第21回 学生スタッフレポート

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人と比べない、等身大の自分 〜自分の”個性”を強みに変えて〜

菅野 孝憲 氏(プロサッカー選手)

皆さんこんにちは!第21回の「総合2021」では、現在、プロサッカー選手としてご活躍されている傍ら、放課後等デイサービス「Wish宮の森」を創設された、菅野孝憲さんにご講演していただきました。

皆さんは、大学生になり、自分のやりたいことについて考えたり、新しいことを経験したりする中で、他人と比べて自分ができていない点に目を向けて落ち込んでしまうことはありませんか?自分のできないことや苦手とすることをコンプレックスに感じている人も多いのではないかと思います。今回の講演では、プロサッカー選手という、結果を残さないと生き残ることができない厳しい世界の中で、どのように自分自身と向き合い、練習に臨んでいたのか、また、「Wish宮の森」と菅野さんのお考えとの関係性などをお話ししていただきました。

ご講演は、菅野さんのプロキャリアを辿りながら、その時々で考えていたことをインタビュー形式でお聞きしました。たくさんの熱い前向きなお言葉を頂いた中でも、特に印象に残っているお言葉が2つあります。

1つ目は、「変えられないものにパワーを注ぐのではなく、変えられるものにパワーを注ぐ」ということです。プロのゴールキーパーとして結果を残し続け、ご活躍されている菅野さんでも、過去、コンプレックスに感じていたことがあったそうです。ゴールキーパーは大きなゴールの前で得点されないように守るポジションです。多くの人がゴールキーパーというと、身長の高い人を想像するのではないでしょうか。菅野さんは、プロの世界に入る前から、プロの前段階であるユースで、たくさんの試合に出場し、結果を残されていました。しかし、身長が低いということを理由に、才能があるにもかかわらず、ユースからそのままプロサッカー選手になることはできませんでした。菅野さんにとって、この挫折は大きなターニングポイントになったそうです。身長は努力して伸ばしたいと思っても、伸びるものではありません。ここで、変えることができない身長に目を向けるのではなく、セーブ率や瞬発力などの他の選手にはない強みを磨くことに焦点を当て、日々の練習により一層力を入れて臨んだそうです。私は、うまくいかなかったことや失敗したことに対して、あの時こうしていれば良かったと考えてしまうことがあります。しかし、菅野さんのお話を聞いて、変わることのない過去に目を向けるのではなく、この先できるようにするためには何をすれば良いのか、次に繋げることが重要であるのだと気がつくことができました。これは、菅野さんのお言葉をお借りすると、ものの見方について、「ポジティブに変換する」ということです。

2つ目は、「できないことや自分がコンプレックスに感じていることも、それは一つの個性である」ということです。これは、Wish宮の森を創設されたきっかけに関連します。人間それぞれ、できること、できないことを持っています。障害を持っている方は、他の人と比べてできないことが顕著に表れるために、自分とは違うと考えてしまいがちですが、それも一つの個性であるというお考えをお話ししてくださいました。一人一人異なる”個性”を認め合うことで、「みんな違ってみんないい」の認め合いの社会ができるのではないかと考え、Wish宮の森を創設されたそうです。自分のできないことに悩むのではなく、個性と捉え、認めることができるようになると、他者を理解することにもつながるのではないかと感じます。私は、障害を持った方に対して今まで、自分とは異なる人という認識を持っていた気がします。しかし、菅野さんのお考えを聞いて、以前までの”障害”の捉え方が一新されました。”個性”を認め合い、お互いのできないことに対して手を差し伸べ合えるような関係性ができたら、誰もが生きやすい社会になると強く確信しました。

最後に、菅野さんは「できないことはない。今までできなかったことがこれからもできないというわけでもない。人の良いところを自分に取り入れて、自分のオンリーワンを作り出す。​​」というメッセージを私たち津田塾生に届けてくれました。ミスをすることや自分の弱みを見せることを恐れて何もしないでいると、時間はあっという間に過ぎていってしまいます。この限りある時間のなかで、何ができるか考え、行動することがとても大事なのだと強く感じました。この講演を通して、1人でも多くの学生が、自分や他者の”個性”を認めることができるようになり、自信を持って、やりたいことに臨むための一歩を踏み出すことができれば嬉しいです。
英語英文学科2年 ぱん丸

コメントシートより

  • 自分と他人を比べてしまうことが多くある私にとって、今回の講演は勉強になることが多くありました。コンプレックスはいつか自分の強みになると捉えることや、誰かに嫉妬した時に羨ましく思うだけでなく自分がそうなれるにはどうしたらいいのか考えて行動していくことが自分を変えていけるのだと思うことができました。また講演の中での「自分の人生は自分がmakeする」という言葉が印象に残りました。人生の中の出来事をどのように捉えていくのか、行動を起こすか起こさないか、どれも自分次第なのだと改めて気付かされました。前向きな思考と積極的な行動力を身につけて自分自身で選択した人生を送っていきたいと思いました。
  • 講演での「障害があることも個性だ」という話の中で、「障害を持つ人との会話の中で障害があることに触れてはいけないと思うのは、障害がない人自身が障害を持つ人よりも立場を上に見ているからだ」という言葉を聞き、ハッとしました。決して障害がある人を見下しているつもりはなかったけれど、「自分とは違う存在」だと捉えて区別してしまっていたことに気付かされました。「障害も個性だ」と皆が思える社会になったらいいなと思いました。​​
  • ​​人と比べるのではなく自分を磨いて、オリジナルの自分をつくり上げていくことが重要であると学びました。また、菅野さんがおっしゃっていた、子どもの個性を引き出して生かしていくことが大人や地域社会の役割であるというお話を聞いて、ボランティア活動などをたまに行う自分といくつか共通点を見出すことができ、また自分が信じて行っていることは間違っていないことを再確認することができました。そして自分の個性は強みにもなり、人を楽しませることができるのだと気づくことができました。大変貴重なお話をありがとうございました。​​
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