2020年度 第8回 学生スタッフレポート
世界中どこでも、グローカルに生き抜く智慧と術
小川 美農里 氏(ダーナビレッジ 代表 / チャルジョウ西会津農場代表 / 全国愛農会理事 / 日本ホリスティック医学協会専門会)
「総合2020」第8回、9月10日の講演は、体験型宿泊施設『Dana Village』を運営している、小川美農里さんにお話ししていただきました。
小川さんは高校生のときに、パラグアイを訪問し、大統領官邸前にあるスラム街、そこで物乞いをする先住民の姿に衝撃を受けたそうです。また、日本一ホームレスが多いとされる大阪西成区の光景を目にして、日本と世界が繋がっていることを実感したそうです。
そして、「自分の目で見よう」と思ったことから、大学を休学してイラクやヨルダンをはじめ世界中に足を運び、ルワンダやケニアではボランティア活動を行ったそうです。抱いていたイメージと違い、イラクやヨルダンはとても暖かく平和な地域でした。現地の文化に触れるなかで、宗教に対する考え方が変わり、考え方が柔軟になるとともに、自分の持つ潜在的な差別に気がついたと言います。
20代の頃の目標は「世界平和と環境保全に協力する」だったと小川さんは言います。看護師として病院に勤務するなかで、その目標との矛盾を感じる日々だったそうです。そのようなときに、東日本大震災の原発事故を目の当たりにし、「持続可能で幸せに生きられる暮らし」とは何かを考えるようになり、インドにある世界最大のエコビレッジ・オーロヴィルへ行き、現地でボランティア活動をしながら2年間暮らしました。オーロヴィルは国際都市で、人種・宗教に関係なく様々な人が暮らしています。そこでは、金銭獲得のためではない仕事の仕方、自己の選択が尊重される医療や教育、持続可能な農業を目にし、多様性の中にある調和を感じたそうです。オーロヴィルについて小川さんは「自由度が高かった」と言います。そしてこの「自由度の高い」環境が人々が幸せに生きることにつながるとお話されていました。
しかし、「自由度が高い」と言ってもルールがない、好き勝手やってよい、というわけでではありません。広い選択肢の中から、自分で自由に選んだことの結果を受け止めることができて初めて、人は「自由」になれる。この小川さんの言葉がとても印象的で、私は「自由」ということについて、考えさせられました。
小川さんは現在、福島県で『Dana Village』という体験型宿泊施設を営まれています。『Dana Village』は「すべての人々が持つギフトを贈り合い、いのちが輝く場所」として作られました。そして、「持続可能で幸せに生きられるくらし」を求める小川さんが、これまでに経験したことを生かし、自然と健康に優しい生活を実践している場所でもあります。
「みんな『変える力』は持っている」「自分の力を信じて」と小川さんは言います。しかし同時に、「まずその人が健康に生きていないと、誰かのために何かをすることはできない」ともおっしゃっていました。そのためには、まず本来の自分らしさを取り戻し、健康に生きられるようにする必要があります。『Dana Village』では、有機農業体験やヴィーガン食、ヨガを中心に、自然の中で暮らすことで心身を整えていく、そんな生活が営まれています。忙しい日々の中で、生きている私たちは今、そんな暮らしを必要としているのかもしれません。
小川さんの紡ぐ言葉は私にとって新鮮なものばかりで、考えさせられ、気づかされ、勇気をもらった90分でした。特に印象的だったのが「自己実現と社会貢献は両立できる」「何かをするため、誰かを支援するために最も大切なのはその人が健康に生きていること」という言葉です。日本では、自己犠牲が良いこととされる傾向が強いように感じますし、自分自身そう思っていた部分もあります。
自分の自由や、やりたいことが制限されてなお、誰かのために、何かに尽くしている人はかっこいい、素敵だ、と。しかし、小川さんの「誰かのために何かをすることは、その人が健康でなければできない」という言葉を聞いて確かに…と心の底から納得してしまいました。
自分が心身ともに健康でいられなければ、誰かに何か良い影響を与えられるわけがありません。小川さんのお話を聞いて、この単純だけど本質的なことに今更ながら気づくことができました。
私は、将来自分のやりたいことをとるか、やるべきだろうと思うことをとるかで悩んでいましたが、小川さんの言葉を頭の片隅において、自分が納得できる方法で自己実現と社会貢献を両立させていきたいと思います。
今回の講演では、小川さんの生き方から、自由に生きるためのヒントを学ぶことができました。そして、小川さんの言葉に、勇気づけられました。
人にギフトを贈ることのできる人になるために、自分自身ときちんと向き合って生きていこうと思います。
小川さんは高校生のときに、パラグアイを訪問し、大統領官邸前にあるスラム街、そこで物乞いをする先住民の姿に衝撃を受けたそうです。また、日本一ホームレスが多いとされる大阪西成区の光景を目にして、日本と世界が繋がっていることを実感したそうです。
そして、「自分の目で見よう」と思ったことから、大学を休学してイラクやヨルダンをはじめ世界中に足を運び、ルワンダやケニアではボランティア活動を行ったそうです。抱いていたイメージと違い、イラクやヨルダンはとても暖かく平和な地域でした。現地の文化に触れるなかで、宗教に対する考え方が変わり、考え方が柔軟になるとともに、自分の持つ潜在的な差別に気がついたと言います。
20代の頃の目標は「世界平和と環境保全に協力する」だったと小川さんは言います。看護師として病院に勤務するなかで、その目標との矛盾を感じる日々だったそうです。そのようなときに、東日本大震災の原発事故を目の当たりにし、「持続可能で幸せに生きられる暮らし」とは何かを考えるようになり、インドにある世界最大のエコビレッジ・オーロヴィルへ行き、現地でボランティア活動をしながら2年間暮らしました。オーロヴィルは国際都市で、人種・宗教に関係なく様々な人が暮らしています。そこでは、金銭獲得のためではない仕事の仕方、自己の選択が尊重される医療や教育、持続可能な農業を目にし、多様性の中にある調和を感じたそうです。オーロヴィルについて小川さんは「自由度が高かった」と言います。そしてこの「自由度の高い」環境が人々が幸せに生きることにつながるとお話されていました。
しかし、「自由度が高い」と言ってもルールがない、好き勝手やってよい、というわけでではありません。広い選択肢の中から、自分で自由に選んだことの結果を受け止めることができて初めて、人は「自由」になれる。この小川さんの言葉がとても印象的で、私は「自由」ということについて、考えさせられました。
小川さんは現在、福島県で『Dana Village』という体験型宿泊施設を営まれています。『Dana Village』は「すべての人々が持つギフトを贈り合い、いのちが輝く場所」として作られました。そして、「持続可能で幸せに生きられるくらし」を求める小川さんが、これまでに経験したことを生かし、自然と健康に優しい生活を実践している場所でもあります。
「みんな『変える力』は持っている」「自分の力を信じて」と小川さんは言います。しかし同時に、「まずその人が健康に生きていないと、誰かのために何かをすることはできない」ともおっしゃっていました。そのためには、まず本来の自分らしさを取り戻し、健康に生きられるようにする必要があります。『Dana Village』では、有機農業体験やヴィーガン食、ヨガを中心に、自然の中で暮らすことで心身を整えていく、そんな生活が営まれています。忙しい日々の中で、生きている私たちは今、そんな暮らしを必要としているのかもしれません。
小川さんの紡ぐ言葉は私にとって新鮮なものばかりで、考えさせられ、気づかされ、勇気をもらった90分でした。特に印象的だったのが「自己実現と社会貢献は両立できる」「何かをするため、誰かを支援するために最も大切なのはその人が健康に生きていること」という言葉です。日本では、自己犠牲が良いこととされる傾向が強いように感じますし、自分自身そう思っていた部分もあります。
自分の自由や、やりたいことが制限されてなお、誰かのために、何かに尽くしている人はかっこいい、素敵だ、と。しかし、小川さんの「誰かのために何かをすることは、その人が健康でなければできない」という言葉を聞いて確かに…と心の底から納得してしまいました。
自分が心身ともに健康でいられなければ、誰かに何か良い影響を与えられるわけがありません。小川さんのお話を聞いて、この単純だけど本質的なことに今更ながら気づくことができました。
私は、将来自分のやりたいことをとるか、やるべきだろうと思うことをとるかで悩んでいましたが、小川さんの言葉を頭の片隅において、自分が納得できる方法で自己実現と社会貢献を両立させていきたいと思います。
今回の講演では、小川さんの生き方から、自由に生きるためのヒントを学ぶことができました。そして、小川さんの言葉に、勇気づけられました。
人にギフトを贈ることのできる人になるために、自分自身ときちんと向き合って生きていこうと思います。
国際関係学科1年 どんぐり
コメントシートより
- 特にインドでの小川さんの経験や発表途中に出てきたグラフを見て、日本は生きにくいことを知った。自己肯定感が低いのも今まではそれが当たり前だと考えていたが、他国と比べてみるとそれが当たり前ではないことがわかった。日本は比較的治安が良いと感じるが、治安がいいことと生きやすいかどうかはイコール関係ではないことがはっきりした。現在私もスマホやSNSが無いと不安になるような生活を送っている。しかしそれが自分自身をさらに苦しめていること、自己肯定感を低くしていることにつながっていることに気がついた。これからはスマホの見過ぎには気を付けたい。また、私は今まで学生だからという言い訳をして、社会問題について疑問があっても行動には移せないでいた。しかし小川さんの「自分が変える力を持っていることを知る」という言葉から、自分でも何かできると考えて、行動に移していきたいと考えた。
- 今回の講演を通して、医療や食、情報の面で、自分が過剰に利用したり摂取していることに気づいた。今までは少ない方が悪いと思っていたが、過剰にあることで自身が疲れたり、自分で解決する力がなくなってしまうため、必要最小限の物で済ませるのでも十分だということに気付かされた。
- 私にも小川さんのように世界を平和にしたいという思いが強いが、私はただただ思っているだけで何もアクションを起こせていない。小川さんが講演の中でおっしゃっていたように「自分で考えて自分で動く」ということが本当に大切で、私に足りていないものはこれだったのだと気付かされた。また、私も世界平和を強く願う人とそうでない人の違いについて考えたことがあったがその時に答えを出すことはできなかった。そのため、小川さんの結論である「自分らしく生きれているかどうか」というのにすごく納得させられ、これから私がどのように生きていくかを考えさせられる良い機会になった。何もしないと何も変わらないというお言葉を胸にこれから行動を起こしていきたいと思う。
- 小中高と進学し、卒業後は就職、定年までその会社で働くことが「普通の」人生とされる世の中で、自分の考えを貫き、力を尽くして社会に貢献する講演者の生き方がとても眩しく映った。 オーロヴィルで、問題を起こした青年を疎外するのでも責めるのでもなく、普段通りにコミュニティに戻すという選択が当然のようにできていたことに感嘆した。けれど、それも小さな共同体だからこそ叶えられたことで、国単位の集団で誰も疎外することなく受け入れることはとても難しいと感じる。 しかしだからこそ、講義で共生できる共同体と衝突する共同体の違いは相手を尊重できるかどうかだと語られていた通りに、一人一人が相手を尊重することがより重要になってきていると感じた。