第8回 学生スタッフレポート
何者かになることが当たり前になった世の中で、どう生きていくか
ササハラ ハヤト 氏(株式会社17h CEO(映画監督 / クリエイティブ・ディレクター))
6月15日の「総合2023」第8回講演は、映画監督のササハラハヤトさんに講演していただきました!ハヤトさんは高校を卒業して上京してから今までを振り返りながらお話ししてくださいました。
ハヤトさんは「自分軸」がある方が生きやすいと考えるそうです。そして、どのように自分軸が見つかるのかは、
今では「自分軸」があると語るハヤトさんがお仕事を始めた頃のお話は、想像以上に苦しいものでとても驚きました。映像制作会社へ就職し、夢だったテレビドラマプロジェクトへ配属されたにもかかわらず、すぐに仕事から逃げ出したくてたまらない気持ちに襲われたそうです。職場の人間関係がうまくいかなかった、夢だと思っていた仕事が思っていたのとは違ったということではなかったのです。原因がわからないから誰にも相談ができないし、周囲の人たちへの申し訳ない気持ちでいっぱいになり、うつ病と診断されるほどに抱え込んでしまったそうです。ここから思考の戦いが始まりました。映像のあらゆる仕事を転々として解決を試みましたが、どれも長くは続きませんでした。一体どうしてなのか、なぜ普通の人のように仕事ができないのか、すごく悩まれたとおっしゃっていました。毎日毎日、自分と向き合い、嫌になりながらも諦めない気持ちだけはずっとありました。そしてようやくたどり着いた答えが、会社の正社員として契約を結ぶということに、縛られている感覚になっていたということだったそうです。自由を求めていたのではないだろうかと、この時初めて自分の嫌いなことがわかったそうです。
この経験を通して、今まで自分のことを知っているつもりでいたけどそうじゃなかった、もっと自分と向き合うことが必要なのではないかと考えるようになったそうです。嫌いなことを明確にすると自分のことがわかるという話は、はじめて聞いたので新鮮でした。嫌なことは逃げたり、忘れたりしようとしてしまいがちで、これまであまり考えたことはありませんでしたが、実は「自分軸」について考える上での重要な要素だと思いました。
ハヤトさんは、自分は変なのだ、普通に縛られすぎていたのだと感じ、独立を決意しました。フリーランスとして仕事をするようになってからは、稼ぐことができなくても幸せを感じる瞬間があったとおっしゃっていました。好きで続けてきた自主映画制作に向き合う考え方にも変化があったそうです。心の余裕が出てきたから何を伝えたいかわかるようになり、それを意識して制作できるようになったのだそうです。また、「自分が生きていく道を見つけてからは自信を持って行動できるようになった。未来のことを考えるようになった。前向きになった。」とハヤトさんはおっしゃっていました。ハヤトさんにとっての生きていく道は映画制作で、それは、自分ではない人の人生を垣間見ることであり、「自分の幸せとあなたの幸せは違う」と伝えるための手段なのだそうです。では、私たちの生きていく道と手段は何でしょうか。それを探していくためのヒントも講演でいただきました。
しかし、「自分軸」を見つけても自分と向き合う作業が終わるわけではありません。経験を重ね、自分を取り巻く環境も変われば考え方も変化していきます。ハヤトさんも、やりたいことばかりをしているだけでは仕事にはならないから、自分が社会と繋がるにはどうしたらいいのかを考えるようになったとおっしゃいます。構築しては崩れてを繰り返して、いつの間にか形が見えてくるのが「自分軸」なのではないかと思いました。
今回の講演は、誰かとの出会いや衝撃的な出来事からの発見ではなく、最初から最後まで本当に一人で考え抜いた経験をお話ししていただきました。辛いことにわざわざ向き合う作業は苦しいけど、考え続けた先にその人らしさが現れるのだと思いました。私たちは何者にでもなれるけど、あえてこうなりたいと思える像が見つかれば素敵だし、私はそう選びとっていく人とこれから出会いたいなと思いました。
ハヤトさんは「自分軸」がある方が生きやすいと考えるそうです。そして、どのように自分軸が見つかるのかは、
- 自分を知るには、自分と向き合うことを恐れないこと
- 自分と社会を繋ぐものが何かを考えること
- 社会とコネクトする手段として、好きなものと得意なものは何か考えること
- 得意なことを見つけるためには、嫌いなことを知ること
今では「自分軸」があると語るハヤトさんがお仕事を始めた頃のお話は、想像以上に苦しいものでとても驚きました。映像制作会社へ就職し、夢だったテレビドラマプロジェクトへ配属されたにもかかわらず、すぐに仕事から逃げ出したくてたまらない気持ちに襲われたそうです。職場の人間関係がうまくいかなかった、夢だと思っていた仕事が思っていたのとは違ったということではなかったのです。原因がわからないから誰にも相談ができないし、周囲の人たちへの申し訳ない気持ちでいっぱいになり、うつ病と診断されるほどに抱え込んでしまったそうです。ここから思考の戦いが始まりました。映像のあらゆる仕事を転々として解決を試みましたが、どれも長くは続きませんでした。一体どうしてなのか、なぜ普通の人のように仕事ができないのか、すごく悩まれたとおっしゃっていました。毎日毎日、自分と向き合い、嫌になりながらも諦めない気持ちだけはずっとありました。そしてようやくたどり着いた答えが、会社の正社員として契約を結ぶということに、縛られている感覚になっていたということだったそうです。自由を求めていたのではないだろうかと、この時初めて自分の嫌いなことがわかったそうです。
この経験を通して、今まで自分のことを知っているつもりでいたけどそうじゃなかった、もっと自分と向き合うことが必要なのではないかと考えるようになったそうです。嫌いなことを明確にすると自分のことがわかるという話は、はじめて聞いたので新鮮でした。嫌なことは逃げたり、忘れたりしようとしてしまいがちで、これまであまり考えたことはありませんでしたが、実は「自分軸」について考える上での重要な要素だと思いました。
ハヤトさんは、自分は変なのだ、普通に縛られすぎていたのだと感じ、独立を決意しました。フリーランスとして仕事をするようになってからは、稼ぐことができなくても幸せを感じる瞬間があったとおっしゃっていました。好きで続けてきた自主映画制作に向き合う考え方にも変化があったそうです。心の余裕が出てきたから何を伝えたいかわかるようになり、それを意識して制作できるようになったのだそうです。また、「自分が生きていく道を見つけてからは自信を持って行動できるようになった。未来のことを考えるようになった。前向きになった。」とハヤトさんはおっしゃっていました。ハヤトさんにとっての生きていく道は映画制作で、それは、自分ではない人の人生を垣間見ることであり、「自分の幸せとあなたの幸せは違う」と伝えるための手段なのだそうです。では、私たちの生きていく道と手段は何でしょうか。それを探していくためのヒントも講演でいただきました。
- 自分が心地よくいられる、自分が機嫌よくいられるような素敵な服を着る
- 素敵なものを食べる、素敵な大人に出会う、素敵だと思う世界に出会う
- 素敵な人との出会いを通して自分を知ることができる
しかし、「自分軸」を見つけても自分と向き合う作業が終わるわけではありません。経験を重ね、自分を取り巻く環境も変われば考え方も変化していきます。ハヤトさんも、やりたいことばかりをしているだけでは仕事にはならないから、自分が社会と繋がるにはどうしたらいいのかを考えるようになったとおっしゃいます。構築しては崩れてを繰り返して、いつの間にか形が見えてくるのが「自分軸」なのではないかと思いました。
今回の講演は、誰かとの出会いや衝撃的な出来事からの発見ではなく、最初から最後まで本当に一人で考え抜いた経験をお話ししていただきました。辛いことにわざわざ向き合う作業は苦しいけど、考え続けた先にその人らしさが現れるのだと思いました。私たちは何者にでもなれるけど、あえてこうなりたいと思える像が見つかれば素敵だし、私はそう選びとっていく人とこれから出会いたいなと思いました。
情報科学科3年 ビスケット
コメントシートより
- 自分の弱さ、汚さに向き合いながら、自分とは何かを考え続けることが大切だと感じた。時間はかかるかもしれないけれど、これからの長い人生をより自分らしく生きるためにもやってみようと思ったし、今何をするべきかも自ずと見えてくると思った。
- 「自分が自分であることを自覚し、受け入れる」この言葉が自分軸を見つけていく方法なのではないかと思いました。人は一人一人違っていて価値観は人それぞれであるのが当たり前のことなのに、一般論にひとまとめにされてしまいがちだけれど、自分の好き嫌い、自分の幸せ、自分の価値観を知って受け入れていくことで自分の中の確固たる軸である自分軸を見つけられると思います。世間との差異を怖がらなくても良いのだと勇気づけられました。また、社会と繋がっていく事も大切、自分がどういう存在であるかを理解し、その自分とどうやって一緒に生きていくか、は「自分と社会」という学生の今ではなかなか実感しづらい繋がりを見つけていくヒントになると思いました。自分とは一生付き合っていかなければならないので、どうやって幸せに生きていくかを考えたいです。そして自分軸があったほうが生きやすい、というササハラ氏の言葉からありのままの自分と向き合い、知って自覚することで、自分と社会とのつながりを探し、考え続けたいと思いました。
- 素敵なことをすると自分のことを好きになれるという言葉が印象的だった。素敵なことを続けることで、自分が自分であることを認めることができると考えました。