第6回 学生スタッフレポート

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パパと語る!結婚と子育てとキャリアのリアル

國定 直樹 氏(立命館大学サービスラーニングセンター職員)
安藤 昭太 氏(株式会社カルミナ代表取締役)

こんにちは!「総合2021」第6回、5月27日(木)の講演は、立命館大学サービスラーニングセンター職員の國定直樹さん、株式会社カルミナ代表取締役の安藤昭太さんにお越しいただきました。将来結婚して、子育てをすることや仕事との両立について、不安を抱えている学生も多いと思います。今回の講演で「主夫」や「男性育休取得」を経験された方のお話を聞き、皆さんが多様な家族の在り方のイメージを広げるきっかけにしてほしいと思いました。講演は、結婚・子育て・仕事といったトピックについてQ&A方式で行われました。
 
まずは結婚についてお二人に聞きました。自分の将来のことを考えた時に、結婚のことが頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。私も自分の未来を想像する時、無意識に温かい家庭の輪の中にいる自分の姿を想像しています。まずは「結婚相手を選ぶというのは大きな決断だったと思うのですが、決め手は何でしたか」という質問に答えていただきました。安藤さんは、「振り返ってみると、結婚相手を選ぶ条件は2つに収束していました。1つ目は、八つ当たりなどをせず、自分の感情を自分で処理できる人。2つ目は、対話ができる人。結局この2つが、居心地の良さにつながると思うんです。」と答えてくださいました。安藤さんによると、この2つは、トイレの蓋を閉め忘れるような癖とは違って、時間が経ってもなかなか治らないのだそうです。確かに、日常生活によってついた癖は、新たな生活スタイルになれば自然と治っていくような気がします。それに比べてその人自身の性格というのは、なかなか改善することが難しいですよね。國定さんからも、安藤さんと同じく、対話ができる人であるというポイントは大事にしていたという話を聞けました。このお話の中でお二人ともが、対話ができる人であるかどうかを特に大切にされていることが印象的でした。一方、お二人の結婚相手の選び方には、どちらかというと論理的、どちらかというと感覚的、という違いがあるように思いました。お二人の家族のはじまりは、対照的とも感じられるほど価値観が違う部分があると思うのですが、それぞれに幸せな家庭を築いていらっしゃいます。家族のあり方や幸せの形には、人それぞれの多様な考え方があるのだなと実感します。
 
続いて、子育てについてお話しくださったことをご紹介します。「将来自分が子供を産んだ場合、きちんと育てられるか不安です。」というお悩みに対して、安藤さんは、「子育てを真面目に捉えすぎなくていい」とおしゃっていました。「どう繕っても結局、自分の子供っぽくなるんですよ(笑)。それに、メリット・デメリットで子供産んでない人が多いじゃないですか。子供って、人生最大のガチャだと思うんです。回すことによって彩ある、多様な生活になります。自分以外の人の人生も生きられるような感覚ですね。」と話されていました。安藤さんのこの言葉は、考えすぎて不安に感じてしまっている受講生たちにとても響いたのではないでしょうか。また、國定さんは、大学生の時に一人目のお子さんを授かり、最初はご自身の卒業のことやお金のことなどたくさん心配ごとがあったり、自分がこうなりたいという理想と今の自分の現実が合っていなくて不安も感じたりしていたそうです。そのようなことを感じた時には、子供に対しても、「ごめんな、パパもパパになるの初めてやねん」と言いながら子育てをしていたとおっしゃっていました。「親になることもそうだし、みんな初めてのことですから、実際やってみないとわからないと思います。やってみたら意外となんとかなったりするので、不安になりすぎなくても大丈夫ですよ。」とのアドバイスをいただきました。初めてのことに挑戦する時、不安に感じるのは当たり前のことだと思います。そんな時に、無理せず自然体で関わっていくことが不安を乗り越えるコツなのかもしれません。私自身、先輩パパさんの子育てアドバイスを聞く機会は滅多になく、とても新鮮でした。
次に、育児と仕事についてのお話をご紹介します。「男性が育休を取得するのに何か困ったことはありましたか?」という質問についてお話しいただいたことをご紹介します。國定さんは職場による違いについてお話しされていました。「育休の取りづらさは職場によると思います。実際、女性が多い職場では理解が得やすかったです。」とおっしゃっていました。確かに、仕事と育児を両立させるためには、職場の雰囲気が大きく関わってくると思います。自分の選択を受け入れて、支えてくれる人が周りに多くいる環境に身を置くことも大切だなと思いました。一方、安藤さんは、世代による違いについてお話しされていました。ミレニアル世代より前の人たちは、「子供はほっとけば育つから」や「出世できなくなるよ」などと言って育休に消極的な人が多い印象だそうです。逆にベンチャー企業だと、子供ができたと言うと「育休取るよね〜」という雰囲気になるとおっしゃっていました。また、育休について、「育休は取るべきですよね。奥さんが楽になるっていうのももちろんそうなんですけど、自分にとっても、子供ができたんだっていう実感が湧きます。育休期間は、子育てに対する意識が芽生える、大切な時間だったなと思います。」と話してくださいました。私は、男性の育休にそのような側面があることは知りませんでした。育休は親になるための時間なのだという意識が広まれば、男性の育休に対して否定的な考え方を持っている人も少しずつ減っていくのではないかと感じました。
 
最後に、「子育てをしていて精神的に強くなったと思うことがありますか」という質問に対してのお二人の回答の中に、今回の講演を通して私が特に印象に残ったお話があります。國定さんは、普段自分がやっていることが「自分のためだけじゃなくて、子供のためになるかもしれない」という思考になり、物事を見る視点が変わったそうです。自分のやっている一つ一つの行動に意味づけができるようになるとおっしゃっていました。また、安藤さんは、普段の仕事に対する考えも変わったそうです。「子供の世代に、こんな環境問題を引き継がないようにしよう」など、普段のお仕事の中でも、子供の世代の未来を見据えた考え方になるとおっしゃっていました。お子さんが生まれるという変化があってから、お二人の生活の中に今までにはない視点が加わったのだと思います。私は、パパさんのお話を聞く機会が今まで一度もなく、男性が育児に積極的に参加することで変化があるのは、子供のお母さんの負担が減るということだけだと思っていました。しかし今回のお話を聞いて、パパさん自身にも新たな視点が加わり、自分の行動一つ一つが意味を持つようになったり、ご自身の仕事に対する考え方も変化するのだということを知りました。育児は家族のためだけじゃなく、自分の普段の行動に対して新たな視点を与えてくれるのだと、私自身の育児に対する意識が変わりました。皆さんも今回のお話を聞いて、育児や将来の家族像に対する、今までの意識が変わったなと感じていただけたら嬉しいです。
情報科学科1年 おかゆ

コメントシートより

  • 今回の講演で、人生の選択肢は思ったよりも沢山あることに気がつきました。私は今まで一通りのキャリアプランしか立てていなかったので、お二人のお話を聞いて、自分の納得できる人生を歩みたいと思いましたし、プランを何通りも立ててみようと思いました。また、國定さんの、「何でも「子供のために」と行動に意味付けをしていた」ことや、安藤さんの「社会問題の未来を子供に当てはめられる」ことに今まで考えたことが無かったので、子供のおかげで視野が広くなったり、心に余裕が出来ることを知り、子供がより一層欲しくなりました。
  • 子育てにおいて理想を高くしても逆に負担になるということを学びました。私は、子育ては子供の成長のために完璧にやらなくてはいけないと思っていました。そのため将来子育てをするときは気負ってしまいそうで心配でした。しかし、今日の講演を聞いて完璧を意識しないほうが良いのだと気づきました。
  • 國定さんが「何とかなったから大丈夫」と言っていたのを聞いて少し気が楽になりました。
  • 女子大にいると、女性の視点からの話を聞くことが多いので、男性の視点からの話を聞くのは新鮮でした。新しいことに気づくことができたので、様々な視点から物事を捉えることが大切だと思いました。
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