日本語教員養成課程

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日本語からはじまる国際交流・・・日本語教員養成課程

【日本語教員】って知っていますか?

日本語を母語としない人に日本語を教える専門の教員です。海外の教育機関で日本語を学ぶ人は現在約384万人、国内で約26万人と言われています。大学、大学院で学ぶ留学生や、ビジネス関係者、技術研修生、中国からの帰国者とその家族、日本の小・中学校で学ぶ外国人の子どもなどさまざまです。 日本で学ぶ人たちは、日本人と生活する中で日本語を学びたいと願い、学習の手助けをしてくれる人を求めています。 津田塾大学日本語教員養成課程では、こうした多様な学習者に対応できる基礎的な知識と能力を身につけた教員の養成を行なっています。

全学科の学生が履修できます

津田塾大学日本語教員養成課程は、1990年度に開設され、1589人(英文学科786人、国際関係学科747人、多文化・国際協力学科9人、数学科4人、情報科学科3人、情報数理科学科12人、大学院生、科目等履修生28人)が本課程を修了しました。(2024年4月現在)

日本語教員養成課程を修了すると・・・

修了生は、国内外の大学や日本語教育機関の日本語教師、英語教員、国際交流関連機関の職員、地域のボランティアなど、多彩な分野で活躍の場を広げています。
専門性を深めるため、大学院に進学する学生も少なくありません。


授業科目

日本語教員養成課程を修了するためには、必修科目として6科目17単位、選択必修科目1科目以上3単位、自由選択科目として20単位を履修します。自由選択科目はできるだけ広い領域(5区分 I~V)から履修します。定められた単位を修得し、課程を修了した学生には、津田塾大学日本語教員養成課程の修了証明書が与えられます。

*は必修科目 **は選択必修科目
 

言語と教育

日本語教授法*/日本語教材・教具論*/日本語教育実習*/多文化社会と言語教育/異文化理解教育論(1)・(3)・(4)/言語教育とジェンダー/情報処理 Ia・Ib/教育課程論

言語

日本語学概論*/日本語文法概論*/日本語学特殊講義1・2**/対照言語学1・2**/国語学(1)・(3)・(4)/ことばの世界**/音声学**/音韻論/形態論/文法論/意味・語用論/言語とコミュニケーション/Oral Communication/国語表現(1)・(3)・(4)

言語と心理

第二言語習得論(日本語教育)*/第二言語習得概論(英語教育)/認知科学と言語教育/コミュニケーション概論/異文化コミュニケーション理論/マルチリンガリズム/心理学(1)・(3)・(4)/教育心理学

言語と社会

社会言語学/異文化理解とコミュニケーション/言語思想論(1)・(3)・(4)/社会心理学(1)・(3)・(4)/多文化共生論(1)・(3)・(4)/国際交流論/言語政策

社会・文化・地域

日本文学(古典文学)(1)・(3)・(4)/日本文学(近現代文学)(1)・(3)・(4)/日本研究演習(英語)(1)・(3)・(4)/日本史概説(1)・(3)・(4)/世界史概説(1)・(3)・(4)/国際関係概論(1)・(3)・(4)/文化研究序説/地域研究序説(1)・(3)/比較教育論(1)・(3)・(4)/文化人類学(1)・(3)・(4)/第三世界の思想と文化(1)・(3)・(4)/国際移動論/国際ボランティア論/情報と社会(1)・(3)・(4)/情報と職業


修了者の活躍

日本語教員養成課程修了者は、こんなところで活躍しています。

鳥野見 香(英文学科卒業) 

元日本語教師、私立中高一貫校英語非常勤講師

現在このコースを履修されている皆さんの中には、本気で将来日本語教師として仕事をしたいと思っている方、または将来の職業とは関係なくとも知識を増やすために勉強されている方もいらっしゃることでしょう。さまざまな理由をお持ちのことと思いますが、いずれの理由にせよ、将来私たちが日本で生活していく中で、外国人と接する機会は大いにあると思います。人それぞれ関わり方というのは違うかと思いますが、そういった外国の方との出会いの場面において、この課程で学んだことが大いに活かされることと思います。良い機会ですので、ぜひさまざまなことを学んでください。
シンガボールの日本語学校で専任の日本語教師として2年半仕事をしていました。日本語を通じて得た様々な体験や、生徒たちとの思い出は、今となっても大切な宝物です。このような経験ができたのも、津田塾大学で日本語教員養成課程を履修できたおかげだと思っています。ありがとうございました。

今井 寿枝(英文学科卒業)

独立行政法人 国際交流基金

国際交流基金の関西国際センターで、さまざまな日本語研修のコースデザイン、教材開発、運営に携わってきました。例えば、経済連携協定(EPA)に基づき開始された日本語研修や、アジア文化交流政策に基づく「日本語パートナーズ」の派遣前研修などです。今までに担当した 研修は20種類以上で、70か国余りの人々に出会いました。幸運にも、日本と海外の文化交流政策に応じて新たに実施される研修に関わることが多く、仕事を通して、世界の動きを感じ、自分には何ができるのかを考え試行錯誤する毎日を送っています。
前例のないことを考える難しさはありますが、何よりも、研修の内容は違っても、ある目的のためにたまたま集まった多様な人々が共に学びあい何かを達成したときの感動、幸福感を目の当たりにできること、そういう場のクリエーターとしての仕事にやりがいと幸せを感じています。

小笠 恵美子(国際関係学科卒業) 

日本語教員

普段は留学生への日本語の授業をしていますが、静岡のブラジル人児童支援に関わったり、地域のボランティアの人たちとの交流の機会があったりします。ブラジル人児童の支援では、経済の状況によって閉鎖を余儀なくされた学校があったり、ボランティアの機関には人間関係がうまく築けなくて悩んでいる奥様(夫は日本人)の話があったりして、ことば以外の問題をもっと考える必要があると痛感する毎日です。
私は日本語を教えることを仕事にしましたが、これを仕事にしなくても日本語を学ぼうとする人たちに関わったり、そういった人たちのことを知ることで現在の日本の問題やご自身についてふり返っていただけたらと思います。

大塚 亜未(理学研究科情報科学専攻後期博士課程修了)

本学情報科学科助教

日本語教員養成課程の授業を通して、国語、日本語、英語教育の相違点を学習できたことは大きな収穫です。現在は英語学習者を対象とした学習の振り返り支援システムについて研究していますが、行く行くは日本語学習者も支援できるシステムにできたらと考えています。

※所属は取材当時のものです
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