2020年度 第16回 学生スタッフレポート

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狭い「箱」から出て、広い世界に飛び立とう。

石倉 洋子 氏(一橋大学名誉教授)

みなさんこんにちは!第16回の「総合2020」では、一橋大学名誉教授の石倉洋子さんに講演していただきました。石倉さんはグローバル⼈材、多様性推進、⼥性活⽤などに関するセミナーや講義をされており、アジア・欧⽶の会議のパネリストを務めるなどグローバルな分野で活躍されている方です。今回は、そんな石倉さんから広い世界で活躍するための思考法についてお話を伺いました。

講演の序盤でお話してくださったのが新型コロナウイルスによって世の中が目まぐるしく変わりつつあるということです。集団で行うことが多かった授業やセミナーなどの形式は変わり、自由に行き来できていた国境はなかなか超えることができなくなりました。働き方や人との付き合い方、学び方など様々な場所で当たり前という前提が崩れてしまうのはマイナスなことのように捉えられがちですが、石倉さんは今の状況をイノベーションや変革のまたとない機会だと考えているそうです。国境・地域は閉鎖され、物理的移動は難しくなりましたが、その代わりに世界の誰とでもオンライン上でコンタクトがとれるほどにテクノロジーが進化してきました。「今までの世界に戻る、同じようなやり方でやるというのは忘れた方がいい。元に戻るというのは「幻想」であり、そんなことを考えていたら前へ進めない。」とおっしゃる石倉さんは、オンライン上で英語でディスカッションするイベントの主催を通して、常に新しい世界の人と関わりを持とうとしているそうです。私自身、新型コロナウイルスの影響で急激に大学生活が変わり、それに対応しきれずに成績が落ちてしまったりしていました。しかし、同じ状況に直面してもこんなにも前向きに変化を捉えられる方がいることに驚くとともに、今までのやり方にこだわらず、新しいやり方を模索してどんどんと前へ進む石倉さんの姿がとても素敵だと思いました。

石倉さんの講演では何回も「自分で」という言葉が使われたのが印象的でした。多くの人は一度は自分と他人を比べて「自分はダメだ。自分にはすごいところがない。」と思ったことがあるのではないでしょうか。しかし、石倉さんは「一人一人がユニークであり、ここに存在していることにはきっと意味がある」、だから、他人と比べる必要はないとおっしゃいます。いかに自分がユニークなのかを自覚し、自分のユニークさを活用し、どんなことができるのかを考えることが大切なのだそうです。石倉さんのように自らを客観的に見つめ、より広い視野で自分にできることを考えていくことは、今年度の「総合」のテーマである「俯瞰力」に繋がるものだと感じました。また、そのように自分の人生のストーリーを自分で描くためには、自分で考える、判断する、実践するということを通して、自立と自律を得ることが不可欠だとおっしゃっていました。例えば、ある分野の権威の方が言っていることであっても、「本当にそうなのかな?」と常に疑って問題意識を持つことで、自分で考え、判断することに繋がります。そのためには、常に多様な情報源から世界の課題にリアルタイムで触れることが大切であり、石倉さんは英語の力を落とさないためにも毎日ポッドキャストを聴いているそうです。「自信は他の人がどうにかできるものではなく、自分でしか与えられない」という石倉さんのお言葉が私は強く心に残りました。常に疑問を持ち、新しい関係を築くための努力をしていらっしゃるからこそ、世界で活躍されているのだと感じました。

6年ほど前からフリーランスとして活動されている石倉さんは、ご自身のことを「自遊人」だと称されていました。これからはどこかの組織に属さずに個人として世界で活躍することを目標とされており、そのためにはより広く高い目標を持って活動したいからだそうです。誕生日にスカイダイビングに挑戦したり、ディスカッションの場で行きたい場所として国際宇宙ステーションを挙げたりするなど、楽しみながらどんどんと新しいことにチャレンジしようとする石倉さんは、まさに「自遊人」を体現されているのではないかと思います。石倉さんが今まで培われてきた考え方を知ることで、受講生は世界につながるより広い視点を得ることができたのではないでしょうか。私も「自遊人」になるために今回の講演で得た考え方ややり方を取り入れて、日々の中で実践していきたいです。

国際関係学科2年 すみれ

コメントシートより

  • 今回の講演は、今の私たちにとても希望を与えてくださるものでした。昨今の世の中では、「コロナだから仕方ない」「コロナが落ち着いたらできるといいね」といったことをよく口にしたり、耳にしたりすることが多いように感じます。しかし、石倉さんがおっしゃっていた「アフターコロナでなく、ウィズコロナ」がまさに現実であると思います。今の私たちがやるべきことは、コロナのせいにして後回しにするのではなく、コロナ渦の中で何ができるか、今後も続いていくだろうこの世の中に何を残していくべきかを、自分自身でしっかりと考えることであると感じました。海外に行けないから何もできないではなくて、国内でいかに語学の勉強をできるか、テクノロジーを利用して国際交流を行える場所はないのか、自分自身で学びを広げていくことは無限大であるはずです。今までコロナウイルスを言い訳にして、甘えていた部分があったと思います。しかし、今日の講演を聞いて、常に世界の課題に触れるという意識や、常に疑問・問題意識を持ち続けることで、自分自身の考えを深め、これまでの常識や前提を超えるような目標を見つけたいと思いました。私はまだはっきりと自分に自信は持てませんが、自分の考えや興味は素直に信じて、自分のストーリーをつくっていきたいと思います。
  • What if? を考えて自分ならどうするか常に考えて準備をしておくことが重要であるという言葉が印象に残っている。地震や緊急事態宣言など目を背けてしまいそうな話題について積極的に考え、常に疑問、問題意識を持つことが大切であると学んだ。どのようにしたら良いかという解決策を考える時にもすぐに正しい答えを探してしまい、自分で考えることをしていない。正しい答えを探そうとするのを止め、自分でしっかり考える癖をつけていきたいと思う。時間はすべての人に平等に与えられているということを聞き、いかに自分が時間を無駄にしているかを思い知った。コロナであまり外出できないから、海外に行けないからと理由をつけて積極的に何か経験しようとしていなかったが、このような状況のなかでどのように学び多くのことを経験できるか考え今後行動していきたいと思う。
  • 今日の講演を聞いて、自分で限界を決めないこと、というメッセージを一番強く感じました。「常に世界の課題に触れること」「多様な情報源を持つこと」「自分を信じること」など様々なアドバイスをお話ししてくださいましたが、どれも心にとても響きました。コロナの影響で大学に通うことができず漠然とした不安を感じていましたが、自分の行動で未来を変えていくことができるんだと気づきました。私は何かを始める前から諦めてしまうことが多いのですが、「決めてかからず試してみる」「自分を信じる」という石倉さんのお言葉にとても励まされました。これからは自分を信じて目標を達成できるように生きていこうと思います。
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