佐々木 尚之 教授
高校生へのメッセージ
普段の生活の中で「コスパ」や「タイパ」など効率化を気にしすぎていませんか。要領よくスマートにふるまおうと無理をすると、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。不必要で無駄だと思っていたことが、のちの人生を豊かにしてくれることはよくあることです。人間万事塞翁が馬。社会環境が激変している今こそ、あえて回り道をして、失敗を恐れず、多くのことに挑戦してみませんか。必要最低限のことだけをしてもつまらないですよね。無駄を楽しむ心の余裕をもって、あなた自身が人生の主導権を握りましょう。
高校卒業後、将来どうなるかなど考えずに渡米しましたが、10年にわたるアメリカ生活で経験したことは、私の人生の大きな財産です。Preschoolの担任をしていたころは、大学教員になるとは思ってもいませんでした。
私の研究
私の研究テーマは、ライフコースの観点から生涯発達を読み解くことです。とくに、家族形成のプロセスについて大規模社会調査データを解析し、子どもを生み育てやすい社会を構築する方策について検証してきました。
日本の人口は、先例のないペースで少子高齢化が進んでおり、「家族」のあり方そのものを問い直す必要に迫られています。成人の初期段階に結婚し、子どもをもつことを前提とした社会制度は、もはや現実に即していません。非婚者の増加や出生率の低下が続いていることに鑑みると、育児や介護の責任を家族のみに負わせることは持続可能な方策とはいえないでしょう。配偶者や子どもの有無、年齢、SOGIE(Sexual Orientation, Gender Identity and Expression)、心身の障がいの有無にかかわらず、誰もが尊厳をもって生涯にわたり暮らせる社会を目指すには何が必要なのかをデータ分析をとおして追究しています。
日本の人口は、先例のないペースで少子高齢化が進んでおり、「家族」のあり方そのものを問い直す必要に迫られています。成人の初期段階に結婚し、子どもをもつことを前提とした社会制度は、もはや現実に即していません。非婚者の増加や出生率の低下が続いていることに鑑みると、育児や介護の責任を家族のみに負わせることは持続可能な方策とはいえないでしょう。配偶者や子どもの有無、年齢、SOGIE(Sexual Orientation, Gender Identity and Expression)、心身の障がいの有無にかかわらず、誰もが尊厳をもって生涯にわたり暮らせる社会を目指すには何が必要なのかをデータ分析をとおして追究しています。