第7回 学生スタッフレポート

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これまでのキャリアとこれからの人生の歩み方

竹中 紳治 氏(LX DESIGN CPO(Chief People Officer))

6月8日(木)の「総合2023」第7回講演は、竹中紳治さんに講演していただきました!
竹中さんは数多くの副業をしながら、株式会社 LX DESIGNのCPO(Chief People Officer)をされており、様々な職歴を通して、他者との信頼関係を築いていった視点から、「自分軸」の設計についてお話しされました。

今回は、LX DESIGNの社長である金谷智さんも一緒に対談されるという、これまでに類を見ない形式でした。金谷さんとのユニークな対談や受講生とコミュニケーションを取りながら、竹中さんは講演されました。LX DESIGNは、教育現場と社会をつなぎ、子どもたち一人ひとりが人生設計をできるようになることを目指しているそうです。会社内でのチーム形成も大切にしており、お二人の体験を交えながら、信頼関係の構築について話されました。

まず、ご自身の現在の仕事と多様な経歴についてお話された竹中さん。竹中さんは現在、LX DESIGNで経営企画や組織づくりを担当しながら、コーチングやカウンセリング、大学の非常勤講師や杉並区立小のPTA会長に至るまで、たくさんの副業をされています。受講生たちも職歴の豊かさに驚いたことでしょう。竹中さんが現在の仕事に至るまでには様々な経緯がありました。大学では数学や統計学を学び、教員免許も取得されたそうです。大学院修了時に、専門的に学んだ「統計学」や「教育学」を生かして、商品開発や決算などを行う「アクチュアリー」という職業につきました。しかし、視野の狭さを感じて、企業のコンサルティングに転職しました。その後、チームで協力することの大切さを知り、顧客の課題を解決するだけでなく、相手のことを知り寄り添うことのできる「コーチング」の仕事を始めました。

講演では、LX DESIGNやコーチングの仕事を通して感じた、相手を「頼る力」や自分とは異なる価値観を理解することの大切さに焦点を置いてお話しされていました。チームで働くためには、自分一人で全ての物事を行うのではなく、メンバーに頼れるようになることが大事だとお話しされていました。「頼る力」を身につけるためには、相手の価値観を理解することが必要になります。そこで、竹中さんは自分と異なる他者の意見を「受け入れる」のではなく「受け止める」ようにすることが大事であるとお話しされました。皆さんの中には、「人に頼ること」を「人に任せきりにすること」というネガティブなイメージで捉えてしまう人もいるかもしれません。私自身も、苦手な学問分野の学習で、その分野が得意な友だちから、多くのことを学ぼうとして頼ったことがあります。しかし、彼女から「自分で学習しようとしないで、人の力を借りようとしている」と誤解されてしまったことがありました。その後、彼女に、「自分とは異なる学問に対する価値観や考え方を聞きたい。私も勉強したいからぜひ教えてほしい」と相談したところ、快諾され、以前よりも親密な関係になりました。皆さんにも似たような経験があるのではないでしょうか。ただ頼ろうとするのではなく、その人の考え方や得意なことを理解したうえで頼れるようにする「頼る力」こそが、様々な人と人間関係を構築していくのに必要なのではないでしょうか。

講演の後半では、竹中さんのこれまでのキャリア全体を通して、視野を広げるために、色々なことに「問い」を持つことの大切さについてお話しされました。情報化やグローバル化が進んだ21世紀は、学問や仕事、文化などが無限に関わり合い、答えがありません。そのような時代に生きる私たちは、自分で選択をして、人生を切り拓いていかなくてはなりません。だからこそ、視野を広げて学んでいく必要があります。皆さんが大学で学んでいるあらゆることは、全ての物事の土台となっているのです。学問だけでなく、精度や信頼度の高い情報を手に入れたり、読書をしたりして自分に向き合うことの必要性についてお話しされました。

最後に、竹中さんは受講生たちに、フォームに「宣言」をすることを提案しました。自分に向き合い、人生設計をするために、目標や今からやめることを書き、有言実行を促しました。受講生たちからは、「移動時間中にスマホでTik Tokを見るのではなく、読書をしたい」「夜更かしをやめたい」等の宣言が見られました。やりたいことを考え、行動を宣言することによって、夢を実現させるための一歩を踏み出すことができました。
英語英文学科3年 紗菜

コメントシートより

  • 自分軸を広げるためには、多くの人の価値観に触れ、自分が貢献できることを見つけ、探し、試し、学び続けることが大切だと感じた。
  • 1人で物事を達成することも大事だが、仲間とともに協力しあうことで、自分自身の力にもなり、相手の価値観も理解できるようになると考えた。
  • 学校で教師をするのではなく、企業と学校をつなげるという職業は魅力的だと思った。
  • 「相手の価値観を受け止めるが、受け入れはしない」と言う話を聞いて、「受け止める」と「受け入れる」の違いは重要だと感じた。先生に教わったことをそのまま「受け入れる」のではなく、一度「受け止めて」、自分で再解釈し、違う形にして「受け入れる」ようにしたいと考えた。
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