第14回 学生スタッフレポート

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生い立ち関係なく、誰でも好きな自分になれる!

田中 れいか 氏(一般社団法人たすけあい、ゆめさぽ 代表理事)

こんにちは!「総合2023」第14回、10月5日(木)の講演は、田中れいかさんにお越しいただきました。田中さんは、7歳から18歳までを児童養護施設で暮らし、その後は自分で生活費や学費を賄いながら、短大に進学し、保育士資格を取得されました。また、在学中にモデル活動を始め、「児童養護施設出身モデル」という肩書きをお持ちです。現在では、一般社団法人たすけあいの代表理事をしつつ、児童養護施設や里親制度に関するご講演を啓蒙活動として行っていらっしゃいます。

今回は、田中さんのこれまでの人生の流れに沿って、それぞれの時期に田中さん自身が学んだことを講演の中で紹介していただきながら、受講生も一緒にその学びについて考えていきました。講演ではまず、田中さんご自身がマイクを持ちステージから降りて、受講生と同じ目線に立ち、受講生の考える自分軸を聞くところから講演は始まりました。何人かの受講生の方が答えてくださり、「簡単には変わらないもの」「既にある自分を掘り起こしていくイメージ」という意見を聞くことができました。そこで田中さんは、「正解はないんだよ」という言葉を繰り返しおっしゃっていて、この講演を通して、受講生が自分なりの答えを見つけてくれれば良いなという田中さん自身の思いを感じることができました。

私はこの講演の中で特に二つの言葉がとても印象に残りました。

まず、「自分の生い立ちの消費」という言葉です。これは、田中さんが「児童養護施設出身モデル」という肩書きに違和感を持ちながら、自分の生い立ちを話すことでメディアに出ていた時期に感じていた違和感を言語化したものです。自分の生い立ちを道具にメディアに取り上げられているように感じ、そのことにマイナスな感情が働いていたそうです。私自身、高校時代に、作文コンクールに自分のことについて書いた作文を提出したことがあります。その作文が評価された時に、素直に嬉しいという感情と共に、自分の一部を消費している感覚になり、どこか苦痛に感じている側面もありました。そのため、田中さんのおっしゃった「自分の生い立ちの消費」という言葉に強く共感しました。

次に、「自分に合う方法で気持ちを整理して、伝える」という言葉です。田中さんは成長するうちに、自分の希望や意見を「空気を読む」ことで伝えられなくなったそうです。このことは、多くの人が経験することではないでしょうか。田中さんは、田中さんの施設入所後に入ってきた幼児に施設のお兄さんやお姉さんの関心を取られたようで、寂しいと感じる時期があったとお話ししてくださいました。田中さんは、寂しさを感じつつも周囲の空気を読み、自分の感情を伝えられなかったそうです。空気を読むということも、時には必要なことですが、そのせいで自分の感情をうまく伝えられなくなったり、それ自体に蓋をしてしまったりするのは良いことではありません。そこで、田中さんが見つけた方法が施設のスタッフの方との「気持ちの交換日記」に自身の想いを正直に書くことでした。そうすることで、施設の方に自分の寂しさを伝えていたそうです。その日記は、田中さん自身の感じたことや気持ちを言語化し、可視化していくプロセスの役割を果たしていたとお話ししてくださいました。自分にとって一番心地の良い伝え方を探していくことが大事だということを教えていただきました。私は交換日記という形で、自分の内面を可視化していく方法をとても新しく感じ、実践してみようと思いました。

最後に、田中さんは受講生に対して、「自分の気持ちに敏感になり、自分の選択に責任を持つことで、自分との信頼関係を築こう!そして、自分の中にあるMy styleを探し続けよう」ということを提案してくださいました。私は、今回の田中さんの講演でMy styleを探すことにワクワクを感じることができました。これからの大学生活やその後の人生で見つけていきたいなと思います。
国際関係学科1年 リンイン


コメントシートより

  • 生きている中で嫌なことはたくさん出てきて、生きづらいなと感じることが最近多かったが、講演を聞いて、「これならいける」という考え方に変えることが重要であるということがわかった。
  • 田中さんのようにしっかりと自分の気持ちを優先させることができるというのは大事なのだと思います。自分自身も自分の感情をしっかりと理解して、吐き出していけるようにしたいと思います。
  • 自分が当たり前だと思っていたけれど他人から見たら自分も知らない他の自分もいるのだということを学んだ。
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