小西 由紀子 教授

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高校生へのメッセージ

数学の勉強を続けているとそれまで知らなかった概念が現れることがあります。それをすぐ理解できることもありますが、大概の場合はすぐには分からないものです。そこで諦めず、より易しめの教科書を読んでみたり、具体例を計算してみたり、詳しそうな人に質問してみたりと、いろいろなやり方で納得できるまで考えてみてください。

私の研究

私が研究しているのはミラー対称性に関する問題です。ミラー対称性とは1990年代に素粒子論の研究者によって発見された数学的な現象です。その後、物理・数学両方の研究者によって研究され、現在では代数幾何、数論、シンプレクティック幾何、圏論といった幅広い数学の分野にまたがる研究テーマとなっています。
私自身は近年、多様体のフロベニウス構造について研究しています。ここで、多様体とはユークリッド空間を一般化した空間の概念です。また、構造とは、集合に対して付け加える付加的な演算やデータという意味で、例えば、実数の足し算やかけ算は実数全体の集合に付加された構造です。フロベニウス構造は積と計量とベクトル場から成る微分幾何的な構造で、ミラー対称性を数学として定式化するために提唱されました。
最近はとくに、鏡映群の軌道空間におけるフロベニウス構造を調べています。2次元実平面上に原点をとおる直線があると、それに関する折り返しによって、平面が平面に移ります。このような折り返し変換を高次元に一般化したものを鏡映変換と言います。鏡映群は鏡映変換で生成される群で、正多角形や正多面体の対称変換群なども鏡映群です。鏡映群は古くから研究されてきた対象ですが、フロベニウス構造という(比較的)新しい視点から見ることで新しい結果を引き出せることを期待しています。
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