木村 友美 准教授

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木村 友美 先生 木村 友美 先生

高校生へのメッセージ

「体にいい食事って何だろう?」
日常生活のなかで、これを食べると良い/悪い、という言葉を耳にすることがあります。この問いへの答えは栄養学が示してくれると思われがちなのですが、実はそう簡単にはいきません。食と健康(心身の状態)との関係については、まだ分かっていないことがたくさんあります。また、世界の多様な地域に暮らす人々の摂るべき食事が同じであるはずがありません。大学での学びは、常識とされてきたものを疑い、科学的な手順に沿って問いに挑み続けるものです。食と健康の複雑な世界を、一緒に探求しましょう。

私の研究

私の専門分野は、人の集団を対象として健康課題に取り組む公衆衛生学です。そのなかで、特に食と健康長寿をテーマに研究しています。
「食」の研究は、食文化だけでなく、生業と環境問題、貧困や格差、高齢化や健康問題など、様々な社会の課題を含みます。そのため、「何を食べれば体にいいか」を知るためには、人々の暮らしのなかで、その食が選択される背景にも注目する必要があります。そこで、フィールドワークが、重要な手段の一つとなるのです。
フィールドワークとは、フィールド(=現場、生活の場)において調査を行うことです。栄養や健康の課題は、臨床や実験室ではなく、人々の暮らしのなかにあると考えます。フィールドワークを行うことで、その地域に暮らす人々が「何を」食べているかだけではなく、「誰と」、「どのように」食べているか、そしてどのような健康の課題を抱えているかということがより具体的にみえてくるのです。
私は、この複合的な研究のアプローチを「フィールド栄養学」と名付け、国内外で実施しています。日本の農村地域に暮らすご長寿さんたちや、ヒマラヤ高地の厳しい自然環境とともに生きる遊牧民の人々、グローバル化の波に立ち向かうニューギニア島西部の多様な先住民族の人々など。異なる地域でフィールドワークを行うことで、環境(自然・社会)~身体~食の相互作用に関する様々な特徴が浮かび上がってきます。その特徴を分析し、地域の状況にあわせた健康増進の取組みを探求しています。
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