学校に通うことができ、何不自由なく生活していると忘れてしまいがちですが、社会で、自分の力で生き抜くためには、情報収集能力、課題を見つけ、仮説をたて、検証していく力、行動力など、これらのスキルは、日本で生きる私たちにも必要なスキルであると言えます。

さらに、キャリア選択について大事な心構えを教えてくださいました。キャリアを形成していく主導権は自分が持っており、自分の「内的基準」に沿って、選択肢を作り選択していくことが大事であるということです。自分の持っている能力、自分がなりたい姿、そのキャリアで自分の専門性をどのように生かしていくかというビジョン、これがキャリア選択の羅針盤になり、自分軸であるとお話されていました。このような自分軸を持っていると、キャリアについて主体的に考え、選択していくことが可能になります。キャリア選択の主導権は自分であること、そして自分で選択したということは、例え失敗しても、その失敗を糧にして、次に行動するモチベーションとし、生き生きとやり続けられるのだと角掛さんを見て、強く感じました。

何か新しいことを始めること、やりたいと思ったことに一歩踏み出すことは、簡単なことではありません。そんなとき、少しの自信を持っていることが必要だと、角掛さんはお話してくださいました。常に全力で走り続けるのではなく、経験と少し立ち止まって考えることの、静と動の繰り返しが大事であるということも教えてくださいました。小さな経験の中で、自分ができたという成功体験を積み重ねること、それが、次の一歩を踏み出すための追い風になるのです。そのためには、どんなに小さなことでもいいから、自分から行動を起こすことがとても大切なのだと気がつくことができました。

最後に、角掛さんのこの言葉が、強く印象に残っています。
「他人はそれほど自分のことを気にしていない。」
私は、つい、自分で選択をするときに、他者はどう思うだろうかと他者を気にしてしまいます。しかし、角掛さんのお話を通して、自分はどうしたいのかということを主軸に、自分で選択していこうと思いました。他者を気にして行動を起こせないというのは、言い訳であり、とてももったいないことをしていたのだと気づきました。この一瞬一瞬は今しかないかけがえのないものです。行動を起こせるのは自分だけなのです。
私はこれから、自分が後悔しない生き方をしていきたいと思います。
英語英文学科 ぱんまる

コメントシートより

  • ほんのちょっとの勇気で未来は変えられるし、どのタイミングでもやろうと思えば行動に起こすことができる。
  • 私は自分に自信がなくて、何か行動を起こしてみようと思っても自分にはできないか、と決めつけてアクションを起こせずに終わってしまうことが今までにたくさんありました。今日の講演会でも、前半に角掛さんの学生時代の活動を聞いて「やっぱり私はこんな風に行動力がある人にはなれないんだろうな」と感じていましたが、AGC時代に角掛さんが感じていた「自分のやりたいことと違うことはやりたくない」という気持ちにはすごく共感できました。この気持ちが角掛さんを動かすきっかけになっていたので、自分も変われるきっかけになるのではないかなと希望を持てました。
  • 「自分はこれをしたい」という価値判断のもとで行動することは、上手くいってもいかなくても、その後の人生を創造する上での基盤となる。
  • キャリアは人からつくってもらうものじゃない、自分でつくるものだ。行動を繰り返して価値観の形成がされる。そのことから自信がつく。静(考えること)と動(行動すること)の繰り返しが大切。ないしは動きながら考える。
  • ウガンダについて知ってみたことで自分達が当たり前だと思って過ごしている生活や当たり前だと思って利用している施設や物を簡単に利用することができない人が多いということを改めて理解することができました。角掛さんはそういった地域に携わっていくことをたくさんのキャリアを重ねていきながら選択していったとお聞きして、自分が心からやりたいと思ったことに思い切って挑戦することも大切であると気づくことができました。
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