2020年度 第2回 学生スタッフレポート
難民と私—等身大の津田塾生と考える—
大谷 苑子 氏(国際関係学科4年 / トビタテ!留学JAPAN7期生)
「総合2020」第2回、5月21日(木)は、アンコール講演という形で、「総合2018」第25回に講演をしていただいた大谷苑子さんのお話をお聞きしました。大谷さんは当時、津田塾大学4年生であり、難民支援の活動をされていました。
これが津田塾生か。自分と同じ現役の学生が、ここまでのことをできるのか。
自分のやりたいこともわからず、大学生になった自覚すら持てないまま、日々課題に追われている私にとって、大谷さんは全てにおいて圧倒的に感じられました。大谷さんがされてきた活動はもちろん、その行動力、ものごとの捉え方、そして、こんなにも素晴らしい講演を作り上げていることに衝撃を受け、画面に釘付けになった90分でした。
小学校6年生の時に、自分は恵まれた環境にいて、そんな自分と対極とも言える生活をしている子供達がいる事を知った大谷さん。自分が恵まれている分、何か還元しなければいけないという使命感が生まれたと言います。その使命感が、大谷さん自身のモチベーションになり、難民支援協会のインターンに参加したり、WELgeeという難民と交流を持つ場に積極的に参加したり出来るのだなと強く感じました。
今回の講演でいちばん印象に残っている事は、日本にいる難民ではなく、実際に難民キャンプにいる難民に会いに行った時、難民を「怖い」と感じてしまったとおっしゃっていた事です。日本にいる以上、必然的に難民がマイノリティーになっていたけれど、自分が難民キャンプに行き、反対に難民がマジョリティーになる事で恐怖を感じたという大谷さん。また、彼らとの価値観の違いが目に見えて分かる瞬間もあり、難民との共生は難しいかもしれないと感じたそうです。しかしそのような経験をしたからこそ、彼らとの共生について現実的に考える貴重な時間を過ごす事ができたとおっしゃっていました。
さらに、これらの経験があった事で自身の難民に対する考え方に大きな変化があったと言います。もともと日本に難民を積極的に受け入れる事で難民問題を少しでも解決したい、という姿勢だった大谷さんでしたが、この経験から「難民を受け入れすぎてしまっては、共生をすることは難しい。あくまでコミュニティのバランスを保たなければならず、難民と地域住民の双方に負担のかからない方法を模索しなければいけない」という、より現実的な考えに成長したそうです。
私自身、日本にたくさんの難民を受け入れ、日本国内で難民の方々に仕事や住む場所を提供することが何よりも大切だと考えていたため、大谷さんの「難民を国に多く受け入れてしまうことで起こる負の側面」のお話を聞き、日本が受け入れ国になる方法以外に難民支援の方法はないか考える事ができるようになりました。
まだまだ自身のことを発展途上だと言い、「自分の中の難民への見解をもっと広げなければならない」とおっしゃった大谷さん。今までたくさんの経験をしてきたにも関わらず、現状の自分に満足せずに常に向上心を持って難民問題解決に取り組む大谷さんの姿勢にとても感銘を受けました。
また、大谷さんがおっしゃったことのなかで、「ボランティアはお礼を言ってもらうためにするものじゃない。」という言葉も強く印象に残っています。たしかに、ボランティアとは、「自ら進んで社会事業などに無償で参加する人(広辞苑第六版より)」であり、何かを求めてやるものではありません。しかし私は、大谷さんの話を聞くまで、お礼を言われて当然だ、とどこかで思っていました。思っていたというより、思っていたことにすら気づかなかったと言った方が正しいかもしれません。みなさんはどうでしょうか。社会には、無意識のうちに「難民は助けてあげる可哀想な存在」と認識している人が多いように感じます。このように、気づかないうちにそう思っていた、ということは多々あるのではないでしょうか。これは、今年度の「総合」のテーマでもある“俯瞰力”が欠けている人が今の社会に多いためではないかと思います。そして、大谷さんがこのことに違和感を感じることができたのは、これまでされてきた活動の中で“俯瞰力”を培ったことで、固定観念を取り払い、難民について違う側面から捉えることができたからではないかと思いました。
大学3年生の時から、難民支援の活動を始め、留学を考えたという大谷さんは、ご自身をスロースターターだとおっしゃっていました。しかし、周りが就職活動へと向かう中、自分自身を見つめ、しっかりと目的を持って行動したからこそ、留学を始め、大変充実した活動ができたのだと思います。勉強に、趣味に没頭し、時に快適なゾーンから出て、様々な人と出会うことにより、見えなかったものが見えるようになる、自分の意見がどんどん変わる。大谷さんにとって大学5年間はそうした変化そのものであり、それは“引き出しの多い人間”になるために、大切なものだったと言います。またそうした変化は、今回私が圧倒された、行動力、ものごとの捉え方、この講演を作る力、俯瞰力など、大谷さんの魅力を形作るのにも大きな役割を果たしているのではないかと思いました。
今回、大谷さんの話を聞いて、これからの大学生活、とにかく頑張らなければならないと改めて感じました。やりたいこと、やるべきことに没頭し、変化を求めてたくさんの人と関わりたい、そうして、“俯瞰力”を身につけ、“引き出しの多い人間”になりたいです。
これが津田塾生か。自分と同じ現役の学生が、ここまでのことをできるのか。
自分のやりたいこともわからず、大学生になった自覚すら持てないまま、日々課題に追われている私にとって、大谷さんは全てにおいて圧倒的に感じられました。大谷さんがされてきた活動はもちろん、その行動力、ものごとの捉え方、そして、こんなにも素晴らしい講演を作り上げていることに衝撃を受け、画面に釘付けになった90分でした。
小学校6年生の時に、自分は恵まれた環境にいて、そんな自分と対極とも言える生活をしている子供達がいる事を知った大谷さん。自分が恵まれている分、何か還元しなければいけないという使命感が生まれたと言います。その使命感が、大谷さん自身のモチベーションになり、難民支援協会のインターンに参加したり、WELgeeという難民と交流を持つ場に積極的に参加したり出来るのだなと強く感じました。
今回の講演でいちばん印象に残っている事は、日本にいる難民ではなく、実際に難民キャンプにいる難民に会いに行った時、難民を「怖い」と感じてしまったとおっしゃっていた事です。日本にいる以上、必然的に難民がマイノリティーになっていたけれど、自分が難民キャンプに行き、反対に難民がマジョリティーになる事で恐怖を感じたという大谷さん。また、彼らとの価値観の違いが目に見えて分かる瞬間もあり、難民との共生は難しいかもしれないと感じたそうです。しかしそのような経験をしたからこそ、彼らとの共生について現実的に考える貴重な時間を過ごす事ができたとおっしゃっていました。
さらに、これらの経験があった事で自身の難民に対する考え方に大きな変化があったと言います。もともと日本に難民を積極的に受け入れる事で難民問題を少しでも解決したい、という姿勢だった大谷さんでしたが、この経験から「難民を受け入れすぎてしまっては、共生をすることは難しい。あくまでコミュニティのバランスを保たなければならず、難民と地域住民の双方に負担のかからない方法を模索しなければいけない」という、より現実的な考えに成長したそうです。
私自身、日本にたくさんの難民を受け入れ、日本国内で難民の方々に仕事や住む場所を提供することが何よりも大切だと考えていたため、大谷さんの「難民を国に多く受け入れてしまうことで起こる負の側面」のお話を聞き、日本が受け入れ国になる方法以外に難民支援の方法はないか考える事ができるようになりました。
まだまだ自身のことを発展途上だと言い、「自分の中の難民への見解をもっと広げなければならない」とおっしゃった大谷さん。今までたくさんの経験をしてきたにも関わらず、現状の自分に満足せずに常に向上心を持って難民問題解決に取り組む大谷さんの姿勢にとても感銘を受けました。
また、大谷さんがおっしゃったことのなかで、「ボランティアはお礼を言ってもらうためにするものじゃない。」という言葉も強く印象に残っています。たしかに、ボランティアとは、「自ら進んで社会事業などに無償で参加する人(広辞苑第六版より)」であり、何かを求めてやるものではありません。しかし私は、大谷さんの話を聞くまで、お礼を言われて当然だ、とどこかで思っていました。思っていたというより、思っていたことにすら気づかなかったと言った方が正しいかもしれません。みなさんはどうでしょうか。社会には、無意識のうちに「難民は助けてあげる可哀想な存在」と認識している人が多いように感じます。このように、気づかないうちにそう思っていた、ということは多々あるのではないでしょうか。これは、今年度の「総合」のテーマでもある“俯瞰力”が欠けている人が今の社会に多いためではないかと思います。そして、大谷さんがこのことに違和感を感じることができたのは、これまでされてきた活動の中で“俯瞰力”を培ったことで、固定観念を取り払い、難民について違う側面から捉えることができたからではないかと思いました。
大学3年生の時から、難民支援の活動を始め、留学を考えたという大谷さんは、ご自身をスロースターターだとおっしゃっていました。しかし、周りが就職活動へと向かう中、自分自身を見つめ、しっかりと目的を持って行動したからこそ、留学を始め、大変充実した活動ができたのだと思います。勉強に、趣味に没頭し、時に快適なゾーンから出て、様々な人と出会うことにより、見えなかったものが見えるようになる、自分の意見がどんどん変わる。大谷さんにとって大学5年間はそうした変化そのものであり、それは“引き出しの多い人間”になるために、大切なものだったと言います。またそうした変化は、今回私が圧倒された、行動力、ものごとの捉え方、この講演を作る力、俯瞰力など、大谷さんの魅力を形作るのにも大きな役割を果たしているのではないかと思いました。
今回、大谷さんの話を聞いて、これからの大学生活、とにかく頑張らなければならないと改めて感じました。やりたいこと、やるべきことに没頭し、変化を求めてたくさんの人と関わりたい、そうして、“俯瞰力”を身につけ、“引き出しの多い人間”になりたいです。
国際関係学科1年 どんぐり
国際関係学科1年 ぺんぎん
コメントシートより
- 変化をするには自分が快適だと思うゾーンからでてチャレンジすることが大切。今の自分にとても染みる言葉が多くあり一歩踏み出す勇気を与えてもらえた。
- 難民についてもここまでリアルな実体験を聞ける機会はとても貴重だと思うので、これを機に調べたり、チャンスがあればボランティアの体験などもしてみたいなと思いました。
- 「自分のゾーンから出て挑戦することを積極的にやる」という言葉は今まで狭い視野でしか物事を見ていなかった私にとって大きな学びだった。これからは新しいことや知らないことを恐れず挑戦したい。
- 講演を聴いて、私たちは難民を支援するという考え方から難民と共に生きる、また共に未来を作り出していくという考え方に目を向けていかなければならないと気づかされました。物質的な支援だけでなく次に繋がるような支援が必要なのだと思います。けれども、簡単に難民をたくさん受け入れるといっても様々な問題があることも知りました。