第18回 学生スタッフレポート

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愛と差別と友情とLGBTQ+ 自分らしさと生きやすさの未来へ

北丸 雄二 氏(ジャーナリスト・作家)

「総合2023」第18回講演、11月2日は北丸雄二さんにお越しいただきました。北丸さんはジャーナリストとして、LGBTQ+問題について取材を続けていらっしゃいます。講演では、国内外のLGBTQ+問題の実情について、そしてそのような状況がなぜ起こっているのかということについてお話ししてくださり、受講生にとって社会問題や国外の現状がとても身近に感じられたのではないかと思います。

北丸さんに講演を依頼する際、私は「アイデンティティは自分軸の一つで、自分軸は持っておいた方が良いもの」と考えていました。しかし、北丸さんは「アイデンティティは、気づいたら辛いし後戻りできないけど、ずっと持っていないといけないものではなく、自分で選択していけばいいもの」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。この考え方は、自分軸にも共通するのではないでしょうか。自分が何か問題に直面したとき、それを克服するために自分軸を用いることができれば良いのだと思うと、気持ちが楽になった気がしました。

今の社会では、セクシュアリティや人種、性別など多くの「カテゴリー」が注目されています。しかし、それらは個人を特定したり、自分にレッテルを貼るために存在するのではなく、「何か困ったことが起きた時にその原因を追求するために持っておくと良いもの」なのだと感じました。カテゴライズ化された「アイデンティティ」によって、自分を縛り付けるのではなく、自己認知の一つの方法にすぎないと考えることができます。そうすると、他人から決められるものでも、ずっと変わらず維持し続けるべきものでもない、とわかるのではないでしょうか?自分軸も同じで、必ず持つべきものではなく、自分が必要だと思った時にそれを使えれば良いのだと思うと、自由が与えられたように感じて、とても前向きに考えることができました。

これまでの私は、自分をカテゴライズすることに一生懸命になりすぎて、逆に自分を苦しめていたのかもしれないと感じました。これからは、自分を一つの枠組みにはめることを意識するのではなく、その時の自分に合った方法で、目の前の問題や社会の問題と向き合っていこうと思います。
国際関係学科1年 リンイン

コメントシートより

  • 自分が個人的な意見だと思っているものはどこかで社会的なものにつながっているということに気づくべきだということ
  • 今回の講演のテーマはLGBTQ+だったがそのテーマを超えた「人類とは何か」「どのように生きていけばよいか」というような今後の社会、世界の在り方にまで考えさせられるような講演だった。日本はなぜ自分たちで「差別」や「偏見」に気づかないのだろうか、気づいたとして声を上げられないのだろうか。そういったことも今後考えていかなくてはならない課題であるように思う。
  • LGBTQへの差別に関して調べると、その国の差別意識が分かるということが印象的でした。日本は平和な国という印象が強いですが、差別意識に関してはまだまだ残ってしまっているということに気づきました。自分が持っている同性愛者へのイメージや考えについても改めて向き合うきっかけになりました。
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