第6回 学生スタッフレポート

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間接、バナナ、滑りの科学
”Joint, banana and the tribology"

馬渕 清資 氏(北里大学名誉教授)

こんにちは!
5月31日「総合」第7回目は、2014年にイグノーベル賞を受賞された、北里大学の馬渕清資先生に講演していただきました。

今回は、「関節、バナナ、滑りの科学ー科学技術文明、価値観の再考ー」というタイトルのもとお話いただきました。馬渕先生は終始楽しげにお話されており、会場にも笑いが溢れた講演でした。

馬渕先生は、工学部を卒業された後、医学部で学び、現在は、医療工学という分野に従事されております。人工関節がご専門で、本来の関節のように滑らかな人工関節を作るための研究をされています。

「どうしてバナナは滑るのか」
これは、馬渕先生がイグノーベル賞を受賞された研究テーマですが、この研究をなさったきっかけは、関節の滑りの良さを表す例として、バナナを用いたことにあったそうです。「滑」という漢字は、骨(関節)が水のようにさらさら滑るということが由来であるように、関節はとても滑らかであるというお話に、大変驚きました。そして、その滑りを人工関節にも取り入れたい。そう思い、人工関節の研究を行ったそうです。

「関節は、人がバナナの皮を踏んだ時に滑るよりももっと滑る。」
そう自著に書いたからには確かめたい。そんな思いで、バナナの実験を始めた馬渕先生は、バナナで滑る仕組みを詳しく解説してくださり、バナナで滑らないための歩幅なども教えてくださいました。甘いバナナでないと滑らないということや、バナナを踏んで滑るのは人間だけだということは、大変興味深い事実でした。また、バナナを使った実験を、ニュートンのりんごを使った実験のようなものだとおっしゃっていたことが、印象に残りました。

バナナと人工関節。異質なものだが、滑らかだという点で共通点がある。
異質なもの同士が繋がっていくことが、研究の面白さなのだと先生はおっしゃっていました。そして、新たな繋がりから先生は現在、エネルギーについて考えておられます。「地球は、あと1800年で砂漠に覆われる。」という先生の言葉から、砂漠化は地球全体で広がっているという、今まで知らなかった事実を知り、大変驚きました。

人の役に立つ研究だけでなく、科学を分かりやすく説明するための、ユーモアに溢れた研究も必要であるということ。また、笑いが興味を生み出すことがあり、笑いによって人間は原点に戻ることができるのだということ。私は、馬渕先生が教えくださったこれらの事柄から、笑いは科学においても有益であるということを学び、笑いの持つ力の大きさを改めて感じました。

みなさんも今回の講演で、科学に対する見方が変わったと同時に、今まで気づかなかった大切なことに気づくことが出来たのではないでしょうか。興味を持ったら積極的に調べていくという馬渕先生の姿勢を、私達も是非真似していきたいですね。

英文学科1年 ジャスミン

コメントシートより

  • 進歩、発展ばかりを目指すのではなく、笑いで原点に戻ることの大切さを知った。
  • 当たり前に私達の身近にある「バナナ」から「生命の本質」まで繋がるということに大変驚いた。
  • 興味が生まれたらきちんと自分で研究する姿勢がすごいなと思った。
  • 役に立つ研究だけが必要なのではないのだから、何の役に立つのかを考えるために立ち止まることはしなくてよいということを学んだ。
  • ありふれたものから何かを見つけ出すことこそが科学の本質であるということを学んだ。
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