第8回 学生スタッフレポート

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まなキキから考える私たちの「学び」と今後

松崎 良美 氏(Learning Crisis研究会事務局長)

みなさんこんにちは!第8回の「総合2021」では、松崎良美先生(元国際関係学科助教)とゲストで星眞維美さん(情報科学科卒業)、濱松若葉さん(国際関係学研究科・博士課程)にお越しいただきました。また、ビデオ出演として、熊谷靖子さん(国際関係学研究科修士課程修了)、貝原千馨枝さん(国際関係学研究科・博士課程)からもお話しをしていただきました。講演者の皆さん全員が津田塾大学で学ばれたということで、私たちの大先輩からお話しを伺えた、貴重な時間となりました。コロナ禍という特別な環境の中、先輩方との繋がりがなかなか持ちにくい状況が続いていましたが、今回の講演を通して5人もの先輩方とお会いできたことを大変嬉しく思います。

松崎先生は、2015年から津田塾大学インクルーシブ教育支援室(IES)にティーチング・アシスタントとして関わり、2020年4月にIESの有志とともに、Learning Crisis研究会を立ち上げました。今回の講演では、松崎先生と星さん、濱松さん、熊谷さん、貝原さんの5人の方に、ウェブサイトの立ち上げから英語教育など、それぞれの立場から、「まなキキ」の取り組みについてお話ししていただきました。

今回のお話を聞くまで、私は「まなキキ」は、障害のある子どもたちを支えるためにあるのだと思っていました。しかし実はそうではなく、例えば、情報を視覚的に取り入れるよりも聴覚的に取り入れる方が得意な人に対して読み上げ機能を準備しておくなど、全ての人に対して開かれているということを知り、驚きました。そして、そんな「まなキキ」の活動をぜひより多くの人に知ってもらいたいなと思いました。

教育のあり方はまだまだ可能性に満ち溢れています。子どもたちは一人ひとり違うのだから、個々に合わせた教育はできないと否定するのではなく、どうしたらインクルーシブな教育を実現させられるのかを考える、「まなキキ」の取り組みにはそんな柔軟性や創造性も備わっているのだとも感じました。既存の道しかないと思い込み、諦めるのではなく、新たな教育のあり方を模索し、挑戦し続け、また、学び続けようとする先生方の積極的な姿勢を私も持ちたいと強く思いました。敷かれたレールの上を歩くのではなく、そのレールが一体何なのかを考えたり、別にレールを引こうとしてみることは、まさに今年度の「総合」のテーマでもある、「価値観の再構築」に繋がると感じました。

私自身、教職を取っており、「まなキキ」は、柴田先生の特別支援教育の授業の中でも取り上げられています。私と同じように、「まなキキ」の存在を以前から知っている受講生にとっては、その成り立ちや歴史、運営する側の人たちがどのような考えを持って活動しているのかについて詳しく知ることができる、有意義な90分となったのではないでしょうか。お話の中で、「自分がピンときたものや人を信じて進んでみる」という言葉が印象に残りました。私はこれまで「もし、失敗したらどうしよう」と悩んだり、挑戦することはハードルが高いと感じたり、否定的な考え方をしがちでした。しかし、それは「しない」理由を探していたのかもしれないなと思いました。「好き」な気持ちや好奇心が原動力となり、「まなキキ」の活動を精力的になさっている先輩方の姿を見て、なんて格好良くて素敵なのだろうと感動し、私もそのようになれるように頑張りたいと思いました。これまで少し消極的だった私の背中を優しく前へ押してくれたような、そんな気がしました。受講生の皆さんにとっても、自分を変えるきっかけになっていればと思います。


「まなキキ」のWebサイト:https://learningcrisis.net/

国際関係学科3年 枝豆
国際関係学科1年 おもち

コメントシートより

  • 私は大学4年生ですが、卒業を意識するようになった今、残りの時間をどのように使うかをよく考えます。これまでの大学生活で生活で色々なことを学んできて、興味のないこと/とりあえずやってみたこと/熱中したこと、それぞれ見つけることができたと思ってます。今回の講演で「まなキキは自己満足で終わってはいけないという思いがあった」とおっしゃっていたため、私も今後は自分の学んだことや熱中していることを発信することにチャレンジしようと思いました。そして情報を伝える上で大切な伝え方や言葉の選び方、そして情報を伝える者として意識すべきことなどを学ぶことができました。
  • 今日、情報を伝えるために手段は本当にたくさんあるけれど、その情報の選び方によって、伝わり具合も異なり、その効果が変わっていくことを実感した。この人に伝えたい!という思いを大切にして、どうやったら相手に伝わるのだろう、どういう風に工夫すればより伝わるのだろう、など相手の気持ちになって情報を伝えようとする姿勢は、サイトづくりだけでなく対面でのコミュニケーションをとるときも大切だと改めて感じた。
    コロナ禍で学びの場が失われ、たくさんの子どもたちが悲しく辛い思いをしたと思うけれど、こういう取り組みがもっとたくさんの人に伝わり、障害の有無にかかわらずもっとたくさんの人たちがまなキキを利用して、効率的に学びを深めてほしいと思った。あらゆる人にとって本当に素敵な取り組みだと思った。
  • 今回の講演では、たった一つの活動でもそれを行うために多くの人々が尽力しているということが分かりました。また、まなキキさんの活動が、最初から盛んだったわけではなく1から10に広がっていて、興味関心を持った時の感情は物凄い力を持っているということに気づくことが出来ました。
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