2020年度 第23回 学生スタッフレポート
『思うことから、すべては始まる』サンマーク出版かるたに学ぶ逆境への心構え
植木 宣隆 氏(サンマーク出版代表取締役社長)
みなさんこんにちは! 第23回の講演では、サンマーク出版代表取締役社長の植木宣隆さんに講演していただきました。サンマーク出版は『人生がときめく片づけの魔法』や『コーヒーが冷めないうちに』などの数々のミリオンセラーを生み出している会社です。そんな会社の代表取締役である植木さんは、編集者として26年、社長として18年という長い年月を過ごしてきた中で、多くの経験をしてきたそうです。今回はその経験談を交えながら、心に響く多くの言葉を紹介してくださいました。
今回は植木さんのご著書である『思うことから、すべては始まる』から内容を抜粋してお話してもらいましたが、これは、植木さんが社長になってからの18年間で、仕事をする上で大切にしていること、出版社や編集者が心がけていないといけないこと、営業上の鉄則などを「いろはにほへと」に沿って見出しを付けて書かれたものです。講演の中で私が特に印象的だった話が二つあります。
一つ目は、「限界意識」を取り除こう、というお話です。ノーベル賞受賞者がいる研究室からは次々と受賞者が生まれると言われます。優秀な人が集まっているからそうなるのだろうということが一番に思い浮かぶかもしれません。植木さんによると、ノーベル賞受賞者が次々と生まれる理由は必ずしも優秀な人が集まっているということではなく、そこには「限界意識」が関係していると考えられます。一緒にお昼を食べて馬鹿を言っているような同僚がノーベル賞をとる。そうすると「あの人ができるのなら自分もできるのではないか?」というように、「限界意識」がはじけて自分もやろうと思えるのだそうです。
サンマーク出版では、「限界意識」を取り払うために、20年前から毎年年始に社員全員が「おおぼら」目標を発表して一年を始めるようにしています。もちろんおおぼらですから、その目標は簡単には実現しません。しかし、中にはすごいほらが実現することもあります。ある社員が「今年はこの本をミリオンセラーにします」とおおぼらを吹き、なんとそれが年末に叶ったのだそうです。そしてその数年後、同じ人が今度は違う本で「今年は2冊目のミリオンセラーを作ります」と全員の前で発表し、再び実現します。これはほらを吹いて「限界意識」を取り除いたことが実現の理由のうちの一つではないか、と植木さんはおっしゃっていました。
二つ目に心に残ったお話は、「苦難困難を乗り越えてこそ」ということについてです。苦難困難はない方が良いように思えますが、植木さんはそうは思っておらず、本を作って企画する時にも、困難を乗り越えてこそ辿り着けるような頂の高い物を目指している、とおっしゃっていました。植木さんは、今までの人生で2つの大きな苦難困難を経験したことによって、そのような考え方に至ったそうです。七人兄弟の末っ子の植木さんは、小学校5年の時に次兄が自死してしまった出来事を経験してから、しばらく立ち直れませんでした。しかし、中学二年の時にフランスの作家のロマン・ロランによる長編小説『ジャン・クリストフ』と出会い、主人公が成長していく過程を読むことによって、「これで自分も生きていける」、と立ち直る力をもらったそうです。また、植木さんが社長になった際、会社の財務状態の確認が上手くできないまま就任したため、グループ会社が破綻したときには本当に大変な思いをした、と語っていました。実際の会社の財務状況を把握して、必死に銀行に融資をお願いしたことでなんとか会社を立て直したそうです。この2つの大きな苦難困難を乗り越えてきたからこそ今があり、その時のことを思い出せば今のコロナも大丈夫だと言える、とおっしゃっていた姿が前向きでとても印象的でした。
今まで様々な困難があったとお話されていましたが、講演をしている時の植木さんは、本当に前向きに先を見ている方なのだと改めて感じさせられました。「限界意識」を取り除くことも、「苦難困難を乗り越えてこそ」自分が成長できると考えることも、今年度の「俯瞰力」というテーマに繋がっていると思います。みなさんもコロナウイルスの影響で大変な世の中を大学生として生きていますが、今回の講演で少しでも前向きになれる言葉や考え方を見つけられたのではないでしょうか? 何か一つでも胸にとめて、これからの学生生活を送っていってもらえたら嬉しいです。
今回は植木さんのご著書である『思うことから、すべては始まる』から内容を抜粋してお話してもらいましたが、これは、植木さんが社長になってからの18年間で、仕事をする上で大切にしていること、出版社や編集者が心がけていないといけないこと、営業上の鉄則などを「いろはにほへと」に沿って見出しを付けて書かれたものです。講演の中で私が特に印象的だった話が二つあります。
一つ目は、「限界意識」を取り除こう、というお話です。ノーベル賞受賞者がいる研究室からは次々と受賞者が生まれると言われます。優秀な人が集まっているからそうなるのだろうということが一番に思い浮かぶかもしれません。植木さんによると、ノーベル賞受賞者が次々と生まれる理由は必ずしも優秀な人が集まっているということではなく、そこには「限界意識」が関係していると考えられます。一緒にお昼を食べて馬鹿を言っているような同僚がノーベル賞をとる。そうすると「あの人ができるのなら自分もできるのではないか?」というように、「限界意識」がはじけて自分もやろうと思えるのだそうです。
サンマーク出版では、「限界意識」を取り払うために、20年前から毎年年始に社員全員が「おおぼら」目標を発表して一年を始めるようにしています。もちろんおおぼらですから、その目標は簡単には実現しません。しかし、中にはすごいほらが実現することもあります。ある社員が「今年はこの本をミリオンセラーにします」とおおぼらを吹き、なんとそれが年末に叶ったのだそうです。そしてその数年後、同じ人が今度は違う本で「今年は2冊目のミリオンセラーを作ります」と全員の前で発表し、再び実現します。これはほらを吹いて「限界意識」を取り除いたことが実現の理由のうちの一つではないか、と植木さんはおっしゃっていました。
二つ目に心に残ったお話は、「苦難困難を乗り越えてこそ」ということについてです。苦難困難はない方が良いように思えますが、植木さんはそうは思っておらず、本を作って企画する時にも、困難を乗り越えてこそ辿り着けるような頂の高い物を目指している、とおっしゃっていました。植木さんは、今までの人生で2つの大きな苦難困難を経験したことによって、そのような考え方に至ったそうです。七人兄弟の末っ子の植木さんは、小学校5年の時に次兄が自死してしまった出来事を経験してから、しばらく立ち直れませんでした。しかし、中学二年の時にフランスの作家のロマン・ロランによる長編小説『ジャン・クリストフ』と出会い、主人公が成長していく過程を読むことによって、「これで自分も生きていける」、と立ち直る力をもらったそうです。また、植木さんが社長になった際、会社の財務状態の確認が上手くできないまま就任したため、グループ会社が破綻したときには本当に大変な思いをした、と語っていました。実際の会社の財務状況を把握して、必死に銀行に融資をお願いしたことでなんとか会社を立て直したそうです。この2つの大きな苦難困難を乗り越えてきたからこそ今があり、その時のことを思い出せば今のコロナも大丈夫だと言える、とおっしゃっていた姿が前向きでとても印象的でした。
今まで様々な困難があったとお話されていましたが、講演をしている時の植木さんは、本当に前向きに先を見ている方なのだと改めて感じさせられました。「限界意識」を取り除くことも、「苦難困難を乗り越えてこそ」自分が成長できると考えることも、今年度の「俯瞰力」というテーマに繋がっていると思います。みなさんもコロナウイルスの影響で大変な世の中を大学生として生きていますが、今回の講演で少しでも前向きになれる言葉や考え方を見つけられたのではないでしょうか? 何か一つでも胸にとめて、これからの学生生活を送っていってもらえたら嬉しいです。
国際関係学科2年 すみれ
コメントシートより
- 植木さんのお話は、このコロナの時期だからこそより重く深い言葉だった。知らない間に限界意識が芽生えていたり、素直ではなかったり、自分らしさに疑問を感じたり、大学生になってたくさん出てきた悩みや疑問が全て植木さんのアドバイスに含まれていたため、強く胸に響いた。どれも自分には必要な考え方で、現状に満足せず、日々成長していくことが必要だと感じた。また私の母も経営者なので、今回の植木さんの考え方や、やり方を伝えようと思った。
- 会社の決まりの一環に、「おおぼらを吹く」ということがあると聞いたが、私は最初聞いたときには、「社員さんは恥ずかしくないのかな」と感じた。今まで、自分の意見を述べる場は多くあったが、その度に私は「この考え方で大丈夫かな」と思う。それは、相手との違いを恐れているからだった。しかし「おおぼら」と銘打つ程に、叶いそうにもない大きな夢を語ることは、相手も自分との違いを楽しく聞いてくれるのではないかと感じた。せっかく誰かに語るなら、話は大きすぎるぐらいの方がいいのではないかと思わせてくれた。
- 講演を通して特に印象的だったのは、「強みを伸ばす意識」ということです。これについては、以前就職の説明会で「大切なのは短所をなくすことよりも自分自身の持っている長所一つを伸ばすこと」というのを聞いたことがあり、改めて大切なことだと気づかされました。これは私だけではないと思いますが、つい自分を他人と比較し、劣っていると感じたりコンプレックスに感じる点を見つけるとそれをどうにかして無くそうとする努力をしがちだと思います。それは決して悪いことではないと思いますし、自分自身を磨く方法の一つだと思います。しかし、それ以上に人より少しでも得意としていることや長所を伸ばすことができれば、それが自分の強い力になるはずです。そして、植木さんがおっしゃっていたように、互いのマイナス=短所をフォローし合えたら、最高だと思いますし、それが「みんな違ってみんな良い」ということだと思います。人それぞれ長所と短所を持っているからこそ、足りないところを補い合う、助け合うことができますし、それはとても素敵なことだと感じました。