第5回 学生スタッフレポート

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女性のカラダと女性の生き方〜変わらないもの、そして変わり続けるもの〜

西村 留美 氏(女性ホルモン専門家 / 女子のうつ著者)

みなさん、こんにちは!だんだんと暑い日が増えてきましたね。はやいもので2021年前半が終わろうとしている今日この頃、ようやく新しい環境に慣れてはきたものの、日々の生活のリズムを掴むのに苦戦している方も多いのではないでしょうか。そんな生活のリズムを整える上で、まず考慮するべき大切なことなのに、周りの環境やこなさなければならないタスクに埋もれて忘れてしまいがちなことがあります。それは、自分自身の“身体”についてです。「総合2021」第5回講演では、女性ホルモン専門家であり、『女子のうつ PMSがラクになる本』の著者である西村留美さんに、女性の身体と心について、そして女性の身体を持つ人としての生き方についてお話ししていただきました。

皆さんは、月経前後に気持ちの浮き沈みを感じることはありませんか?その原因として、女性特有のホルモンの影響があります。皆さんのなかには、「将来子どもはいらないし、月経自体の機能を止めたい!女性ホルモンなんて嫌い!」という方もいるのではないでしょうか。しかし、西村さんは女性ホルモンは「女性のお守り」であると教えてくださいました。女性ホルモンには体内の臓器や神経系などを守るはたらきがあり、決してネガティブなホルモンではないそうです。

では、そんな「女性のお守り」である女性ホルモンが備わっているにもかかわらず、なぜ女性の多くが月経前後の体調不良や不安定な精神状態に悩まされているのでしょうか。西村さんは大きく分けて二つの理由を挙げられました。一つは、自分自身の状態について知らないために、今自分には休養が必要なのかといった判断ができていないという理由です。そしてもう一つは、忙しさを理由にして不摂生な生活を送ったり、理由をつけて自分を追い詰めたりして、女性ホルモンの働きを妨げてしまっているからだそうです。自分を知ろうとすること、そして、自分を大切にしようとすることは、一見面倒に思えるかもしれません。それでも、長い目で見れば自分が幸せになれるような行動を今から始めた方が良さそうです。

西村さんは講演の中で、ご自身の経験についても話してくださいました。西村さんは現在の女性ホルモン専門家という職の前は宝石関係の営業職に就いていました。元々負けず嫌いで、頑張れば頑張った分だけお給料をもらいたかったという西村さんは、営業成績を上げるために仕事中心の生活を送っていたそうです。そのため、平日は朝から日付が変わるまで仕事、休日は溜まった疲れを取るためだけにただひたすら寝る、という生活を送る日々。そんな生活を数年続け、22歳になったある時、友達の勧めでリラクゼーションサロンに行った際に、「こんなにも人に幸せを与えて働ける仕事があるのか…!」と感動したそうです。そこから自分の体のことをよく知り、体調を整えることの大事さに気がついた西村さんは、PMS(月経前症候群)について学びはじめました。そして、同じように悩める女性の力になりたいという思いで今の仕事に転職し、2019年には『女子のうつ PMSがラクになる本』を出版されました。私は去年の受験生時代にストレス解消のための本を探しており、本屋でふと目に入り買った本が西村さんのご著書でした。今考えると、当時の私は女性ホルモンのバランスが崩れるような生活をしていました。このイライラの原因は女性ホルモンかもしれないと気づいた時はとても心が軽くなりました。西村さんは「以前の私と同じように、顔で笑って心で泣いている人の力になりたい」とおっしゃっていましたが、私もまさに西村さんに力をいただいた一人です。転職を決断することは簡単ではないと思いますが、自分の気持ちに素直に仕事をされる西村さんの生き方はとても素敵だなと感じました。

講演の最後に西村さんは、仕事も結婚も出産も、全てを叶えたい現代女性こそ、具体的なライフプランを考えてみようとおっしゃいました。西村さん自身も仕事優先で働いてきましたが、39歳でお子さんを出産したそうです。自分の欲には貪欲であれ、どれかを我慢する必要はないんだ、やりたいこと全部叶えちゃおう!というマインドでいいというお言葉に、心が軽くなりました。みなさんの中には、何もかも自分で抱え込んで解決しようとしてしまう人も多いのではないのでしょうか。私もその一人です。しかし、時には周りの人を頼っていいんです。自分の気持ちに正直になっていいんです。
国際関係学科3年 枝豆
英語英文学科1年 はるぼん
英語英文学科1年 Sophie

コメントシートより

  • 女性であること、というのは、津田塾大学に入学してからよく聞くことではあったが、今までは精神的なことが多かったように思う。このようにホルモンやライフサイクルなど実際に明日から自分の生活に生かしていけるようなお話を聞くことは初めてだった。やる気が出なかったり何もかもにやる気が起きなかったりすることは自分が悪いのではなくホルモンバランスとの関係である可能性もあるというお話を聞くことができて、悩みも軽減されたように思う。うまく行かないことがあっても自分を責め過ぎずに気楽に自分を大切にしていきたいと思えるとても意義深い講義が聞けて面白かった。
  • 西村さんは元々営業のお仕事をされていたけれど、自分が本当にやりたい仕事を見つけて、セラピストになったという話を聞いて、私は今、将来やりたいことだったり、夢がない状態なのですが、ふとした出来事がきっかけで、やりたいことが見つかったりするということを知り、そんなに焦らなくてもいいんだ、そんなに不安にならなくてもいいんだと思うことができました。自分自身の体についても、普段からあまり気を使っていなかったので、幸せなライフプランを目指して、これから向き合っていけたらいいなと思いました。
  • 私は生理によるPMSの症状を実感したことがあまりありません。しかし、“PMS”のせいだと思ったことがないだけで、普段からイライラしたりすることはもちろんあります。そのため気分の日記をつけてみることにより、生理の前になると特定の症状が現れるなど、新たな発見ができるかもしれないなと思いました。なので、自分の体と向き合っていくためにも気分の日記など、記憶ではなく記録に頼る習慣をつけていこうと思います。また、女性ホルモンは本当にちょっとした生活習慣、食生活の悪化、ストレスなどで、乱れるということ知りました。私は何かと寝る時間が遅くなってしまいがちなので、体を大切にしていくためにも、自分自身の生活習慣も見直していきたいです。自分が十年後、二十年後、どうなっていたいのかを想像し、今これには興味がないからなどと視野を狭めず、多くの視点を持って、ゆっくりと人生計画を考えていきたいと思います。
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