第18回 学生スタッフレポート
英語を身につけた先に何がある?
海外で働くという選択肢
高原 大輔 氏(NexSeed.Inc CEO)
田中 萌子 氏(NexSeed.Inc Global Marketing)
みなさん、こんにちは!
11月15日、第19回「総合2018」では、NexSeed.Inc CEOの高原大輔さんと、本学卒業生であり、現在Nexceed.Inc Global Marketingで働いていらっしゃる田中萌子さんにお越しいただきました。高原さんは、ご自身の世界一周の経験を踏まえて感じたことや設立したNexSeed.Incへの思いを、田中さんはパネルディスカッションの形式で、本学を卒業後に経験したことを話してくださいました。
高原さんは、私たちに話し始める前にご自身で撮影された世界一周の動画を見せてくださいました。日本から始まったその動画は、まるで私たちも一緒に世界を見て回っているかのように活動的で、一瞬で引き込まれました。キリマンジャロへの登頂やホノルルマラソンへの参加などの話から行き先を間違えてしまった話、野宿をした話、バスが9時間遅れて来なかった話など、5分に満たない動画でしたが波瀾万丈さが伺えるものでした。
高原さんが世界一周を決めたのは、とあるご老人の話がきっかけだったと言います。その方はとても裕福で、高い地位にいて、何不自由なく暮らしているように見えた方でした。しかし、自分は今までたくさん働いて、地位も名誉もお金も手に入れたけれど、働き詰めでどこにも行けたことがない、やりたいことやしたいことがたくさんあるのに、できる体を持っていない、とおっしゃったそうです。それまで高原さんは、やりたいことを実行に移すには早いと考えていたそうですが、その言葉を聞いて、今この時にしかできないものは何か、今両手に持っているものを手放してまでやることなのか、様々なことを考えた結果、世界一周の旅へと乗り出しました。
高原さんは世界一周の旅を終えたのち、海外で会社を起こしました。それがNexSeed.Incです。NexSeedを立ち上げた理由は世界と日本との架け橋になるためだったそうです。教育で世界を変える、を合言葉にIT×英語を推し進めています。
現在の日本の平均年齢は45歳であり、今後経済が縮小していくことが予想できます。移民を受け入れることは解決策の1つではあるけれど、日本ではそれはとても難しい、と高原さんは言います。その理由の1つに言語障壁があるそうです。海外に出れば、英語は当たり前のように使われています。日本で英語ができるかどうか尋ねても、ほどんどの人が出来ないと答えるでしょう。しかし、インドでは実際には出来なくても、ほぼ100%の人ができると答えます。つまり、英語を話せる気概を持っているのだそうです。日本人は知識として英語をインプットはしていても、実用的にアウトプットをしていない。自分の英語を使う能力に自信がないためにアウトプットをしようとせず、言語の壁ができるのだと高原さんの話から伺えました。また、今の経済はIT企業が中心に動いています。海外で働くためにはITの知識がベースにあることが重要になってくるそうです。例に挙げられたエストニアやフィンランドでは小学校1年生からアプリを開発したり、ゲームを開発したりする授業が開講されています。世界では、プログラミングができて当たり前、といった企業もあるようです。世界総人口約70億人の中で自分がどこの位置に立つのか。プログラミングが出来るだけで、その選択肢が大きく広がり、自由になるのだそうです。
パネルディスカッションでは、最初に高原さんと田中さんが考えてきてくださった質問にそれぞれ返答された後、受講者からの質問に答えてくださいました。海外で働くには英語ができなければいけないのか、という質問に対して、英語ができることに越したことはないけれど、できなくとも問題はなく、飛び込んでみて、やっている内に力がついていった、と田中さんは仰いました。また、異文化交流で感じたことに関して、高原さんは自分の常識の中だけで行動するのではなく、宗教上の問題であったり、文化であったりと自分が感じたことのない様々なことが海外では普通に起こりうるため、絶対に犯してはならないルールがあることを理解しなければならないと、仰いました。英語ができることと話せることは大きく違います。ただ話せるだけではなく、コミュニケーションが取れなければいけません。海外に出た時に役に立つ、自分の強みを発見してほしいというのが高原さんが私たちに強く仰っていたことです。海外で働くには英語は必要かもしれないけれど、一番重要なことはまずは挑戦してみること。一番簡単そうに見えるけれど、実行に移すにはとても難しいことです。
今回の講演を聞いて、世界で働くという憧れは、意外と少しの勇気で踏み出せば叶えられるものなのかもしれないと感じました。英語ができるかどうかは重要ではなく、「そのうちやろう」は、おそらく実現しない可能性の高い「やろう」です。今できることとやりたいことを考え、自分が今できる精一杯を実行に移すことが重要だと思いました。
英文学科2年 あられ
コメントシートより
- 自分の中で海外に対する意識のハードルを上げていたことに気づいた。
- 飛び込んで、ダメなら戻って来れば良いという考えはとても大事だと思った。
- 英語だけでなく、+αの自分の強みを見つけることがこれからの現代社会を生きていく中でとても大事なことなのだなと感じた。
- 海外で働くということは、今まで自分の中にあった当たり前の世界が通じない所に飛び込んでいくということだ。柔軟に対応することがとても大事であるし、相手の立場を知ることもとても大事だと思った。