第16回 学生スタッフレポート

  1. HOME
  2. 大学案内
  3. 第16回 学生スタッフレポート

琉球舞踊の現況と展望:東アジアの舞踊との共創の試み

波照間 永子 氏(明治大学情報コミュニケーション学部准教授)
志田 真木 氏(琉球舞踊 重踊流 二世宗家)

 第16回の講演では、講師に波照間永子さん、実演に志田真木さんがお越しくださり、流球舞踊について、教えていただきました。
 琉球舞踊とは琉球、沖縄県内で継承されている舞踊の総称です。歌舞伎舞踊や上方舞などと並び、2009年に重要無形文化財とされています。琉球舞踊は琉球王朝時代、男性官吏やその子弟のみによって踊られていました。踊りの一つ一つの動きには意味があり、ゆっくりとした動きです。また、近年は韓国の舞踊と合わさって成り立っているものもあり、時代を反映させて作られているといえます。琉球舞踊は、古典舞踊、雑踊り、創作舞踊の3つに分けられます。志田真木さんには、古典舞踊で女踊り、雑魚踊りで浜千鳥、創作舞踊で千鳥有情という演目を実演してもらいました。古典舞踊の中核は、女性の情念を抑制された振る舞いで豊かに表現する女踊りです。足の運びなどに独特の技法があります。女踊りの特徴はゆっくりとしていること、また花飾りをつけることです。雑踊りは古典舞踊の技法を元にして、庶民の生活や思いを表現しており、沖縄民謡を伴奏にして、庶民の活力や生き生きとした感情を表す軽快な踊りであるという特徴があります。ひとつひとつの動作に意味があることに驚きました。衣装は、素足または白足袋に、庶民が着ていた日常の着物です。創作舞踊の特徴は、戦後隆盛した琉球舞踊の創作活動の中で生み出された新しい琉球舞踊です。講師の方たちは、文化や歴史の奥深さを伝えることの大切さをお話しされました。また、文化を継承していくためには時代に合わせて形を変えていくべきで、1つの形を保つのではなく、多くのことを取り入れ進化することが大切であるともおっしゃっていました。
 琉球舞踊は琉球王朝時代の文化であるというように固執した考えを持つばかりでは無く、その考えに新しいものを取り入れて、進化させていくことが大切なことだと思いました。また古典舞踊を通じて地域間のつながりを深めたりすることができるのは、素晴らしいことだと思いました。同じ曲でも、時代が異なればテンポも動き方も全く印象が違っていましたが、心情を表す表現は同じだということがとても印象に残りました。伝統舞踊を見る機会があまり無かったので、伝統舞踊の一つである琉球舞踊を見ることができて良い経験になりました。また、講演の当日、首里城が火災に遭ってしまうという残念なニュースがありました。首里城などの建造物は劣化や不慮の事故があり、元の姿を留めることは非常に難しいですが、伝統文化は人から人に伝えられるものなので、ありのままの姿を残すことができます。伝統を絶やさないためにも、文化を大切にしていきたいと思いました。
情報科学科1年 M.M

コメントシートより

  • 舞踊を見たことはなかったので、実際に見て、動きの一つ一つがゆっくりで、丁寧であると感じた。
  • ずっと中腰で踊っていらしたので、優雅に見えるけど、実はものすごく体力と練習が必要なのだと思った。
  • 現代に合わせた舞踊もあるということで少し興味を持った。
  • 琉球舞踊は初めて見たが、三味線や箏、笛、太鼓など音楽性も独特で、踊りも1つのストーリーが出来上がっていてすごく面白いと思った。
Copyright©2019 Tsuda University.
All rights reserved.