中屋敷 厚 教授

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高校生へのメッセージ

高校生の皆さんには、分からないことを大事にして欲しいと思います。問題は解けるのだけれど今一つ納得できないとか、他の人は皆当たり前と言っているのに自分だけ分らない、というときはチャンスです。自分を信じて、その”分からない”を持ち続けてください。すぐに解決できる必要はありません。そういうところは案外重要なことが潜んでいることが多いのです。分からないことは悪いことではなく、分かるための重要な段階なのです。

私の研究

私が研究しているのは標語的に言うとソリトンの数学というものです。ソリトンと言うのは今から200 年ほど前にスコットランドの運河で発見された少し変わった性質を持つ波のことです。数学としては、ソリトンは微分を含んだ方程式、微分方程式と言いますが、の解になっています。この微分方程式はいろいろあるのですが、総称してソリトン方程式と呼びます。
  ソリトン方程式の大きな特徴は解が厳密に計算できるということです。数学にはいろいろな方程式がありますが、そのほとんどは解を厳密に計算することは出来ません。厳密解の力を使って、ソリトンはその見かけからは想像できないような様々な数学や物理・・・代数、幾何、解析、組み合わせ論、素粒子論など・・・に深い関係を持っていることが明らかにされて来ています。私はソリトンを軸にして、厳密に計算できるような対象を研究してきました。最近はソリトンの幾何学的性質や、ソリトンの観点からテータ関数と呼ばれる関数を研究しています。テータ関数は三角関数の拡張として19 世紀に発見され、これまでにも多くの研究がなされて来たものですが、未解明の部分が山ほどある奥の深い関数です。その性質の解明は将来新しい自然現象の解析にも役に立つと期待しています。

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