2026年度「津田梅子賞」受賞者

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本学創立110周年を記念し創設した「津田梅子賞」は、今年で16回目を迎え、 全国からご推薦をいただきました。
選考の結果、今年度の受賞者は次の1名、1団体に決定いたしました。

個人受賞 天満 敦子 氏(ヴァイオリニスト)

受賞者紹介

 東京藝術大学大学院修了。海野義雄、故レオニード・コーガン、故ヘルマン・クレッバースらに師事。
第43回日本音楽コンクール ヴァイオリン部門で第1位、またロン=ティボー国際コンクール特別銀賞等を受賞。その後、アルバム『現代日本のヴァイオリン音楽・抄』にて第9回文化庁芸術作品賞を受賞、アルバム『ねむの木の子守歌』では第47回日本レコード大賞企画賞を受賞している。 また、東日本大震災後は母親の故郷である福島県を中心に被災地各地での演奏を続け、地元の人々との絆を深めている。
 活動の場は通常の劇場に留まらず、生の音楽に触れる機会の少ない人々や地域社会の現場へ赴き、音楽を直接届ける活動を展開してきた。1999年からは長野県上田市の「無言館」にて戦没画学生に捧げる追悼演奏を25年以上にわたり毎年継続しているほか、松本市四賀音楽村の村長を務めるなど地域文化の振興にも尽力している。また、1992年のルーマニア訪問を機に東欧諸国をはじめとする民間文化交流の架け橋となり、年間100回以上の演奏会を重ねてきた。 天満氏のこれまでの歩みと実践は、現代社会や文化界に対して多大かつ持続的な影響と成果をもたらしている。
 また天満氏は2022年には首に12本のボルトが入る深刻な状況となりながらも、壮絶なリハビリを経て奇跡的な復帰を果たし、その姿は2026年1月に出演した「徹子の部屋」の放映後、大きな話題となった。演奏生命を脅かす頸椎損傷という過酷な現実を前にしても、「それでも音楽を続けていきたい」と前を向き活動を継続する姿は、年齢や障がい、病気といった現代社会の様々な困難に直面する人々に対し、諦めずに挑戦する生き方の強力なロールモデルとなっている。
 国内外で幅広く活動し、芸術を通じた国際交流、平和への貢献、社会貢献を実践する姿は、女性のエンパワーメントに寄与するだけでなく、その活動を世界的に展開している点も高く評価され、本賞受賞に値すると考える。

団体受賞  公益財団法人日本キリスト教婦人矯風会 女性の家HELP(施設長 松井 弘子 氏)

受賞団体紹介

 公益財団法人日本キリスト教婦人矯風会が運営する「女性の家HELP」は、1986年に国籍や年齢を問わず、困難を抱える女性と子どものための緊急一時保護施設として開設された。
配偶者やパートナーからのDV被害、貧困、虐待、人身取引などで居場所を失った女性や母子に対し、安全な宿所と食事を提供するとともに、福祉事務所等と連携した病院への同行や日本語学習など、一人ひとりに寄り添った手厚い支援を展開している。
 また本施設では、入所者の視点に立った運営を徹底しており、文化や宗教、言語の違いに配慮したハラル食の提供や自由な入浴時間など、個々の尊厳と自主性を尊重する工夫がなされ、開設以来の約40年間で、同伴児を含め約6,850名を受け入れてきた豊富な実績を誇る。また、日本語、英語、インドネシア語、フィリピン語による電話相談を年間1,000件以上受け、海外からの相談や問題解決にも積極的に応じている。現代社会において「女性と子どもの安心・安全な生活促進事業」は、たいへん重要な役割を果たしている。
 母体である矯風会は、売春防止法やDV防止法の制定・推進に尽力してきた歴史を持ち、実際の現場支援を担う「女性の家HELP」の存在は、公的施設での受け入れが難しい外国籍女性や多様な課題を抱える人々を支える重要なセーフティネットとなっている。2024年4月施行の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の制定にも協力し、その現場知見は制度見直し等にも活かされ、さらに、年2回実施する外部の相談支援員向け研修会や国内外に向けた情報発信を通じ、社会全体の支援体制強化にも大きく貢献している。
 多言語・多文化への配慮や退所後の支援に加え、女性支援制度への提言や支援者育成にも取り組み、長年にわたり女性と子どもの尊厳と権利を守ってきた歴史的かつ継続的な活動が高く評価され、本賞受賞に値すると考える。

2026年度津田梅子賞贈賞式

 2026年10月11日(日)、津田梅子記念会&ホームカミングデーの中で津田梅子賞の贈賞式が行われます。 
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